軒轅剣外伝 蒼之濤とは、2004年に発売した、台湾RPGシリーズ「軒轅剣」の第7作目である。
本作を原作にしたテレビアニメ「軒轅剣・蒼き曜」は2018年に放送された。
概要
物語の舞台は紀元前629年、中国の春秋時期。世の中のあらゆる「生剋」を管理する神器「太一の輪」により、歴史は三つの平行世界に分岐した。歴史を改変ためにそれぞれの未来からこの時代に来た「桓遠之」、「慕容詩」、「七曜使者」、彼らの葛藤に巻き込んまれたのは一人の少女「車芸」だた。
登場人物
主人公
- 車芸
- 小国「令狐」に暮らす14歳の少女、「木甲術」を精通している、両足は自製の木製義足。狐型木甲獣「雲狐」を操って戦う。故国が晋国に滅ばされ、身寄りが亡くなったから、戦争中助けてくれた嬴詩と一緒に行動することになった。「機関獣」を操る七曜使者の関係者だと疑われ、「太辰宮」に追われる。終盤にて仲間と共に日曜使者たちを助けるため、月曜使者に立ち向う。物語の最後、桓遠之を阻止しようとして、彼に誤殺された(桓遠之は雲狐を破壊するつもりだが、車芸は雲狐を庇った)。
- 嬴詩
- 秦穆公の養女、「軒轅剣」を持つ謎の女剣士。本名は「慕容詩」、慕容垂の孫女、車芸の生まれ変わり。千年後淝水の戦いにて前秦が敗れた未来の人間。「留侯夫人」の協力を受け、この時代に来た。
- 「太一の輪」がいる「昊天界」を進入するに必要な「夏后祭器」を集めるために「塗山氏後裔」と名乗りする。車芸死後、彼女の記憶を受け継いた。その後自分の時代に戻り、留侯夫人に従う、戦争の難民を「桃源郷」に導く。エピローグにて「太一神殿」に行き、桓遠之と再会した。
- (オープニングムービーにて登場した慕容詩とは平行世界の同じ人)
- 桓遠之
- 太辰宮の肆龍子「負屭」。通常攻撃は簫で刺す。千年後淝水の戦いにて東晋が敗れた未来の東晋の文官。「疾鵬仙人」から「五岳陣結界」などの知識と「天書」を授けられ、この時代に来た。
- かつて車芸に命を助けた、彼女を戦争中に亡くなった妹と重ねている。車芸が太辰宮に追われているも関わらず何度も彼女を助かった、挙句に太辰宮に追い出された。物語の最後、太一の輪に「晋剋秦」を刻し、成功したが、その代償として、車芸が死亡、自分も「太一神殿」に千年間囚われた。
太辰宮
晋国の祭司組織、国君を棚上げにする、国の実質的な権力集団。
- 「太辰大人」郭偃
- 太辰宮の指導者。秦国が天下を統一することを予知、桓遠之の提案を採用し、五岳陣結界を実行した。
- 壹龍子「睚眥」
- 負屭の師匠。この時代の最強者であるが、月曜使者に全く敵わぬ、秒殺された。
- 貳龍子「囚牛」
- 最弱ですが、太辰宮での地位は高い、最後は九龍子唯一の生き残りになった。
- 參龍子「螭吻」・玖龍子「嘲風」
- 睚眥の弟子、負屭の兄弟弟子。師匠と共に月曜使者に殺された。
- 伍龍子「蒲牢」・陸龍子「霸下」・柒龍子「狻猊」・捌龍子「狴犴」
- 山戎(中国春秋時代に存在した遊牧民族)出身、「山戎四巫神」と呼ばれる。地位が奪われ故に負屭を憎む、彼を殺そうとする時、嬴詩に阻止され、殺された(嬴詩は木曜使者に陰で援護された)。
七曜使者
四百年後の未来から来た七人の戦士、この時代においては「無敵」とも言える。彼らの歴史の秦国は元の歴史より早めに天下を統一し、「機関術」を駆使して周辺の国を侵略し続ける。彼らはその秦国を反抗する組織のメンバー、「雲中界主人」と「二代目壺中仙」の協力によってこの時代に来た。彼らの目的は「歴史改変の阻止」と「太一の輪の封印」、そのために五岳陣結界を破壊し、夏后祭器を集まる。
アニメ「蒼き曜」は彼らの前日譚である。
- 日曜使者 項楚
- 荊族、七曜使者のリーダー。「黒火」を起動した秦国に絶望し、仲間を連れてこの時代に来た。檀越之の主張を反対するため、彼に重傷された。自分を助けた主人公たちに檀越之の阻止を頼んだ。
- 月曜使者 檀越之
- 華夏族、項楚の養子、慕輿柔の恋人。七曜使者の中でも最強である。歴史修正の自殺任務に反対、この時代で理想の国を作ると計画した。そのために義父を重傷させ、仲間を「伏琴心法」で操る。主人公たちに敗れた後、項楚の説明によって自分の計画は根本的に実現不可能のことを気づく、自殺した。
- 火曜使者 欒提熾
- 匈奴族、無鉄砲で仁義を重んじる男。項楚を守るため五人の七曜使者に対抗し、戦死した。
- 水曜使者 慕輿柔
- 鮮卑族、項楚の養女、檀越之の恋人。苻殷に「自分が操られたら止めを刺してくれ」と頼んて、檀越之を説得しようとした。結局、檀越之に術をかけられ、苻殷に殺された。
- 木曜使者 苻殷
- 氐族、項楚の養女、拓跋淵の恋人、車芸の生まれ変わり、慕容詩とは同じ魂を持つ平行世界の別人。天書を使って戦う。任務以外は拓跋淵と一緒にこの時代の平和を満喫している。一度檀越之に操られたが、慕輿柔に術を解けてくれ、主人公たちに加勢した。最後は拓跋淵と相打ちとなり死亡。
