SecondLife 単語


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セカンドライフ

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SecondLife(セカンドライフ)とは、米サンフランシスコのLindenResearch社のLindenLabが開発運営するメタバース(仮想世界)である。ユーザーは略してSLと呼ぶことが多い。

ニコニコ動画上でのタグ検索はSecondLife OR セカンドライフであり、ほかにSLが見受けられる※1。


※1 SLとはSecondLifeの頭文字をとった略称であるが、一般的にSteamLocomotive(蒸気機関車)の略称であり、紛らわしいのでタグとしては使用を避けることをお勧めする。

特徴

3DCGによる商用メタバース(仮想世界)である。

ゲーム内には、友達同士が集まって会話できるカフェ、多くの人がダンスし、DJが音楽を流すクラブ、ミュージシャンがストリーミングオーディオによって行うライブやコンサート、土地を持っていなくてももの作りができるサンドボックス(砂場)など、様々な活動のための場所が存在する。特にチャットや趣味を実現する場として利用するユーザーが多い。フリー商品も多く出回っており、日本人ユーザーは一切金をかけずに利用する人も多い。

他の住民とのコミュニケーション方法は普通の文字チャットと、Skypeのようにマイクを用いたボイスチャット機能がある。また、文字チャットは内容を即座に別言語に変換する翻訳アイテムもあり、他言語のユーザーともある程度チャットできる。

セカンドライフはほとんどのオブジェクトがユーザーによって作られており、著作権も作ったユーザーに帰属する。オブジェクトとは、家や乗り物などの3Dオブジェクトや、テクスチャ、サウンド等のあらゆる物を指す。LSLという、Javaに近いスクリプト言語でオブジェクトを制御することもできる。

概要

SF小説「スノウ・クラッシュ」を参考にリアルネットワークスの元CEOフィリップ・ローズデールが考案したサービスである。旧・リンデンワールド。

2013年6月20日現在、全世界で約3600万の住民が登録されており、そのうちアクティブな住民数は約100万人。日本では2~3万人がアクティブにプレイしている。※1

見た目がゲームっぽい一方、非常に自由度が高いため、ゲームであるという意見とゲームではないという意見が存在する。実際は公式サイトでは「Free 3D Virtual world」としている。

ものづくりはセカンドライフ内制作ツールだけでも作れるので、簡単なものなら作った経験のあるユーザーが多い。作ったものは配布、販売、あるいは他人の製作物を貰う、購入することも可能である。
ゲーム内通貨であるリンデンドル(L$)※2は、270L$≒1米ドルに相当し、いつでもリアルマネーとゲーム内通貨の交換が出来る。ユーザーはこの通貨を使ってゲーム内での取引、商行為を行う事も出来る。

世界はSIM※3と呼ばれる256m四方の土地単位で区切られている。多くのSIMがつながったメインランドと呼ばれるリンデンラボが運営する大陸と、単体か関連SIMのみで構成されるプライベートSIMとがある。総面積は東京都と同じくらいである。これらのSIMは任意にインスタンスを立てる(住人が一時的にコピーし、立ち入り制限を加える)ことはできない。

SIM丸ごとや小さな土地まで様々なタイプの土地が存在し、借りることもできる。これらはイベントやカフェやショッピングモール作り等、法令および規約の範囲内で自由に行うことができる。

アバター文化は成人リアルアバター(現実の成人に近いアバターメイキング)が主流である。


※1:一人で複数のアカウントを取得できる点に注意

※2:規約上はトークン

※3:Simulatorの略、Webサービス等で使われているサーバー上を3DCGシミュレーションソフトが稼働している。このサーバーをユーザーがLindenResearch社から借りるホスティングサービスとの一面もある

一過性ブームとブーム終焉、縮小化

サービス自体は15年以上も続く、現在も最大5万人強(日本ユーザーが多い時間帯では3万人程度)の同時接続がある同様のサービスではトップ規模のサービスである。

ブームのきっかけは2006年5月米ビジネス誌「ビジネスウィーク」にドイツ系中国人にシミュレーションサーバーのホスティング等行い、多額の利益を得た人が現れたことが報じられ、サービスが全世界に知られることになったことによる。※1 →AnsheX(英語)

