本記事では、『ウマ娘 プリティーダービー』における実況について解説する。
アニメ・ゲームともに、『ウマ娘』では現実の競馬さながらに実況が放送される。
アニメ版では、史実の実況が忠実に再現されており、その完成度は競馬ファンからも高く評価されている。一方、「沈黙の日曜日」など、ショッキングな出来事はあえて再現しないなどの配慮もある。
ゲーム版では、レース前の前口上、レース中の実況、レース後の実況など状況に応じて細かく変化し、見るものを飽きさせない。飽きたと思ってスキップボタンを押したらリプレイで珍しいことを言っていたりするので、油断は禁物である。
スタッフロールでは「実況の赤坂さん」表記だが、第1期8話にテロップが登場したことで本名が判明。見ての通り、名前は担当声優のもじり。
アニメ版では、1期第1話から2期最終話まで一貫して彼女が実況を担当。めがねをかけた外ハネショートヘアと、まろ眉、蝶ネクタイがトレードマーク。
女性実況はアニメ版と同一の声優。ただしゲーム版に姿は登場せず、「実況の赤坂さん」が担当しているかどうかは不明である。
男性実況は、『スキージャンプ・ペア』や『JAPAN WORLD CUP』などのトンチキスポーツCGアニメーションで実況役を務める茂木淳一が担当。『ウマ娘』も、発表当初はこれらと同列のトンチキ擬人化ものだと思われていたことをいやが上にも思い知らされる。
実況の男性・女性はデフォルトではランダムだが、オプションでどちらか一方に変更できる。
どちらでも話す内容は同じだが、話し方の癖などに差がある。
…裏を返せば、下記の特殊実況も男女両方用意されているということである。条件が非常に厳しいウマ娘などは2回聞くのが大変だが頑張ってほしい。
元騎手にして現競馬解説者の細江純子が本人役で出演。
もちろん本作が声優初挑戦のため、当初はぎこちなさが目立つものの、回が進むごとに聞き取りやすくなり、声優ファンからも高い評価を得るようになった。
武豊は、第1期5話、史実で自らが鞍上を務めたスペシャルウィークの日本ダービーで解説を担当している。
元山陽放送アナウンサー。男性実況・女性実況双方で解説を担当。
各ウマ娘固有のセリフはなく、レースの状況に対して汎用的なセリフを返す。
「今一番期待しているウマ娘」は大抵プレイヤーのウマ娘である。
※以下、アニメ版およびゲーム版のネタバレが含まれます。
実況によるウマ娘の発表、解説による寸評が行われる。
レース場、バ場、距離や天候などが発表される。
例:
実況:
美しい青空が広がる、中山レース場
ターフも絶好の良バ場になりました!
解説:
名勝負になる舞台は整いましたね
重賞の場合は専用の前口上が用意されている場合がある。
例:安田記念(ウマ娘)
快速自慢が集う東京マイル・安田記念!
春のマイル王は誰の手に!
詳しくは「ウマ娘のレース」からリンクの張られている、各レースの記事を参照(あれば)。
URAファイナルズ・チームレース・レジェンドレース・チャンピオンズミーティングなど、ウマ娘オリジナルのレースの場合も専用の前口上が存在する。
その後、1番人気、2番人気、プレイヤーのウマ娘(または3番人気)が紹介され(タイトルがある場合はそれが読み上げられる)、態勢完了となる。
各ウマ娘の名前が細かく実況され、中盤では順位を振り返ったりと現実に近い実況がされている。
ただし、モブウマ娘は名前ではなく、ウマ番で呼ばれる(ハッピーミークのみ例外)。
また、チームレースやチャンピオンズミーティングなど、同キャラ対決があり得るレースの場合、重複するウマ娘は「5番 ナイスネイチャ」など、ウマ番と名前が順番に読み上げられる。
勝者を称え、レース専用口上やウマ娘専用実況がある場合はそれが読み上げられる。
例:菊花賞
勝ったのは○○!
他のウマ娘たちをねじ伏せ、レースを制した!
勝ったのは○○!
菊の舞台で見事、勝利を掴んだ!
