歌劇場(かげきじょう)とは、主にクラシック歌劇(=オペラ)やバレエを上演するための劇場を指す日本語。
「オペラハウス」「オペラ座」と呼びならわしている劇場も多い。
特徴
通常の演劇ホールやコンサートホールとの区別として、だいたい以下のような特徴が挙げられる。
- 一つの大ホールに、通常4面(3面や3面半の構造もある)の舞台を備えており、舞台転換ができるようになっている(このため歌劇場建設には、オペラ設備のないホールに比べてかなり広い面積が必要である)。
- 舞台と客席の間に一段低いオーケストラピットがあり、そこでオケ等が演奏するようになっている。
- 通常、オペラに最適化した音響設計がされている。
- 通常、劇場運営者その者がオペラやバレエの興行元であり(または専属の公演団体と契約しており)、日常的に企画・公演を行っている。
ボックス席
イタリアやフランスの権力者が造営してきた数々の伝統的な歌劇場では、上階席はバルコニー型のボックス席になっていて社交場として機能している。資産家などが舞台に近いボックスを個別に所有し、世襲するのが一般的であった。
ルルー原作のミュージカル『オペラ座の怪人』において、パリ・オペラ座の2階5番ボックスをファントムが指定席とすることはよく知られている。
観客席の形
スカラ座、パリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場などを見れば分かるように、馬蹄形の平土間と垂直に備えられた上階席が、伝統的な歌劇場のスタイルである。
日本の大劇場は、珍しくほぼオペラ・バレエ専用の稼動となっている新国立劇場オペラパレスを含めて、音響や見やすさといった機能性を重視して、扇形の観客席で斜面式になったものがほとんどである。
主な歌劇場
- スカラ座 (イタリア・ミラノ)
- パリ・オペラ座 (フランス・パリ)
- メトロポリタン歌劇場 (米国・ニューヨーク)
- ボリショイ劇場 (ロシア・モスクワ)
- ロイヤルオペラハウス(「コヴェントガーデン」) (英国・ロンドン)
- ベルリン国立歌劇場 (ドイツ・ベルリン)
- ウィーン国立歌劇場 (オーストリア・ウィーン)
- シドニー・オペラハウス (オーストラリア・シドニー)
- 新国立劇場 (東京都渋谷区;初台オペラシティ)
- 3つのホールがある施設であり、最大のホール(オペラパレス)が通常オペラ・バレエ専用となっており世界的に見ても充実した設備が用意されている。
主に東京フィルと東響がオケを担当して公演を行っており、レベルの高い国内公演を楽しむことができる。
- 東京文化会館 (東京都台東区;上野公園)
- 大ホールでのオペラ・バレエ公演がしばしば行われている。
歌劇専用造りではないが、オペラに適した程好い音響にはファンが多い。
- びわ湖ホール (滋賀県大津市)
- 新国立劇場に次ぐ日本のオペラ・バレエの中心として海外団体の公演も多い他、関西の各楽団が拠点の一つとする。劇場所属の本格的な声楽家集団を日本で始めて設置している。
- よこすか芸術劇場 (神奈川県横須賀市)
- たぶん国内唯一と思われる本格的な馬蹄形大ホール。主催公演のレベルはあまり高くないが、ポップス歌手のコンサートを含め多様な催しがあり地域の象徴的なホールとなっている。
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関連項目
- クラシック音楽
- バレエ
- オーケストラ
- オペラ座の怪人