東方溶々夢とは (トウホウヨウヨウムとは) [単語記事]

東方溶々夢とは、東方熱血漢シリーズのひとつである。

概要^[要出典]

暖かい季節は終わり、辺境は白銀の幻想に閉ざされた。
しかし、カイロを背中に貼った灼熱の漢「松岡修造」には冬など関係なかったのだ。
急速に山の雪は溶けに溶け、濁流の如く水が流れていった。流れた水は即座に蒸気と変化し、幻想郷も、例外なく蒸し風呂のようになったのだ。
妖怪を含めた人々は、いつ　終わるとも分からない長い猛暑に、元気な人もゲッソリして大人しくなった。
　アリシュ「・・・」
　修　造「お前達、なんで声を出さないんだ！声を出せっつってるだけだ！！！」
そして２月、どう考えても普通の春は来そうもない。　

　　　　　　　　　　　　　　－１－
幻想郷にある白米神社の巫女さん、白米励夢（はくまいれいむ）は暑いのも苦手だった。

　励夢「あー、暑いわねー。」

ただ、いつもと違うことは「今がまだ２月である」という事だった。
気温は異常に上がってから、もう一週間は続こうとしていた。

　励夢「もう、今年は何でこんなに猛暑なの？暑い暑い…」
　修造「暑いっていうから暑いんだよ。涼しいって言ってごらん」
　励夢「そうね、涼しい…な訳無いだろおぇぇぇ！」

その瞬間目が合った。少女は、どうせ口に出さなくても分かるような理由だったと理解したのだ。だから、しゃべるとカロリーを消費して暑くなるので黙って原因を潰そうとした。

　励夢「（ところで、原因はこいつでいいのかな？）」
　修造「そんな訳ないじゃん！又会おう！」

少女は華麗なステップで去ったみょんな奴を追って出発したのだった。

　　　　　　　　　　　　　　－２－
東風の魔法使いさん、篠雨馬耳煮（しのめまじしゃん）（「篠」とは、茎が細く群がって生える「竹」のこと）は、普通の人間同様、猛暑をかなり嫌い、少しばかり楽しんでいた。

　馬耳煮「あづ～。暑いのも普通なら嫌いじゃないんだけどな」

特に霧雨邸は、魔暖房があったので地獄だった。そうでなくても魔法室は何かしら暖かいものなのだ。

　馬耳煮「こんなに猛暑じゃ、美味しい湧き水を飲みにもいけないぜ」　
　修造「おいぃぃ…！諦めんなよ。どうしてそこで諦めるんだ。」

その瞬間少女は自分の家の中に、侵入者が居るのを見た。ここ極東の国の元テニスプレイヤー。そう松岡修造だったのだ。

　馬耳煮「…もしかして、原因はお前？つーか、何勝手に入ってきてんだ。全く気付かなかったぜ」　

奴が風上に行けばさらなる熱風が吹き荒れる筈である。
熱気は奴から湧き出していた。常人はそこまで熱くないはずなのに・・・。少女は、指摘され立ち去った元テニスプレイヤーを捕まえる為に必死の形相で出発した。

　　　　　　　　　　　　　　－３－
紅米館のメイドさん、不知火白夜（しらぬいはくや（びゃくや））は異常な室温の部屋で体を冷やすために苦いアイス珈琲を飲んでいた。
　白夜「そろそろ用意した燃料と氷が切れるわね」

さすがに、発電機が切れたら冷凍設備やクーラーを付けられないだろう。
最早ここまで配達にくるような人間はいない、それは、山から流れ出た濁流が既存の道を完全に消してしまったためであり、ちょっと考えられない事態だったのだ。　

　白夜「さすがにこんな事態になるとは思ってなかったからな、アイスクリームとクーラーを切らしたら、またお嬢様がふて寝するし。」
　修造「Dream！良い夢をみよう！」

　白夜「…燃料尽きる前に、原因を消せばいいんだわ。お嬢様、お暇をいただきますよ」
　修造「良い夢を見ろって言ってるんだ！」

このときお嬢様は、あと一日もすれば干物になると確信した。
だから、ふて寝することにしたのだ。

　修造「だからって、ふて寝する奴があるか！」
　　　　　　　　　　　　　－４－

幻想郷は本当に永い猛暑だった。
２月を過ぎてから、１日ごとに２次関数のように気温も上がっていったようだ。

そして夏以外はもう来ない。　