二冠・三冠達成や春秋制覇、二連覇などの記録が達成された場合はその旨が読み上げられる。
その後、2着、3着のウマ娘が読み上げられ、プレイヤーウマ娘の勝利・敗北ポーズに遷移する。
育成ウマ娘には、1回ずつ専用実況が用意されている。
基本的には史実の有名なシーンを再現すれば聞けるようになっている。
一方、現在では番組が変わっている影響で条件が変わっていたり、史実で見たかった「if」が条件になっている場合もある。実況ではなく騎手のインタビューが元になっている場合や、元ネタの全くないオリジナルの場合もある。
もっと有名な実況がある場合でも、プレイヤーが自力で再現可能なものが選ばれる傾向にある。
例えば、テイエムオペラオーの場合2000年有馬記念の実況が最も有名と思われるが、「中山の最終直線、ラスト1ハロンでバ群ブロックを抜け出す」をプレイヤーが意図的に再現するのはすさまじい難易度になってしまうので、別のレースが選ばれている。
また、史実の実況にたった一言あるだけの文言が条件として必要なことがあり、有名な条件をクリアしたのに特殊実況にならず首をかしげたプレイヤーも多いことだろう(例:シンボリルドルフ)。
以下に、各特殊実況と条件(有志による解析なので正確とは限らない)、元ネタを解説する。
育成未実装のウマ娘は、タイトルを灰色で表記する。
夢を掴んだスペシャルウィーク!
ついにダービーウマ娘の夢を掴み取りました!
夢を掴んだ武豊!
ついに夢を掴みました! 武豊・スペシャルウィーク!
『ウマ娘』の武豊は解説席にいるので、夢を掴んだのはスペシャルウィークだけになっている。
それ以外は史実ほぼそのままである。
オグリ1着! オグリ1着!
見事にファンの大声援に応えました!
スーパーウマ娘、オグリキャップです!
オグリ1着! オグリ1着! オグリ1着! オグリ1着!
右手を挙げた武豊! ※実際に挙げたのは左手
オグリ1着! オグリ1着!
見事に引退レース、引退の花道を飾りました!
スーパーホースです、オグリキャップです!
限界説も囁かれた中、引退レースを勝利で飾り、アイドルホースの意地を見せた1戦。
『ウマ娘』では引退するわけではないので、その部分は変更されている。
テイエムオペラオー!
盾の舞台に次いでグランプリの舞台でも
高らかに唄うはオペラオーです!
アイ・アム・ナンバーワンといったところでありますテイエムオペラオー!
盾の舞台に次いでグランプリの舞台でも、高らかに唄うはオペラオーです!
「盾の舞台に次いで」なので、前走天皇賞(春)をクリアしなければ聞けない。すなわちシニア級限定である。
史実では、その天皇賞(春)における杉本清の以下の実況からの続きとなっている。
高らかに唄うは盾の歌! テイエムオペラオーです!
『ウマ娘』では、「テイエムオペラオーーーーー!」「高らかに唄うはオペラオーーーーーーーーです!」と、「オペラオー」の長音部分がなぜか妙に長くなっている。
大輪の花が薄曇りの京都レース場に大きく咲いた!
我が国のウマ娘史に名を刻む
クラシック三冠が達成されました!
赤い大輪が薄曇りの京都競馬場に大きく咲いた!
三冠馬、8戦8勝!
我が国競馬史上、不滅の大記録が達成されました京都競馬場!
「条件はもちろん三冠だよね?」と思って達成しても聞けず、「無敗じゃなきゃダメなのかな?」と思ってチャレンジしても聞けず、よもや「天候曇り」が条件だとは思わなかっただろう。
史実にたった一言「薄曇り」とあるせいで、プレイヤー側からはどうしようもない条件が加えられてしまった。そのため、運が悪いと何回やっても聞けないことがある。男女両方聞こうとすると更に大変。
史実の実況を冷静に見ると、「赤い大輪(3枠の帽子の色)」「8戦8勝」という文言がある。これまで条件に加えられていたらさらにすさまじい運ゲーとなっていたことであろう。
エアグルーヴ! これは恐ろしいウマ娘です!
女帝が並み居る強豪を蹴散らしました!
バブルか! エアか! バブルか! エアか!
エアグルーヴ!
恐ろしい馬です! 恐ろしい馬だ! バブルガムフェローを交わした!
15頭の男馬を蹴散らした! エアグルーヴと武豊!
天皇賞の紅一点が、牡馬をまとめて差しきり、バブルガムフェローとの一騎打ちの末勝利した一戦。
クラシック級では秋華賞と重複するため、シニア級限定である。
『ウマ娘』の世界に牡牝の区別はなく、武豊も乗っておらず、バブルガムフェローもウマ娘化していないため、大分内容が変わっている。
菊近し 仁川の丘越え ひとり旅
ミホノブルボンといったところであります
菊近し 淀の坂越え ひとり旅
ミホノブルボンといったところであります
ブルボンが京都競馬場第3コーナー「淀の坂」を上っているあたりで、杉本清がなぜか一句詠んだ実況が元ネタである。
「菊近し」すなわち、菊花賞トライアルが当時と現在で異なるため、対象レースが史実と異なることに注意。京都新聞杯から神戸新聞杯に、京都競馬場から阪神競馬場に変更された影響で、内容も「淀の坂」から「仁川の丘」になっている。神戸新聞杯は阪神2200m内回りであり、第3コーナーは下り坂である。そのためちょっとおかしなことになっている。
史実と状況が異なり、目標レースではなく、場所の都合でスキップすると聞けないことから、ノーヒントで見つけるのはかなり難しい特殊実況である。
京都新聞杯と神戸新聞杯の日程が現在入れ替わっている影響は、マチカネフクキタルも受けている。
ハルウララがんばれ! ハルウララがんばれ!