当時インターネットの世界では、Web2.0とのキーワードが注目されていた(2005年9月、ティム・オライリーの論文がきっかけ)※2。Web2.0とはネットユーザーがネットユーザーに向けてコンテンツを作り出し、サーバーに蓄積する方式のWebサービスである※3。このWebサービスの変革がやや沈静化する時期がSecondLifeブームが起こる時期に相当する。人々はWeb2.0の次世代に当たるWeb概念を求めていた時期に米ビジネス誌がSecondLifeのことを紹介したために爆発的に流行になった。

日本でも企業が話題に乗り遅れないよう対応し、個人ユーザーも時代に乗り遅れないよう増加しブームは加熱した。

しかし、SecondLifeはWeb2.0サービスの次世代を担うサービスとしてはやや使い勝手が良くなかったようで、ニコニコ動画(2007年)、YouTube(2005年)といった動画共有サイト、ブログ(日本においては2002年)やTwitter(2006年)などより使い勝手がいいWeb2.0サービスに押されて急速に沈静化してしまった。それに伴い参入企業は2008年以降軒並み撤退し、それに合わせユーザーも次々やめてしまい、実質2006年~2009年までの短期間のブームに終わった。

ブーム当時、国内外で同様のサービスがたくさん生まれたが、2010年代以降は閉鎖が進んでおり、ユーザーのSecondLifeへの合流がみられる。

2007年(日本では2008年、ソフトバンクがはじめて導入※4)、ネット端末のPCからモバイル(スマートフォン、iPhone等)への時代の流れには勝てず、国内外とも縮小へ向かっている。※5※6 2019年、CEOであるエッベ・アルトベルグは「月間アクティブユーザー数が100万人から80万人に減少した」と語る。※7 一般的に影響力が失ったとみられるが、運営とって利益があるので引き続きサービスする方針である。※8

一方で利用目的を見つけたユーザーは今も利用している。主に趣味でつながるコミュニケーションツール(3Dアバターチャット)として細々と利用している。

なお、現在のセカンドライフがどうなっているか知りたい場合は、最近の改善点をまとめた動画がYouTubeに公式でアップされているので、これが分かりやすい。


※1 セカンドライフと実社会の経済格差=100倍の価値は @IT 2007年2月8日10:00

※2 今さら聞けないWeb2.0とは? 

※3 Web2.0とは コトバンク 朝日新聞社

※4 iPhoneが日本に初めて登場した... ライブドアニュース 2017年9月14日

※5 LindenLab、SecondLifeの乗り越えるためにゲームスタジオ「LittleTextPeople」を買収

※6 平成29年情報通信白書 総務省

※7 インタビュー動画:SecondLifeとSansarの将来についてLindenResearch社CEOエッベ・アルトベルグ氏が語る 2019年4月5日 New World notes

※8 セカンドライフのLinden LabがVRシミュレーションのベータ版を公開 TechCrunch日本語版 2017年8月2日

主な禁止・制限された行為

運営が住民の行為を禁止することは少ないが、以下の行為は明確に禁じられ、制限された

禁止されたもの

  • カジノ - 2006年米国オンラインギャンブル禁止法成立に伴い禁止
  • リンデンドル売買(リアルマネー換金業) - リンデンドル再販住人認定制度を経て公式に一本化することで事実上の禁止。2019年現在、リンデンドルの購入はアカウントにクレジットカードまたはデビッドカードを、売却はさらにパスポートなど政府発行の身分証明書の提出等の手続きが必要。
  • エイジプレイ(児童ポルノ表現) - 2006年頃にはすでに住民の要望により禁止をしてほしいとの要望がある中、2007年5月3日にドイツのテレビ局ARD(ドイツ公共放送連盟※2)が成人の姿をしたアバターと子供の姿をしたアバターが性行為をする画像を見つけ問題提起をしたことから表面化した。テレビ局は運営に通報を行い、運営が調査したところアバターの持ち主が当時54歳男性と27歳女性で成人住民であったが、運営判断で両人のアカウント停止処分(BAN)と創作物の削除をした。この件以後このような行為をする住人は、国際法の趣旨や住民の要望を受け入れ、LindenLabのコミュニティ基準を元にやむおえずアカウントを停止することとした。※3 ※4 

