魔法(まほう)とは、一般の人間には不可能・不可解な現象を起こす力・能力のことである。魔術、呪術、邪術、超能力など、様々な呼び方が存在する。
概要
魔法とは、通常の人間には使うことのできない能力、不思議な現象を起こす・または現象そのものの事。
近代以前の社会においては魔法の存在は大衆に恐れられ、神話や伝説の中では度々登場する。
西洋由来の「神秘的な力とその方法論」であるMagicの訳語として、仏の法である仏法に対し、仏ならぬ魔の法である「魔法」としたもの。後に魔術という語ができたため、総合的な訳語としての地位は取って代わられた。
今日では、明治以降に紹介された外国のメルヘンやファンタジーに「善い魔法使い」「悪い魔法使い」が両方登場することにより、「手品ではない」不思議の力に正邪の前提を含まず用いられる。
Wikipedia 魔術の項より。
魔法の使用方法、種類は伝承や作品によって異なっており、
道具を使うもの、呪文を使用するもの、他人を攻撃するもの、自分や他人を助けるもの等、様々な種類が存在する。
歴史上では、手品師や占い師などが行う不可思議な行動も魔法の一種とみられた事もある。
現実における魔法
現代において、お伽噺に出てくるような科学的根拠のない魔法の存在は否定されているが、現代以前は、魔法を使う者、即ち魔女の存在が恐れられ、魔女狩りのような惨劇の原因になった事もある。なお魔女狩りはその語感からしばしば中世の事件と誤解されるが、(もちろん中世にもあったものの、)最盛期は16〜17世紀すなわち近世である。ヨーロッパで魔女罪による最後の死刑執行は1782年という近代で、裁かれたのはスイス人女性のAnna Göldiである。
J.G.フレイザーは『金枝篇』において、古代の権力者は祭司であると共に呪術師であり、
魔法=呪術に熟達していると思わせることによって権力を獲得する事があったとしている。
同書では魔法=呪術とは、
われわれには粗雑で誤ったものに思えるかもしれないが、そこに論理的な整合性という価値がある点を否定することは不当であろう。小さな存在すなわち魂が、生きている人間の内部に、とはいえその人間とはまったく別個に、存在している―生命の原理をこのように捉えることから出発して、この哲学は、人生の実用的な手引きとなる、一連の規則体系を導き出した。それは概して十分つじつまのあう体系であり、実に完璧で調和の取れた統一体を形づくっている。生命の本質に関する概念のほうにあるのであり、その概念から引き出された的外れな結論にあるのではない。だが、われわれが容易にその誤りを看破できるからといって、これらの前提を馬鹿げたものとして一蹴することは、非哲学的であるとどうじに恩知らずな行いであろう。 J.G.フレイザー著 『金枝篇』【p.274】
その一方で、占い師や霊媒師など、非科学的だとされる内容が現在でも一部で信じられている。
フィクションにおける魔法
- ファイナルファンタジーシリーズ
シリーズの殆どにおいて、店で売られており普遍的な技術として浸透しているが、一部では特別な意味合いを持たされている。
FF6では大昔に三闘神と呼ばれる神によってもたらされた力の一環で、幻獣の力を取り出した人間のみが扱う事が出来、1000年前の戦争でこの世から失われた力であるとされている。
FF8では本当の意味での「魔法」は魔女と呼ばれる特別な人間のみが使えるもので、一般の人間が使うものはあくまで模倣技術に過ぎないものとされている。
- ドラゴンクエストシリーズ
このシリーズでは基本的に「呪文」と呼ばれており、特別に「魔法」と言う体系がある訳ではない。
しかし呪文を主体に戦う職業の事を「魔法使い」と言ったり、「魔法の鎧」などのアイテムがあるあたり、魔法と言う概念自体はあるようである。
- ファンタシースターシリーズ
魔法に類するものとして「テクニック」が登場。これは精神力によって炎や冷気や雷を出すという点では魔法と同じだが、本当の意味の魔法とは違い、伝承や御伽噺に登場する魔法を科学技術で再現したものとされている。
またシリーズによってはテクニックとは別に「マジック」と呼ばれるものがあり、こちらは太古から伝わる超自然的な能力と、本来の意味での魔法に近いものとなっている。
- 東方Project
キャラクターの一部に魔法使いが存在。
