空前の出家ブームとは、浮世の人々が救いを求めて経を唱え始めた事件である。
四苦八苦の苦しみがはびこる、この現代社会。人々はあがき、苦しんでいた。
人々は浮世のつらさを紛らわすために、絵物語にうつつをぬかし、動く絵に自分を重ね合わせた。
彼らは確かに絵物語に、動く絵に救いを求めていた。だがしかしその中に、仏の教による救いはなかった。
末法の世、確かに仏の教えは存在したが、修行僧たちは互いに自説を主張して譲らず、悟りを突き詰めようとはしなかった。彼らはそして、人を救おうとはしなかった。人もまた、救いを期待しなかったのである。
この浮世に救われるものはいなかった。おにゅうPと名す法師が現れるまでは。
おにゅう法師は世に仏陀の教えを広めるため、ぽっぷという今様の楽で般若心経を唄うことを思いつく。
さっそく彼はからくり人形にその「般若心経ぽっぷ」を歌わせ、人々に仏陀の教えを説いていった。
ぽっぷな般若心経に込められた、霊験あらたかな真言は人々の心をつかんだ。
そして人々は経を唱えはじめた。これが俗に云う、歌ってみた動画である。
また、彼に続くものも現れた。世の有名からくり師たちである。
彼らは仏陀の教えを広げるため出家し、さまざまな楽をからくり人形に歌わせ、経を広めていった。
仏陀の救いはこうして、ちまたにあふれていった。
空前の出家ブームに関する関連動画を紹介してください。
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最終更新:2025/12/13(土) 18:00
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