※1 SecondLifeの世界からカジノが消える 4Gamar 2007年7月27日

※2 Wikipedia日本語版によると「ドイツ公共放送連盟

※3 SecondLife、児童ポルノ問題に公式コメント ITmedia 2007年5月12日

※4 公式ポリシー:エイジプレイを禁止 SecondLife公式Wiki 

制限されたもの

  • 銀行 - 2008年、現実政府の営業認可のない経営者による銀行の運営を禁止※1

※1 SecondLife「仮想銀行」の営業を禁止 ITmedia 2008年1月10日

微妙なもの

  • スキルゲーム - ギャンブルの可能性があり日本の法令上危険性があると指摘している者がいる。

セカンドライフの始め方

SNSについて

情報共有はソラマメが中心である。メタバース専門(実質ほぼセカンドライフ)のブログサイトで、日本人ユーザーの多くがここを利用している。2019年現在はTwitterが主流となっている。

近年はGoogle+に日本人コミュニティができつつあり、情報の共有をしていたが、2019年4月2日に閉鎖。マストドンにも日本人ユーザー向けインスタンスSLDONが加わった。かつてはモバイルファクトリー運営のWassrも利用されていた。

ハッシュタグは #SecondLife #SLJP

住人登録方法

セカンドライフ日本語公式ページから住人登録ができる。16才以上でメールアドレスを持っていればOK。住人登録後ビューワをDL&インストールしてログインできる。16~17才はマナー重視のエリアのみ行け、18才以上はどのエリアにもアクセスできる。

日本人が多くいる場所を見つける方法

日本人が多くいる場所や日本人が手掛けたコンテンツはすりんくで検索できる。

技術

グラフィックAPI仕様およびシミュレーションミドルウェア等

3DCGの描写のAPI仕様はクロノスグループ策定のOpenGL(オープン・ジーエル)を、物理演算エンジンはマイクロソフト傘下のHavok(ハヴォック)を利用している。これによりWindows、MacOS、Linuxといった端末のマルチプラットフォーム化を実現している。2007年にはWindward Mark Interactive社WindLightを買収して導入したことによりリアルな天候を再現に成功している。

参考までに、グラフィック描写にOpenGLを利用している有名なゲームとしてMinecraft(マインクラフト)がある。

macOSユーザーは注意

一方、米アップル社は2018年6月5日に今後は同社OS上でOpenGLを非推奨にするとアナウンスした。既にあるアプリケーションは引き続き動作するのでSecondLifeは動作するが、同社がいつまでOpenGLの動作環境を維持するか不明であるため、MacOSユーザーは注意が必要である。※2

企業がこのようなことを促す理由は、OpenGLを含めたグラフィックライブラリ(グラフィックエンジン)に共通の問題点がある。GPUはそれそれ仕様が異なり、プログラミングしたときに同じ結果が出るようそれを埋める目的もグラフィックライブラリ(グラフィックエンジン)が受け持っている。その際、差分の計算を担当するのがCPUである(よって「CPUオーバーヘッド」と呼ぶ)。CPUに必要以上の負荷をかけてしまい全体としての性能が上がらない。近年はそのようなことをしないようにライブラリを作る方向である(ローオーバーヘッドAPIとかローレベルAPI、英語で書けばLow level API)。

以下のグラフィックライブラリがそのような設計のグラフィックライブラリである。

  • DirectX12の中に含まれるDirect3D12(Windows10)
  • Metal(macOS/iOS)
  • Vulkan(OpenGL後継。Windows、Linux、Android)

ゲームエンジンはオリジナル

ゲームエンジンはVRChat(こちらはUnityを利用)のように外部のゲームエンジンを利用せずLindenLabが独自に開発したものである。これはユーザーの創作物が末永く利用できるように配慮する目的がある。※1

サーバー

2019年現在、サーバーは一部を除いてAmazonのクラウドサービスを利用しており、1年以内の完全移行を目指している。※1


※1 インタビュー動画:SecondLifeとSansarの将来について...