魔法の原理や効果などはキャラクターによって様々だが、霧雨魔理沙の魔法は主に魔法の森のキノコを様々な方法で加工した薬品・爆薬またはミニ八卦炉と言う道具を媒介にして自身の魔力を光線として放つ魔法。パチュリー・ノーレッジの魔法は特定の呪文詠唱により精霊の力を借り、火水木金土日月の7属性の力を発現する。アリス・マーガトロイドと聖白蓮の魔法は詳しい原理が不明。
- Fate/Stay night、Fate/hollow ataraxia
「魔法」と「魔術」が存在。
「魔法」とは「その時代におけるあらゆる技術を用いても実現不可能な事を実現する力」と定義されており、時代によって魔法に含まれる範囲が異なる。例えば大昔は人間が空を飛ぶ事は不可能だったので、その時代では空を飛ぶ力は魔法と呼ばれていたが、現代では空を飛ぶなら飛行機やヘリコプターに乗ればいいので、空を飛ぶだけでは魔法にならない。
作中の時代(=現代)においても魔法として分類されているのは、既に使い手も魔法も消滅したものを含めて6種。さらにその中で魔法の詳細または使い手が登場しているのは3種で、第二魔法「平行世界の運営」、第三魔法「魂の物質化・天の杯(ヘヴンズ・フィール)」、第五魔法「魔法・青(詳細不明、使い手・蒼崎青子)」。また、第一~第六のいずれに該当するか明らかでないものとして「時間旅行」「無の否定」が存在する。
「魔術」とは「その時代の技術を用いれば(時間や金が多大にかかったとしても)再現可能な事を魔力で実行したもの」とされている。昔は魔法であったものも、文明の進歩とともに魔法で無くなりただの魔術になる事もある。なお「月姫」から登場する「固有結界」と言う技能は、「限りなく魔法に近い魔術」と言われる。
- ゼロの使い魔
火水風土の4属性の系統の他、失われた「虚無」の系統、特に属性を持たないコモンマジック、人間以外の種族が使う先住魔法が存在。6000年前に始祖ブリミルによってもたらされた技術体系で、当初は虚無を含めて5系統あったが、作中の時代までに虚無は失われている。
魔法を使うものを「メイジ」と呼び、この能力は遺伝によってのみ伝わるため、親がメイジでない人間は努力しても魔法を使えない。また遺伝であるため、「どの系統が最も適しているか」の性質も遺伝する。各々が自身で何日もかけて契約を行った自分専用の「杖」を持ち、一般的に会話に用いている言語ではなくその系統専用の「ルーン」で詠唱を行う事によって発動する。
コモンマジックはルーンではなく口語によって詠唱を行う魔法。ごく簡単な効力の魔法は大抵コモン。
先住魔法は始祖ブリミルが魔法をもたらすよりも前から存在していたものであり(そのため「先住」)、形態が全く異なる。その場に存在する精霊と契約をする必要があるため特定の場所でしか使えない魔が多いが、その分威力は四系統魔法に比べ遥かに勝る。また、四系統魔法では必須とされる「杖の所持」「ルーンによる詠唱」が必要ないという点も異なる。
- 魔法先生ネギま!
ごく簡単なものから非常に高度な魔法まで様々なものが登場する。系統は主に「西洋魔術」「東洋魔術」の2種類が存在する。
まず「始動キー」と呼ばれる、各人で独自に決めたパスワードに相当する言葉を唱えた後に、ラテン語または古典ギリシャ語による呪文の詠唱をする事で発動。
- ドロヘドロ
ドロヘドロの魔法は一般の魔法使いと異なり、魔法使いの自身の体内で精製した魔法の「ケムリ」を魔法として口または指から発射する。作中の魔法使いは姿形こそ人間と全く変わらないが、魔法使いは体内に魔法のケムリを精製する器官と運搬する管をもっておりその器官のおかげで魔法を使う事が出来る。
ケムリの出せる量や魔法効果は先天的に決まっており、基本的に一人一種類の魔法しか使えないが応用はある程度効く。一般的な魔法使いと異なり魔法の発生源がケムリを作り出す器官や運搬する管なので、そこを攻撃されて傷つけば魔法が使えなくなるという弱点が存在する。
上記の通り魔法効果や量は生まれつき決まっているので、役に立たない魔法を持つ魔法使いやケムリが少量しか出せない魔法使いは作中「下級魔法使い」として差別の対象にされている一方で、希少効果や強力な効果を持ったケムリが出せる魔法使いやケムリの量が多い魔法使いは「上級魔法使い」として優遇される傾向にある。ケムリの量自体は手術や黒い粉と呼ばれる魔力をあげる粉で増やす事ができ、量が少なく威力が低い魔法でもドーピングや応用次第で強力になる描写がある。
関連動画
関連項目
- 超能力
- 魔法使い
- 魔法(生放送主)
- 魔法少女
- 呪文・魔法の一覧