トウカイテイオー産駒の中でも特に活躍した馬であるのだが、それ以上に死神とか言われる。
主な勝ち鞍
4歳時(2003年):カブトヤマ記念(GIII)、さくらんぼ記念(GIII)
5歳時(2004年):群馬記念(GIII)
6歳時(2005年):かしわ記念(GI)
昔からの競馬ファンとかなら勝ち鞍を見た時点で、彼の死神たる所以がわかるだろう。
ストロングブラッド自身は何も悪くないんだが。
概要
父トウカイテイオー、母ワイプザアイ(Wipe the Eye)、母父Gulchという血統。
父は言わずと知れた90年代日本競馬の貴公子で、本馬は5年目の産駒にあたる。母は米国産馬で日本に輸入され、中央競馬で9戦1勝。母父はGⅠ7勝を挙げたミスプロ中期の傑作で種牡馬としても優秀だった。
同じ牝系には種牡馬として活躍したフォーティナイナーがいる。
2002年1月に東京ダート1600mの新馬戦でデビューし、1番人気の期待に応え新馬勝ちを収める。そのまま共同通信杯に挑むが跳ね返され、地道に条件戦を歩み続ける。
芝を中心に走っていたがすぐに頭打ちとなる。しかしダートだと走り、1000万、1600万条件を共にダート戦で勝利を収めている。
オープン馬となったストロングブラッドはカブトヤマ記念に出走。当時、父内国産馬限定競走、つまり父親が日本産馬である馬のみが出られる競争が存在し、カブトヤマ記念はその一つである。ここでは単勝30倍の9番人気ながら勝利。鞍上の二本柳騎手はこれが唯一の重賞勝利となった。
同じ限定競走の愛知杯6着を挟み、上山競馬場の交流重賞、さくらんぼ記念に出走。武豊を背にビワシンセイキやプリエミネンスなどの交流重賞の安定勢力を撃破し重賞2勝目を挙げる。
以後、たまーに芝を使いつつダートを中心に走り、比較的安定した成績を残している。2004年の高崎競馬場の群馬記念を勝利し、翌05年に統一GⅠに格上げされたばかりのかしわ記念を、南関競馬を制圧していた頃の内田博幸に導かれ勝利した。同年の帝王賞も内田博幸を背に2着に入るなど、ダートの1400~2000にかけて活躍していた。このかしわ記念はもっと注目されてもいいと思う、タイムパラドックスもアドマイヤドンもメイショウボーラーも、ナイキアディライトもいたし。
しかし翌年以降長期休養を繰り返し、2007年には得意条件でも2桁着順と調子が戻らないまま、同年7月の盛岡のマーキュリーカップ5着を最後に現役を引退。
通算成績38戦8勝、獲得賞金は約3億2700万円。トウカイテイオー産駒の中でも最も賞金を稼いだ。
引退後はトウカイテイオーの後継として種牡馬入り...出来なかった。去勢されたトウカイポイントをはじめ、トウカイテイオーもシンボリルドルフも、産駒の気性は総じて荒い事が種牡馬入りを阻んだ。当時トウカイテイオーは現役の種牡馬であったが、彼の亡くなった今、後継種牡馬は金沢のクワイトファインただ1頭となる。ヤマニンシュクルが男だったらなあ...
