古代進

古代進とはもはや言うまでもない、宇宙戦艦ヤマトシリーズの主人公である。
後述するように旧作では問題児な面も多かったが、終始熱血漢の主人公らしい主人公であった。
担当CVも多く、初代から完結篇は富山敬、ゲーム版及び復活篇は山寺宏一、2199では小野大輔が努めている。 

概要(初代～完結編)

当初は宇宙戦士訓練学校の候補生であり、島大介と共に火星の観測基地で任務中。
偶然にも波動エンジンの設計カプセルを持ったサーシア、 その亡骸と邂逅。
地球帰還後はヤマト戦闘班長を務める。当初は兄、古代守を「見捨てた」沖田十三を相当に恨んでいた。

両親・親族は、兄を除いて遊星爆弾により全員他界している。

ガミラス人への憎悪も激しく、捕虜をナイフで殺害しようとさえしている。
しかし激戦の末に滅びたガミラス本星を前に「勝利か、クソでも喰らえ！」と戦いの虚しさも痛感。
イスカンダルで奇跡的に無事だった古代守を見届けた後、地球に帰還する。

そして沖田艦長戦病死(実際は誤診)後は、しばしば艦長、艦長代理などに就任。ヤマトの実質的な指揮官だが…

仮にも防衛軍の戦艦であるヤマトを、廃艦が気に喰わないと、嘗てのクルーと結託して強奪(さらば・2)
一度は政府が決定したガトランティスへの降伏を、独断専行の攻撃で台無しにする(2)
確かに独裁的な極悪国家とはいえ、ボラー連邦との戦争を独断でおっぱじめる(3)

他にも藤堂長官や土方司令などの擁護、追認がなければ、軍籍剥奪の上で刑事罰に処せられても仕方のないような命令違反、独断専行をかなりやっている。コスモゼロ、コスモタイガーのパイロット。白兵戦担当。あるいは戦闘班長としては優秀な部類にはいるが、お世辞にも艦長としては…という有様である。

また、古代が戦闘班長を努めている時の艦長は、必ず戦死or戦病死する(魔の艦長席)。

流石に自らの進歩の無さを痛感したのか、完結編では一度辞表を提出してもいる(しかしその時、地球はディンギルの攻撃を受けている最中で、タイミングとしては最悪である)。しかし艦長代理ではなく戦闘班長へ再び戻った後は、苦渋の末にヤマト自爆によるアクエリアスの阻止を決心するなど、相応の覚悟と成長を見せた。

概要(復活篇)

ディンギル戦役から17年後にあたる復活篇では防衛軍を退役。森雪と正式に結婚、一人娘の古代美幸をもうけている。しかしヤマトや宇宙への未練から良い父親とはいえず、貨物船の船長として家を空けることが多かったこともあって、そのことを娘から酷く恨まれていた時期もあった。

妻である雪は第一次移民船団護衛のスーパーアンドロメダ級の艦長に就任。ワープと同時に乗艦が被弾してしまい、大破した乗艦こそ残されたが、復活篇とディレクターズカット版。双方で行方不明扱いとなった。

カスケードブラックホール接近を、地球の科学技術庁長官となった真田さんより知らされ、再度大幅に強化されて就役したヤマト艦長、そして第三次移民船団護衛艦隊司令官の任務を引き受ける。

当初、その容貌は往時の沖田艦長のような濃いヒゲに覆われ「誰だお前」状態であった(艦長就任後はさすがにヒゲを剃っている)。移民船団護衛の任務は見事に務め上げ、嘗ての自分のような血気盛んな部下を諌めるなど。年齢相応の落ち着きと成長がだいぶ見られる。見られたはずなのだが…

カスケードブラックホール破壊の際は、本来の戦闘班長を押しのけて勝手に波動砲を撃つ。
ブラックホール接近の影響で地球全土が暴風雨に覆われたときは、無断でコスモゼロを持ち出すなど。

…やっぱりいつもの古代でした。 

概要(PS/PS2ゲーム版)

平成に入ってからのリメイク作品であり、ゲームスタッフが昭和の原作の理不尽な脚本・皆殺し展開を大きく変更。
それに伴い古代もかなり理性的になり、年長者との会話は必ず丁寧に行う。
部下や同僚の判断、意志を尊重。僚艦援護もヤマト艦長となった古代守のサポートという形で、しっかりこなしている。

恐らく2199を除けば、一番性格的に落ち着き、理性的になった古代進であろう。

ゲームの流れもプレイヤー次第では、防衛艦隊のかなりが健在。
何より山南艦長、古代守、サーシアといった永遠にで理不尽に命を落としたキャラを生還させることも可能など、
非常に良くシナリオが練られており、続編が出なかったことが惜しまれている。 

概要(2199)

他のキャラクターと同様に年齢、出自、国連宇宙軍への入隊経緯、階級などが細かく設定されている。
当初の階級は3尉、メ号作戦の一環として火星でイスカンダルからの連絡機。そのランデブーのため待機していた。

性格は監督の「古代と島の性格、スタンスを逆にしてみた」「昔の古代では今は受け入れられない」という判断から、ゲーム版以上に落ち着いた。年齢相応の未熟さを除けば、冷静な性格となった。一例として旧作同様、古代守の戦死を「陽動作戦で兄を殺したのか」と詰め寄るが、沖田の苦悩に満ちた謝罪から心情を察し、敬礼で応じた。

但し、生きていた唯一の肉親である兄の戦死直後ということで、やはり頭に血が上っていたのか、整備中の最新鋭のコスモゼロを島とともに無断出撃（2199では今のところ、命令違反の危険行為はこれだけだが）。大破させた末に加藤に盛大に殴られている。

こういった経緯、そして本来その立場にあるはずだった古代守の戦死により、ヤマト乗艦後は2階級特進の末に戦術長の立場を拝命しても、特に航空隊などからは懐疑的な目で見られていた。当人も「自分にその資格があるとは思えない」と、一度は辞退しようとしている。

しかしヤマト出撃後は、単に命令に忠実なだけではなく。主計科でありながら優れたパイロットとしての技量を持つ山本を、ちゃんと沖田艦長経由で許可を取り付け、転属を取り計らう。戦闘指揮も概ね的確で、危険な作戦であればまずは自分が率先するなど、徐々に周囲からの信頼と信用を確立していく。 

また今時の主人公らしいというのか、基本的に温厚で概ね能力も優秀。意外と心の機微にも鋭いのだが、異性関係だけは正真正銘の朴念仁で、森雪や山本玲といった女性陣の好意に全く気づいていない(哀れ南部…)。

なお、戦闘時に際してはコスモゼロに搭乗。戦闘指揮を取ることもあり、その際のコールサインは「アルファ・ワン」。パイロットとしての経験、技量に関してもヤマト戦術長着任前。航空部隊に所属していたという経緯が追加され、不自然なものではなくなっている。

1尉という階級、戦術長という職掌に相応しい。人間味と能力を有した、今度こそまっとうな主人公として活躍中である。
因みに2199の担当声優、小野大輔は「昔の古代って野獣みたいな…」とオーディオコメンタリーで評している。 

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関連項目

• 宇宙戦艦ヤマト
• 宇宙戦艦ヤマト2199
• 富山敬/山寺宏一/小野大輔(担当声優)
• コスモゼロ(シリーズを通じてほぼ愛機)
• 古代守(兄、唯一の肉親)
• 森雪(後の妻？)