HTVとは、
ここでは4.について説明する。
国際宇宙ステーション(ISS)に衣類や食料などの消耗品、各種実験装置などを輸送する軌道間輸送機。
無人だが、気密区画を持ち、宇宙飛行士が宇宙服を着る事無く内部に入る事が出来るため、“宇宙船”のカテゴリに入れられる。つまり事実上日本初の宇宙船という事になる。初号機は2009年9月11日にH2Bロケット試作初号機に搭載して打ち上げられ、その後は2015年までに年に1回、計7回打ち上げることが国際条約により決まっている。
HTVはTOP画像の右側から順に推進モジュール(長さ1.27m)、電気モジュール(同1.25m)、貨物区画である補給キャリア非与圧部(同3.5m)と補給キャリア与圧部(同3.14m)という構成になっている。
ISSに6tまでの物資を輸送する事が出来る。物資を搭載する貨物区画は空気のある与圧部と宇宙空間に曝された非与圧部からなる。
与圧部は消耗品や国際標準実験ラックと呼ばれる船内実験装置などを搭載し、非与圧部は搭載した曝露パレットに日本の実験モジュール「きぼう」の船外実験区画用の実験装置やISSのバッテリなどを収納する。
H2Bロケットで打ち上げられたHTVはランデブー用のHTV軌道に投入され、地上からの指令でISSに接近。その後はGPSとレーザーによる誘導でISSまで10mの距離まで移動後停止する。停止後はISSのロボットアームで掴まれ、手動で共通結合機構(CBM)というハッチに結合される。
HTVが結合するCBMは本来ISSの構造体同士を結合するための機構であり、自動ドッキング機構は持っていないため、このような方法を取る。
結合後は与圧部の物資はISS本体からCBMを通って、非与圧部の物資はロボットアームを使って運び出される。その後ゴミや不要品を予圧部に運び込むとISSから離脱。大気圏に突入して焼却される。
ISSへの物資輸送機はHTVの他にもロシアのプログレス、欧州宇宙機関(ESA)のATVがある。プログレスは2.6t、ATVは9tまでの物資を運ぶ事が出来るが、ドッキングするのがアンドロジナスというロシアモジュールのハッチである。
アンドロジナスは自動ドッキング機構を持つ反面、CBMよりずっと径が小さく、国際標準実験ラックのような大型の荷物を運び込む事が出来ない。
逆にプログレスやATVはISSに推進剤を補給する機能を持つが、HTVには出来ない。またプログレスやATVはISSの軌道維持用のブースターの役割も持つが、HTVはドッキング位置の関係でブースターとしては使えない。
現在、アメリカではNASAの商業軌道輸送サービス(COTS)という計画に基づき、スペースX社とオービタル・サイエンシズ社の2社の民間企業がそれぞれドラゴンとシグナスという輸送船を開発中である。これらはISSのロボットアームを用いてCBMに結合されるという点でHTVに似ているが、両者には大気圏再突入能力があり、実験結果を地球に持ち帰る事が出来る。(HTVもHTV-Rの名で無人帰還カプセルを搭載することを検討中である) また、ドラゴンには有人型があり、7名までの人員をISSに送り出す事が出来る。
先述した通りHTVは地球への帰還機能がない事を除けば実質的な宇宙船であり、日本の将来の有人宇宙船開発のための技術開発の基礎を担っている。HTVの各機能はモジュール化されており、モジュールの一部を有人帰還カプセルに換装することなどで有人宇宙船に発展させる事が可能な設計となっている。
公募によりHTVシリーズの愛称は「こうのとり」と決まった。コウノトリには赤ちゃんや幸せなど大切なものを運ぶ鳥というイメージがあり、「ISSへ重要な物資を運ぶHTVのミッション内容を的確に表している」という。これにより運用時には愛称のなかったHTV初号機は「こうのとり初号機」、2011年1月22日に打ち上げたHTV-2は「こうのとり2号機」と呼ばれることとなった。
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最終更新:2026/01/08(木) 19:00
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