- 「蒼き曜」では主人公に拔擢された。
- 金曜使者 拓跋淵
- 鮮卑族、苻殷の恋人。軒轅剣を使う剣士。傷によって口がきけなくなったが、苻殷は目から彼の考えを読める。終盤にて檀越之に操られ、最後は苻殷と相打ちで死んだ。死に際、「阿殷」の呻きを出した。
- 土曜使者 墨衡
- 華夏族、項楚の旧友、桓遠之と同じ魂を持つ。元は秦国の首席機關師だったが、項楚に戒めされ、彼の陣営に寝返た。車芸の木甲術に夢中したせいで、パートナーの檀越之を放っておいて、彼の暴走を止められなかった。一度檀越之に操られたが、桓遠之の瀕死によって術が解け、主人公たちに加勢した。
其他
- 留侯夫人・二代目壺中仙・疾鵬仙人
- 前作「軒轅剣肆」の主人公三人組、それぞれは「慕容詩」、「七曜使者」、「桓遠之」の協力者。ここにおける彼らは別々の歴史の者、特に七曜使者の歴史では「肆」の出来事が存在しないはず。
- 雲中界主人
- 初代壺中仙の弟子、二代目壺中仙の兄弟子、七曜使者の協力者。
用語解説
- 上古十大神器
- 東皇鍾、軒轅剣、盤古斧、煉妖壺、太一輪→昊天塔、伏羲琴、神農鼎、崆峒印、崑崙鏡、女媧石。
- 軒轅剣
- 十大神器の中でも「最強」と言われる。本作は二つの軒轅剣が登場する、一つは慕容詩、もう一つは拓跋淵が所持している、「軒轅剣vs.軒轅剣」の対決が見られる。因みに、この二つ両方とも未来から持ってこられたもの、この時代の軒轅剣は初代壺中仙の封印に使われている。
- 太一の輪
- 「昊天界」にいる「太一神殿」に蔵され、世の中のあらゆる「生剋」を管理する神器。
- 例えば、太一の輪に「晋剋秦」を刻むと、「晋国が秦国に勝つ」ことになる。本作では、中国の歴史上名前は「晋」と「秦」の政権が複数いるため、意外の結果になった。
- 太一の輪に生剋を刻む方法二つある。一つは太辰宮が伝承する「五岳陣結界」:五百人の童女を生贄にして、五岳にて結界を設置し、外部から生剋を改変する。も一つは千年一度、太一神殿の扉が開ける時、「夏后祭器」を三つ集め、それを使って昊天界に進入し、直接輪に生剋を刻む。
- 物語の最後、太一の輪は「封印塔」に封印された。そのため、生剋の改変は不可能になった。そして、その「塔」は「輪」のかわりに十大神器の「昊天塔」になった。
- 失卻の陣
- 伏羲琴、神農鼎、崆峒印、崑崙鏡、女媧石で組み上げる陣法。崑崙鏡を中心にすると時間移動できる。
- 機関術
- 鬼谷子、公輸盤、墨子共に発明した技術。古代のロボット工学。歴代多数の作品にて活躍した。
- 木甲術
- 機関術より前に生まれた技術、機関術と似て非なる。
- 天書
- 中に「天書世界」という、一つの世界がある。生物、妖怪などを捕まえて町を作ることができる。
- 伏琴心法
- 十大神器の「伏羲琴」の力を模した法術、人の精神を操ることができる。十大神器を持つ者には無効、だから解放された軒轅剣を持っている主人公たちに効かない(拓跋淵たちにかけた時、拓跋淵の軒轅剣は封印されたまま)。操られた者が瀕死になったら術が解ける。
- 黒火
- 「軒轅剣肆」にて登場した、無限のエネルギーを持つ謎の物質、かつてこれを発明した古蜀国を破滅した危険の力である。「肆」にて初代壺中仙が黒火に殺害された(項楚の発言によると、彼らの歴史でも同じだた)。黒火の正体は地獄空間を物質化したもの、地獄と人間界の間の通路を開けることができる。(後付け設定だが)「楓之舞」のヒロイン「桑紋錦」は黒火からつくられた。
平行世界について
三つの歴史
本作において三つの平行世界がある。A歴史の桓遠之が過去に行き→B歴史誕生→B歴史の慕容詩が過去に行き→C歴史誕生→C歴史の七曜使者が過去に行き→本編の物語が始まる、という流れ。
だが、歴史が決定されると、他の歴史とその歴史の人間が消失する。例えば、七曜使者が太一の輪を封印して、歴史がA歴史に戻ると、C歴史が消失する、C歴史から来た自分たちも消える(彼たちもこれを知っている)。桓遠之は失卻の陣を使って過去に来たため、崑崙鏡に守られている、消えることがない。
物語の最後は歴史がB歴史になった。雲中界主人によると、A歴史は「盛世」になる。
同じ魂を持つ別人
本作では、時間旅行と平行世界によって、「同じ魂を持つ」人同士が会える。例えば、車芸にとって、慕容詩と苻殷は自分の違う未来と時代の生まれ変わり(が、車芸はそれを知らない)。
同じ時間にいる「同じ魂を持つ」人同士は、相手が危機に瀕する時それを感知できる。また、相手が瀕死になると伏琴心法の効果が解ける。前世と来世の場は、前世が死亡すると記憶が来世の人に受け継ぐ。
関連動画
関連項目
- 軒轅剣シリーズ
- 軒轅剣・蒼き曜
- パラレルワールド
- タイムパラドックス
外部リンク