塩化ナトリウムの入っていない塩 単語


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塩化ナトリウムの入っていない塩とは、

  1. 塩化ナトリウムの入っていない塩(しお)。日常的な言葉としての意味。
  2. 塩化ナトリウムの入っていない塩(えん)。化学用語としての意味。
  3. 塩化ナトリウムの入っていない塩(固有名詞)。

塩化ナトリウムの入っている概要

1 - 塩(しお)

時折話題に上がる謎の調味料。

塩(しお)、すなわち食塩の主成分は塩化ナトリウムである。

基本的な調味料として重要。日本人は一日に食塩換算で10g程度の塩分を摂っているようである。塩化ナトリウム(NaCl)を主成分とし、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムなどの成分も少量含んでいる。

(ニコニコ大百科「塩」)

 

塩(しお、英: salt)は、塩化ナトリウムを主な成分とし、海水の乾燥・岩塩の採掘によって生産される物質。

(Wikipedia「塩」)

 

塩辛い味をもった物質。海水または岩塩から製し、精製したものは白い結晶で、食生活上なくてはならない調味料。また、日本ではいろいろな場で「清め」の材料として用いられる。塩化ナトリウム(NaCl)を主成分とし、工業用にも重要な物質であるが、一般には食塩をさしていう。

(精選版 日本国語百科事典「塩」)

 

塩化ナトリウムNaClを主成分とする物質で、動物体にとっては生理的に不可欠のものである。

(日本大百科全書「塩(しお)」)

ただ、「塩分をカットした食塩」「減塩塩」などは実際に販売されている。これは塩化ナトリウムのうち数十パーセントを塩化カリウムに置き換えたものを指すようだ。ただし、これらの塩(しお)にも塩化ナトリウムは含まれている。

一部では「塩化ナトリウムは化学調味料である」とし、天然塩を「塩化ナトリウムではない」と解釈する層もあるようだが、これは一般的には誤りである。

※天然塩には学術的な定義は無い。海水や岩塩などから作られた食塩や、にがりが多く含まれる食塩を指すことが多い。

実際には、天然塩の原料の海水や岩塩などの時点で塩化ナトリウムが多く含まれているので、ほぼ全ての天然塩には塩化ナトリウム(栄養成分表示では「ナトリウム」という形で表現される)が含まれているといえる。ちなみに、2022年現在は公正取引委員会により「天然塩」を称する商品は販売が禁止されている(参考)。

溶解成分のうち陰イオンでは塩素イオンが約55%,陽イオンではナトリウムイオンが約31%,塩類の形で示すと塩化ナトリウムが約78%を占める。

(ブリタニカ国際百科事典「海水」)

 

鉱物として産する塩化ナトリウム。不純物として硫酸カルシウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム,硫酸マグネシウムなどが少量混在。

(百科事典マイペディア「岩塩」)

※ナトリウムを100%使用していないと称する塩(しお)も全く存在しないわけではないが、執筆者が探した範囲内では国内で販売されているものは発見できず、海外の商品のみであった(参考)。また、世界の一部地域では「灰塩」と呼ばれる植物灰から作られた塩(しお)もあり、塩化ナトリウム含有量が少ないとされる(参考)。
ただし、おそらく健康関連で「塩化ナトリウムが入っていない塩」と書いた人もここまでは想定していないと思われる。

食塩の主成分が塩化ナトリウムであることは、遅くとも中学校の理科で化学式を取り扱う際などに学習するので、食事・健康関連の文脈でこのような表記をすると指摘されることが多い。

経緯

2010年には既に「塩化ナトリウムという化学調味料じゃなくて」という投稿がTwitter上で見られる。おそらく「塩化ナトリウムは化学調味料である」と解釈する層が当時からいたと思われる。

「塩化ナトリウムが入っていない塩」に対する指摘の投稿は2012年1月24日ごろから見られるが、執筆者は元のツイートを発見できなかった。その後も散発的に話題となっている。

2020年に「塩化ナトリウムの入っていない塩」と書かれた2018年投稿のサンケイリビング新聞社『あんふぁんWeb』に個人が投稿した記事がTwitter上で発掘され、話題となった(→ニュース記事)。市販の目薬の防腐剤を避けるため、手作りの目薬の製法を説明している途中で、下の文章が登場している。

☆塩は塩化ナトリウムの

入っていないものを選ぶ。

(スーパーなどで売っている

ものはほとんど塩化ナトリウム

が入っているので注意!)

この文は「塩化カリウムが多く含まれる減塩塩を指そうとして不正確な表記になってしまったのではないか」とも考えられるが、真意は不明。

2 - 塩(えん)

塩化ナトリウムの入っていない塩(えん)であれば存在する。上記の塩(しお)が話題になったときに、他の人から挙げられることが多い。

塩(えん)とは、酸と塩基の中和反応などで発生する、酸の陰イオンと塩基の陽イオンからできた物質を指し、塩化ナトリウムや食塩とは指す範囲が異なる。

塩酸と水酸化ナトリウムの反応では、塩化ナトリウムと水が生成される。このとき、酸である塩酸の陽イオンはNa+、塩基である水酸化ナトリウムの陰イオンはCl-であるので、塩(えん)は塩化ナトリウム(NaCl)となる。

HCl + NaOH → NaCl + H2O

ただし、下記の反応のように、塩(えん)は塩化ナトリウム以外のものにも当てはまるので、塩化ナトリウムの入っていない塩(えん)も存在すると言える(ただし、「塩化ナトリウムではない塩」という表記の方が適切と思われる)。

2HCl + Ca(OH)2CaCl2 + 2H2O

日常的にわかりやすい塩(えん)に該当しうる物質の例では、融雪剤として使われる塩化カルシウム(CaCl2)や、料理や掃除で大活躍する炭酸水素ナトリウム(NaHCO3、重曹)、胃の検査で飲む硫酸バリウム(BaSO4)などが当てはまる。

3 - 塩(固有名詞)

埼玉県熊谷市の地名である「塩」等が該当する。ただし、その地域の一般家庭には恐らく食塩があるので、厳密には塩化ナトリウムが含まれているとも言えるのかもしれない。

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関連項目

  • 塩化ナトリウム

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