※2 アップル社は2014年6月2日に独自のグラフィックAPI「Metal」を発表、同社の各OSに徐々に組み込んでいる。OpenGL非推奨アナウンスは開発者へ移行を促す目的があるといわれている。

提供手段の多様化模索

セカンドライフは2007年1月8日にオープンソース化されていて、LindenLabによる接続等の品質保証がされている##1 公式ビューア(Windows、MacOS、Linux)の他、そのソースコードを参考に様々なサードーパーティ製ビューアが作られている。

サードパーティ製PC用ビューアでは常用向けのFirestorm、スクリーンショットや動画制作者向きに機能強化、画質向上等アレンジされたBlackDragon(Windowsのみ、英語orドイツ語)##2 、Androidスマートフォン用簡易ビューアではLumiya※1が有名である。

公式ビューアのソースコードは「Project Snowstorm:ソースの取得とコンパイルについて(英語)」からダウンロードができる。


##1 LindenLab、「SecondLife」のViewerをオープンソース化 日経BP 2007年1月9日

##2 セカンドライフのサードパーティビューアBlackDragonの紹介 なたで日記 2016年4月17日

Steam版

2012年8月16日公式ブログでSteam版のリリース予定を発表。※2 その後のアナウンスがない。外部の質問サイトの回答では

SLがSteamに参入するとの話は多くありましたが、それが起きたことは確認できませんでした。よって現在もSteam版SLは存在しません。

 Steam版SecondLifeについて 2018年9月22日(日本時間) WulftheRed氏回答

 Google翻訳を参考に筆者訳

クラウドゲーミング(ゲームオンデマンド)

(注意)この記事はAndroidスマートフォン用ビューア「Limiya」とは関係のない記事です

2013年に海外では画像処理を新設サーバーで行うクラウドゲーミング(ゲームオンデマンド)技術に対応し、非力なマシン、例えばタブレットなどモバイル機器でも快適にプレイできる目途が立った。これを利用して2014年にOnLiveが「SLGo」を有償にてサービスをしたものの、ソニーによる買収があり、2015年4月30日にサービスが終了した。※3 2019年4月のCEO動画インタビューではSLGoのような形のサブスクリプションサービスを検討していると語っている。※4

クラウドゲーミング(ゲームオンデマンド)の仕組みについてはGoogle Stadia(グーグルステイディア)のページが詳しいので参照を。

ヘッドマウントディスプレイ(VR機器への対応)

ヘッドマウントディスプレイのOculus Riftに対応したサードパーティ製ビューワ(Ctrlaltstudioビューア)も登場、SLがプレイできるデバイスは多様化するとみられた。しかし、Ctrlaltstudioビューアは2016年7月18日アルファリリースを最後に中止※5、LindenLabの対応公式ビューアは2016年7月7日に品質上の問題で開発を中止した※6。

一般論

2007年当時は「セカンドライフはハイスペックPCが必要」といわれていたが、現在はサーバーが安定し、ユーザーのPCもハイスペックになってきたため改善されている。執筆者の経験上、4GBメモリ、CPUはCeleron G530でも楽に動作するが、それらはアバターメイキングとチャットを楽しむ程度のもので本格的に楽しむならいわゆる「ゲーミングPC」といわれる3DCGゲームが楽しめるPCが必要である。※7


※1 モバイル等組み込み機器向けのグラフィックライブラリ「OpenGL ES」を利用しているため描画に制限がある。

※2 Steam版リリース予定のお知らせ SecondLife公式ブログ 2012年8月16日 

※3 SLGO終了 ぶらりセカンドライフ 2015年4月16日

※4 インタビュー動画:SecondLifeとSansarの将来について... 