ハルウララの初めての勝利が見えてきた!
ハルウララ、さあ押せ武豊、3コーナーで押していく!
現在武豊・ハルウララは後ろから3頭目、先頭には10馬身以上の差になった!
400を通過! 武とハルウララ、んー後方に置かれる!
前は3番のフアストバウンス!
武豊、今後ろから2頭目になりましたハルウララ!
さあハルウララ、がんばれ106戦ハルウララ! 直線コースに入ってくる!
(中略)
ハルウララは、ハルウララは10着! ハルウララと武豊10着!
106戦目! 初勝利はなりません!
元ネタの存在しないオリジナル実況とされているが、「ハルウララがんばれ」という実況のある映像は残されており、例えば武豊が騎乗した上記のレースでは「がんばれ」「初勝利」に言及した実況が存在する。
直接的な元ネタは、『ウマ娘』プロジェクト始動時に連載されていた漫画『ウマ娘 プリティーダービー -ハルウララがんばる!-』である。
条件が「未勝利戦」なので、メイクデビューに敗北する必要がある。これが地味に難しい。
一方、殿堂ウマ娘としてウララを起用する際も最終直線で聞ける。つまり育成シナリオの記憶は消されるってこと?
京都に続いて神戸も制した!
神戸にも福が来た!
マチカネフクキタルが制しました!
神戸に次いで京都も制した!
京都でも福が来た!
ミホノブルボンと同じく、京都新聞杯と神戸新聞杯の日程が当時と逆であることから内容が変わっている。
逆であるというだけで、史実の2戦を勝利すればいいので条件自体は簡単である。
史実におけるこの実況は、ご存じの通り菊花賞に続く。
またまた福が来た! 神戸、そして京都に次いで菊の舞台でも福が来た!
むしろ、こちらの方が有名なので「なんで菊花賞勝ったのに特殊実況にならないんだろう?」と思った人もいるかもしれない。こちらの実況には「神戸」「京都」の文言があるので、条件が3つになり難易度が上がってしまうからであろう。
キングヘイローがまとめて撫で切った!
恐ろしい末脚! ついにGⅠに手が届きました!
キングヘイローがまとめて撫で切った!
恐ろしい末脚! ついにGⅠに手が届いた!
史実ほぼそのままの実況なのだが、文言の再現が意外と複雑で、さらに「11回目の挑戦で初G1」という史実もある程度加味されているらしく、確実に聞くのが非常に難しい特殊実況として知られる。
それまでの中距離地獄を「勝たないように、しかし5着以内は維持したままクリア」という微妙な育成を要求される。育成材料がある程度揃うと、うっかりホープフルステークスや皐月賞に勝ってしまうので、中上級者ほど難易度が上がる。
初心者の内に意図せず聞いている場合があるかもしれないので、もし聞けたらラッキーだと思おう。
そもそも高松宮記念そのものが、作戦差しではバ群ブロックで沈む可能性があるし、実況を聞いてからクリアまで持って行こうとなると天皇賞(秋)が鬼門となるのでつくづく大変である。
大接戦! 大接戦のゴール!
ディープスカイ、ディープスカイ勝手知ったる府中、
その外に先輩ダービー馬ウオッカああああああ!
ウオッカ、ウオッカ、ウオッカ、ディープスカイ、ディープスカイ、ウオッカ、
もう一度ダイワスカーレットが差し返す! ダイワスカーレットも差し返す!
これは大接戦! 大接戦のゴール!
ご存じ、ウオッカがダイワスカーレットをハナ差2cmの大接戦の末下した世紀の決戦を再現したもの。
この状況を完全再現するのはまずもって不可能なので、『ウマ娘』ではレース・ウマ娘を問わないようになっている。
しかし、多くの場合「○○と○○、もつれるようにゴールイン!」や「ほぼ同時にゴールイン! ○○、わずかに体勢有利か!?」という実況になるため、3人以上がハナ差接戦になるなどしないと聞けない実況のようである(史実でも5着までハナ・クビ・ハナ・クビの超大接戦だった)。
なお、史実での青嶋アナの実況が「大接戦ドゴーン!」に聞こえることがネタにされているが、『ウマ娘』でも、(字幕は上記の通りだが)男女問わず「大接戦ドゴーン!」に聞こえるように収録されている。
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最終更新:2025/12/14(日) 20:00
最終更新:2025/12/14(日) 20:00
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