ボーイング737(B737, Boeing 737)とは、アメリカ合衆国のボーイング社が開発したナローボディ・ジェット旅客機である。
ボーイングが中短距離用の機材として開発・製造したナローボディ双発式ジェット旅客機/貨物機。初飛行は1967年4月9日。
ボーイング社製の旅客機としては初となる2人乗務が可能な機材で、地方路線に数多く残っていたレシプロ旅客機や、ターボプロップ旅客機を代替する小型短距離用のジェット旅客機として、ダグラスDC-9に対抗すべく開発された。胴体はボーイング727と同一の設計としている。
日本の航空会社では、JALグループ(日本航空、日本トランスオーシャン航空)及びANAグループ(全日本空輸、ANAウイングス)、スカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、春秋航空日本(SPRING JAPAN)が導入している。
初代737はファン口径の小さいエンジンを積むことが前提の設計思想だったため、地面からのクリアランス(最低地上高)が低い構造になっていたが、世代が進むごとにエンジンが大型化していった。
ところが、大きくなったエンジンを同じ場所に取り付けると最低地上高が確保できなかったため、パイロンで前方に突き出し、底部を平らにするなどで強引に対処していた。
しかし重量物であるエンジンの位置が変わると重心も変化するのは自明の理で、737MAXは当初よりも機首上げが起こりやすい状態となっていた。この機首上げ癖対策で導入されたのがMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System,操縦特性向上システム)である。
MCASは手動操作時、フラップが格納されていて、迎え角が大きくなった時、水平安定板を機首下げ方向に切る司令を自動で出すことにより機首上げ傾向を相殺するシステム。開発したボーイング曰く「操作とは無関係かつパイロットが扱う想定のものではないので訓練は不要。発動しても暴走安定板と同じで、操作が変わるわけでもなく、並のパイロットであれば問題なく対処できる。したがって先代(737NG)と同じ操作で問題ない」という理由で新機能にも関わらずマニュアルに載っていない代物だった。
しかし737MAXが就航してわずか17ヶ月後、インド海ジャワ島沖でライオン・エア610便(MAX-8)が離陸直後に謎の失速警報を発報、手動操作に切り替えて機首を上げようとしてもなお勝手に機首下げが続き、離陸からわずか10分で墜落する事故が発生。凄まじい速度で急降下していたようで、ブラックボックスは墜落地点から30メートルほど離れた海底から、更に8mほどの深さに埋まっていたという。
蓋を開けてみると、上記のようにMCASはマニュアルにも出てこない他、AoA(迎え角)センサーが2つあるのに片方の値にのみ依存して制御するというクソ仕様だったことが判明。しかも事故機のセンサーは取り付け方を間違えて動作がおかしくなっていたため、運悪く発動条件を満たしてしまう状態になっていた。
この事故を受けてMCASについて対応法が急ぎ周知されたものの、610便が墜落した4ヶ月後、初飛行からわずか1ヶ月程度の新品同然であったエチオピア航空302(MAX-8)便が、離陸からわずか6分で墜落する事故が発生。同じくMCASが原因であったため、クルーは周知されていた対処法通りに対応したが、それにもかかわらず墜落したことから「平均的な技能を持つパイロットであれば大丈夫だ、問題ない」というボーイングの主張と、そんな代物に耐空証明を出したFAA(アメリカ連邦航空局)の言い分が認められるわけもなく、737MAXは世界中で運行停止処分を食らう羽目になった。
2024年1月5日、日本では新年早々大地震に飛行機同士の衝突事故に大火事と早くも厄年の様相を呈する中、アメリカはオレゴン州ポートランド国際空港からカリフォルニア州オンタリオ国際空港へ向かおうとしていた、就航からわずか3ヶ月のアラスカ航空1282便(MAX-9)で、離陸からわずか6分後に突如後方の非常ドアが吹っ飛び、急減圧を起こす事故が発生。
幸い、直ちにポートランド空港へ引返して緊急着陸でき、外へ吸い出されてしまった人も出なかったものの、吸い出されてしまった物が当たるなどして複数の怪我人が出たという。
事故のわずか1週間ほど前には方向舵システムにボルトの緩みが生じている可能性があるとして各社に点検を要請した矢先の事故であり、さすがにFAAも品質管理体制が改善されたと判断できるまでは737MAXシリーズの増産を認めない方針とする声明を出した。
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最終更新:2026/01/08(木) 10:00
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