※5 CtrlAltStudioについて

※6 OculusRiftProjectビューアの開発中止について

※7 ドスパラ公式サイトの説明によるとゲームPCとはゲームをするために必要とされる性能を備えたPCで、高性能なグラフィックボードやCPUが搭載され、その稼働を支える冷却システムが備えられているのが特徴の高性能PCのこと。

コードに古さを抱えるSecondLife、運営元の事業多角化

2012年時点でSecondLifeを実行するプログラムコードに古くて非効率なコードが含まれていることが確認されており、仮にコードの改良を行うとユーザーの創作物が壊れる恐れがある。そこで2012年に独立系ゲームスタジオのLittleTextPeopleを買収し、サービスの多角化を行っている。※1 

2012年9月にCreatorverse(クリエイターバース、iPad版)とPatterns(パターンズ、Windows版、MacOS版)※2、さらに2013年1月にはスウェーデンの独立系ゲームスタジオよりBlocksWorld(ブロックスワールド、Windows版、MacOS版、iphone版、iPad版、Steam版)を買収し、自社製品としてリリースした。

各ゲームの詳細については各自のページで解説したい。


※1 LindenLab、SecondLifeを乗り超えるためにゲームスタジオ「LittleTextPeople」を買収

※2 ソーシャルVRのSansarの開発に資源を割くために終了

その他参考

夢の砂場へようこそ、セカンドライフを超えたiPadアプリ「Creatorverse」が登場 Tecwave 2012年11月6日

Creatorverse Wikipedia英語版

偶然あった「Creatorvrese」ゆっくり実況動画

Patataerns Wikipedia英語版

BlocksWorld Wikipedia英語版 - これによると米国でのiTunes教育部門は1位、ゲーム総合部門では3位の人気ゲームで公開されているゲーム動画の数が4万5000を超えているという(ただし要出典タグが設けられ、そしてSteam版でのユーザー評価は2019年7月14日現在、賛否が分かれている)。

開発運営に関わっている人の数

2019年現在、SecondLifeの開発運営にかかわっている社員数は約130名である。参考までにSansar担当は約70名。※1

※1 インタビュー記事:SecondLifeとSansarの将来について...

資金調達

SecondLifeは2度に渡り投資家からの資金調達に成功している※1

  • 2004年 800万米ドル(約8億6000万円)
  • 2006年 1100万米ドル(約12億円)

※1 仮想空間における経済活動の課題と可能性 早稲田大学大学院 荒木哲也 2008年 p17

コピーボット(オブジェクト不正コピー問題)

2006年11月13日、ワールド内のあらゆるオブジェクトをコピーするコピーボット(CopyBot)と名付けられた実験用プログラムが流出していることを運営が発表。運営は実験目的のオープンソースプロジェクトに理解があったが、プログラムコードが公開されているとのことは逆にプログラミングの知識のある住民すべてが悪用できることなので問題になっている。一応コピーボットを利用した住人はアカウント停止処分になる。2008年現在、それ以上の技術的な対策は見いだせていない。※1


※1 仮想空間における経済活動の課題と可能性 早稲田大学大学院 荒木哲也 2008年 p27-28

OpenSimについて

近年、有志がセカンドライフの技術をハックし、OpenSimulatorという、メタバースのオープン技術の開発を進めている。ソースコードはここからDLでき、Linuxやサーバの知識があれば、個人でもサーバを立てメタバースを作ることができる。海外では既に企業や団体、学校などが様々な用途でこれを利用し、セカンドライフの派生系ともいえるメタバースを構築している。

OpenSimを利用したメタバースとして、誰でも自由に参加できるパブリックグリッドではOSgrid、企業が運営している商用グリッドではInWorldzが最大規模である。しかしアクティブユーザー数は2013年8月現在、OSgridが3773人、InWorldzが6894人であり、100万人のアクティブユーザーがいるセカンドライフと比べて、まだ黎明期にある。

OpenSimに関する詳しい情報は、Hypergrid Businessなどの海外サイトで知ることができる。

新プラットフォーム

2016年よりOculusRift(オキュラスリフト)などVR機器に対応した新プラットフォーム「Sansar(サンサール)」の開発が続いており、2017年にオープンクリエイターベーター版をリリースした※1。ユーザー間では通称SecondLife2またはSL2と呼ばれていたがSecondLifeとの互換性はなく改めてアカウントを取らなければいけない。

一方、創始者であるフィリップ・ローズデールは2016年に別会社で別のサービスHightFidelityをリリースした※2。

これらのサービスの詳細はそれぞれの記事に委ねたい。

2019年4月現在、SecondLifeのユーザーをSansarに強制移行させることはないとしている。二つのサービスは異なる目的で提供しており、それぞれ長い間サービスできるように願っているという。※3


※1 Linden Lab、ソーシャルVRプラットフォーム「Sansar」のオープンベータ版をローンチ

※2 セカンドライフ創設者のソーシャルVRアプリ『High Fidelity』早期アクセス開始

※3 インタビュー動画:SecondLifeとSansarの将来について...