トウカイポイントはマイルCSを制した頃には既に去勢されていたため、本馬ストロングブラッドがトウカイテイオー産駒唯一のGⅠを勝った牡馬である。
さらに言うと、日本におけるバイアリーターク系競走馬で現状最後にGⅠを勝った馬も彼である。本当に彼が種牡馬入り出来なかったことが惜しまれる。
ストロングブラッドの呪い
さて、ここまでストロングブラッドの成績とかを話してきたが、割と優秀な競走馬である。
しかし、それ以上に彼は死神とか呪いとか、とかくエピソードがついて回る馬だったのだ。
馬を狙わない死神
ストロングブラッドは重賞を4勝しているが、かしわ記念を除く3勝は全て、
ストロングブラッドが優勝した翌年(場合によってその年)には廃止されている。
- カブトヤマ記念
マル父限定競走の縮小に伴い2003年を最後に廃止。福島牝馬ステークスへ衣替え。 - さくらんぼ記念
開催されていた上山競馬場が経営難により、2003年11月に競馬場ごと廃止。 - 群馬記念
開催されていた高崎競馬場が経営難により、2004年末をもって競馬場ごと廃止。
21世紀に入って以降、中津競馬場を皮切りに地方競馬場の廃止ラッシュが始まったが、丁度そこに居合わせたのがたまたまストロングブラッドであった。カブトヤマ記念のマル父限定の解除は本来、日本の競馬レベルの向上も示唆するもので、本来は喜ばしいものであるのだが、その前後に丁度居合わせてしまった。
走れなくなる呪い(効果には個体差があります)
重賞競走では5回、2着になっているが、そのうちの数頭が彼を負かした後勝てなくなってしまった。
せっかくなのでストロングブラッドに先着した5頭を洗い出してみると、
- プリエミネンス(2003年浦和記念)
名古屋グランプリ2着の後、米国遠征し1戦して引退。 - ビワシンセイキ(2004年第3回とちぎマロニエカップ)
元々善戦マンだったが、レース後7戦して未勝利、3着5回。屈腱炎により引退。 - チアズブライトリー(2004年七夕賞)
七夕賞後、関屋記念と新潟記念を大敗して引退。 - ロッキーアピール(2004年さきたま杯)
翌年アフター5スター賞、翌々年にかきつばた記念を優勝している。 - タイムパラドックス(2005年帝王賞)
同年JBCクラシックを勝利し、翌年もJBCクラシックを連覇達成している。
というように、5頭のうち3頭が本馬との競争後勝てなくなった。当時6歳だったプリエミネンスとチアズブライトリーはともかく、5歳牡馬のビワシンセイキはもろに食らってしまったようだ。
それにしても、プリエミネンスとかタイムパラドックスとか、結構高いレベルで戦ってたんだなあ...
現在のストロングブラッド
去勢後は馬事公苑で乗馬となり、2011年から福島県南相馬市の大瀧馬事苑にて功労馬生活を送る...
ところが、同年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震にて被災。同じ南相馬市には皐月賞馬のノーリーズンも功労馬生活を送っており、福島を始め東北地方は馬産の他、相馬野馬追など馬を用いた祭礼が盛んな地域であるため繋養される馬も多く、同地震にて被災した馬というのは品種を問わず多数に上る。中には繋養馬がほぼ全滅した乗馬クラブも存在する。
幸いストロングブラッドは津波の被害を受けることは無かったが、福島第一原子力発電所事故も含めた災禍から難を逃れる為別地域へ避難し、最終的に茨城県牛久市にある常総ホースパークに腰を下ろし、現在もそこで暮らしている。たまにグリーンチャンネルで常総ホースパークを取材した番組(亀和田武が行く~)が再放送されるので、興味のある方は是非ご覧になってはいかがかと。
血統表
トウカイテイオー 1988 鹿毛 |
シンボリルドルフ 1981 鹿毛 |
*パーソロン | Milesian |
Paleo | |||
スイートルナ | スピードシンボリ | ||
ダンスタイム | |||
トウカイナチュラル 1982 鹿毛 |
*ナイスダンサー | Northern Dancer | |
Nice Princess | |||
トウカイミドリ | *ファバージ | ||
トウカイクイン | |||
*ワイプザアイ 1991 鹿毛 FNo.1-n |
Gulch 1984 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Jameela | Rambunctious | ||
Asbury Mary | |||
Irlanda 1981 栗毛 |
Tom Rolfe | Ribot | |
Pocahontas | |||
Continuation | Forli | ||
Continue |
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かしわ記念が見当たらねぇ...
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