「We call him…ゴジラ」とは、渡辺謙の日本人としての意地と誇りである。
2014年公開の映画『GODZILLA ゴジラ』において、渡辺謙演じる芹沢博士が劇中で初めて『ゴジラ』という名を呼ぶシーンがある。
英語で記すとその台詞は、
「We call him…GODZILLA(我々はそれをゴジラと呼ぶ)」
となる。
この場合、発音は『ガッズィーラ』となるのだが、渡辺謙はこの台詞を、
「We call him…ゴジラ」
と、完璧に日本語の発音で『ゴジラ』と呼んだのである。
実際脚本には『GODZILLA』と書かれていたため、このカットを撮り終えたときプロデューサー陣はそれでいいのか?的な顔をしていたらしい。
監督は「もうちょっと英語的な感じで発音してみない?」と相談するも、渡辺は「いや、日本語で」と譲らず、念のため英語バージョンも撮っとく?という提案も拒否。あくまで『ゴジラ』と呼ぶ事にこだわったという。渡辺さんカッケー!
そしてプレミア上映の日、この台詞が流れた瞬間会場は拍手に包まれた。
アメリカ人にとっても、やはりゴジラは『ゴジラ』だったようだ。まさに怪獣王の帰還である。マグロ食ってるやつなんてなかった。 監督も後に、渡辺の行動は完璧な選択だったと語っている。
現場の空気に負けず、日本人としての『ゴジラ』の呼び方にこだわったその姿には当然我々日本人も感動し、多くの者が彼の行動を絶賛している。
この台詞の感動を味わうためにも、ぜひ一度は英語版で視聴してほしい。
かつて1998年にも同じように『GODZILLA』の名を冠した映画があった。
しかし、それは(映画そのものの出来はひとまず置いといて)我々日本人を中心としたゴジラファンにとって『ゴジラ』と呼ぶべきものとは程遠かった。
しかし今作は、多くのゴジラファンが「まさにゴジラ映画だった!」と絶賛している。
この台詞は俺達ゴジラファンが、この映画を、この映画に出てくるあの怪獣を、『ゴジラ』と認めてあげた台詞のようにも感じるのは気のせいだろうか。
ちなみに今シリーズはすでに続編作成が決定しており、モスラ・ラドン・キングギドラの登場も確定している。
この3頭も劇中でどのように呼ばれるのか?今作のゴジラのような粋な計らいを期待したい。
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最終更新:2025/12/22(月) 05:00
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