歴史

  • 1994年頃、フィリップ・ローズデールがインターネットを使った仮想世界を考案した
  • 1999年、LindenLab設立
  • 2001年、仮想世界LindenWorld(リンデンワールド)を構築する。のちにSecondLifeに改名。
  • 2002年3月13日、初めての住民を迎える
  • 2002年7月、公式ベーター開始
  • 2002年11月、公開ベーター開始
  • 2003年6月、正式オープン
  • 2003年年末、仮想通貨「リンデンドル(L$)」導入
  • 2006年、米国ビジネス誌にドイツ国籍の中国人の活動が取り上げられ、注目を浴びる(以後SecondLifeブームが起きる)
  • 2007年1月8日、公式ビューアのオープンソース化
  • 2007年4月2日、WindLight技術を導入し、グラフィック品質が大幅に向上する→美しいマシニマやスナップショットが撮れるようになる
  • 2010年3月31日、SecondLifeの新ビューアがリリースされる
  • 2011年8月23日、メッシュ技術に対応し、作られるモノの品質が向上する
  • 2014年、モバイル用としてSLGoベーター版がサービス開始。しかし事情により2015年4月に取りやめた
  • 2015年、ProjectBentoによりアバターの多ボーン化が図られる。特にMMD移植グループのモーション表現が広がる→SLダンス動画参照
  • 2016年7月頃、ヘッドマウントディスプレイ等VR機器への対応を公式、サードパーティ双方が断念。
  • 2018年11月15日、アニメッシュオブジェクトリリース※1

この見出しは

http://wiki.secondlife.com/wiki/History_of_Second_Life

を参考に記述した。

※1 アニメッシュオブジェクトをリリースしました SecondLife公式ブログ 2018年11月15日

動画制作と生配信

ニコニコが提供しているサービスのうちニコニコ動画およびニコニコ生放送との親和性が高く、それらと上手に組み合わせることでマシニマ(ゲーム内を撮影編集した動画作品)、ミュージックビデオ、ダンス動画、実況動画の作成、音楽活動、生配信ができる[忖度]

ミュージックビデオの作例

モーションも扱うことができ、MikuMikuDanceのような動画の作成も可能である。→SLダンス動画を参照。

セカンドライフ内で音楽活動、コンテンツ構築を行うChouchouのライブ映像など

Twitchでは禁止

Amazon.comのゲーム配信サイトTwitch.TVでの配信はコミュニティガイドラインに反するコンテンツがあるとして配信を禁止されている。vsmediaではWebサービスとしては成人向けとはされていないが、成人向け表現ができるエリアが存在するためと推定している。※1※2


※1 配信禁止ゲーム一覧 Twitch.TV

※2 ゲーム配信サービスのTwitch、18禁ゲームの実況を禁止 3D仮想空間「SecondLife」もNG vsmedia 2015年5月30日

関連コミュニティ

 ニコニコミュニティは2024年8月に終了しました。

関連商品

サービス考案のきっかけになったSF小説「スノウ・クラッシュ」

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

原題「The Making of Second Life」。大げさなビジネスの話は無く、リンデンラボ試行錯誤の歴史など。

ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。

関連項目

  • ゲーム:ネトゲ:MMO
  • メタバース
  • ai sp@ce
  • playstation®home
  • meet-me
  • Synthe
  • OpenSim
  • 3Dインターネット - 野村総合研究所等が昔提唱していたインターネットのコンテンツが3DCG中心になるとの未来予測。ところがフューチャーフォン(ガラケー)、スマートフォン等モバイル端末や無線通信(Wi-Fiなど)の進歩により比較的端末の負荷の小さくても実用になるコンテンツ、例えばSNS、動画配信、ショッピング、モバイルゲームなどに主軸が移りそのようにはならなかった。

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