梶谷隆幸の消失とは (カジタニタカユキノショウシツとは) [単語記事]

梶谷隆幸の消失とは、横浜DeNAベイスターズの梶谷隆幸（かじたにたかゆき）選手が唐突に消えてしまった珍プレーである。
2009年横浜が起こした『消えたレフト事件』とかけて『消えたセカンド事件』とも呼ばれる。

概要

2013 4/9 横浜DeNA vs 広島東洋　1-4で広島リード、3回表カープの攻撃で2死満塁。

序盤から横浜は劣勢をしいられ、これ以上は絶対点数をやれない背水の状態。

だが、打者は幸いにも広島の大竹。ショートゴロを打ちとり、ショートの石川雄洋はセオリー通り距離の近い二塁に送球しようとしたが二塁には誰もいなかった。

「どうして梶谷がそこにいるんだぁ」

梶谷は石川が一塁に投げるものと思い、ベースカバーを怠りベンチへむかう。すでに一塁後方まで歩いていた。

当然、石川は二塁へ投げられず、慌てて一塁へ投げるものの、大竹の快走もありセーフ。

三塁走者だけでなく二塁走者までも帰還し、6-1へとリードが広がる。

判定はショートへの内野安打になったものの、明らかに梶谷のミスであり、解説も「これいま、セカンド何をしてんですかね？」とあきれ返る始末。

このプレーで流れは完全にカープに傾き、3点を追加され3回終了時に9-1と序盤でゲームは決まってしまう。

試合終了後、監督の中畑清は「ファンの皆様に申し訳ない。（プロとして）やってはいけないミス」とコメントし、謝罪した。

そして、梶谷はこのプレーによりセカンドのレギュラーだけでなく、一軍からも消失してしまった・・・

なぜ梶谷はあそこにいたのか？

2死満塁でショートゴロの場合、最も近い塁、すなわち2塁に送球してフォースアウトとするのがセオリーである。
（ただし、1塁ランナーが俊足の場合や打球がボテボテで明らかに2塁でアウトできない場合は1塁に投げることもあるが、それでもセカンドは2塁に入るのが普通である）
本職ショートの梶谷も、当然それは理解していたはずだが、なぜこのようなプレーが起こってしまったのだろうか？

試合後、梶谷は「特に何もない。今日は聞かないでください。言い訳になる。」とコメント。
プレーの理由は明かされなかった。

これについては、いくつかの説がネット上などで議論されているが、本当のところは本人しか知り得ない。

1塁カバーに行こうとしていた　説
一部のスポーツニュースなどではこう報じられた。
すなわち、石川が1塁に投げるだろうと思い込んでそのカバーに向かったということだ。
しかし、映像でもわかるが、梶谷は腕をたたんでゆっくりと歩きながら1塁後方に向かっており、カバーと見るにはいささか様子が違うという指摘がある。
1塁にランナーがいないと思い込んでいた　説
このとき、1塁ランナーには石原がいたが、これをいないものと思い込んでいたため、2塁をがら空きにしてしまったという説である。
2死2,3塁であるならば、1塁に投げてバッターランナー大竹をアウトになるのがセオリーであり、梶谷の不可解な行動にも説明がつく。
ベンチに帰ろうとしていた　説
ショートゴロを石川が取ったことで、もう3アウトだと楽観してベンチへ帰ろうとしていたという可能性もある。
この場合、石川が1塁へ送球するだろうという勘違いをしているか、そもそも石川が捕球した時点で安心しきって自然にフィールド外へ足が向かったかのどちらかが考えられるが、後者の場合は、梶谷の明らかな怠慢プレーということになる。
しかし、この説にはベンチに向かうのなら方向が若干違うという指摘もある。

その他、早くトイレに行きたかった説、一瞬気を失っていた説、大竹を俊足ランナーと勘違いしていた説などがあるが、やはり真相は本人にしかわからない。