時は37世紀。人類統一政体は汎恒星連合と称され、スピカ系第四惑星アタラシアに首都が置かれていた。その宇宙港に地球から一人の少年が下りた。少年の名はリューク。最高幹部会議に招かれたこの超能力者を待っているのは?広大無限の銀河を舞台にくりひろげられる、SF界の新星・李家豊の雄大なスペース・オペラ。
銀河のチェス・ゲームとは田中芳樹の未発表小説。銀河英雄伝説のプロトタイプ小説である。
当時、デビュー間もない李家豊名義であった田中芳樹が、幻影城から発刊されるノベルズ用に書き下ろしていた小説である。しかし、原稿が完成する前に幻影城は休刊、倒産してしまったため、お蔵入りになってしまう。
後に徳間書店の編集者が目にする機会があり、編集者は本篇よりも、前置き(銀河英雄伝説における銀河系史概略にあたる部分)の方が面白いから、そちらを膨らませて歴史小説風にする事を提案した事で、執筆されたのが銀河英雄伝説である。
作者曰く「ごくオーソドックスなスペース・オペラ」。銀河のチェス・ゲームにおける銀河系史概略は、フランスのように、共和政と帝政がたびたび入れ替わる数百年間の歴史である。ヤンとラインハルトが戦った時代は、本篇より100年程前の事であり、本篇の時点では共和政に替わっている。
ラインハルトは「何度目かの帝政の皇帝」であり、人物像は銀河英雄伝説とほとんど変わっていない。
ヤンは銀河英雄伝説のような、年金がどうこういう問題児ではなく、静かで忍耐づよく、高潔な人格者となっている。どちらかといえば、後継者となる「ユリアンの先生」という立場である。
作者は銀河英雄伝説のあとがきで「宇宙暦801年7月27日0時。この時刻より先のことは私はいっさい書きません」と公言しているので、銀河英雄伝説の後の時代を扱った正史ではない。
現在、原稿の行方は作者にも分からず「どこかに放り込んで、そのまんま。どこにいったんだろう?」との事。
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最終更新:2025/12/13(土) 01:00
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