国民新党 | |
こくみんしんとう - People's New Party |
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基本情報 | |
公用語名称 | 国民新党 |
国・地域 | 日本 |
本部所在地 | 東京都千代田区 |
成立年月日 | 2005年8月17日 |
解散年月日 | 2013年3月22日 |
機関紙 | 国民新党ニュース |
国際組織 | -- |
シンボル | 「人」の字ロゴ |
公式サイト | kokumin.or.jp |
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国民新党(こくみんしんとう)とは、日本にかつて存在した政党である。
概要
2005年8月、郵政民営化に反対する自民党議員を中心に結成された。2010年9月26日現在、菅内閣の連立与党として活動している。衆議院で新党日本と統一会派を組んでいるが、参議院では単独会派である。
党員の多くは自民党出身者であり、思想的には保守に分類される。ただし、新保守主義・新自由主義が主流派となった今日の自民党に比べると右派色は薄い(特に経済政策面)。公共投資を中心とした積極財政を推進し、外国人参政権・選択的夫婦別姓などのリベラルな法改正に異議を唱えつつも、改憲や再軍備、表現規制などの治安立法にはそれほど積極的ではない…といったスタンスは、むしろ一昔前の(55年体制期の)自民党に通じるものがある。
結党以来一貫して小政党であったが、2007年参院選から2010年参院選までは参議院におけるキャスティングボートを握っており、政治的には右側から、経済的には左側から民主党に圧力をかけていた。だが2010年参院選の与党大敗でキャスティングボートを失ってしまい、影響力の低下は避けられない情勢となってしまった。以後、下野までこの状態が続き、野党となった直後に解党することとなる。
党史
結党と郵政選挙
2005年8月の郵政国会において郵政民営化法案に反対し、直後の解散総選挙(いわゆる郵政選挙)で自民党の公認を受けられなくなった議員の受け皿として、綿貫民輔・亀井静香らを中心に結成された。
同様に民営化反対議員の受け皿として結成された新党日本と協力し、総選挙では1議席増の4議席を獲得。自民党の圧勝により反対議員の多くが転向・復党する中、あくまで民営化反対の姿勢を貫き通した。
民主党への接近と2007年参院選
当初は自民党と民主党を両天秤にかけ、郵政民営化への対応次第ではどちらにでも付くという姿勢で臨んでいたが、小泉首相の後を継いだ安倍首相も民営化の見直しを否定したため、次第に民主党への接近を強めていく。
迎えた2007年参院選では選挙区で1議席、比例区で1議席の計2議席を獲得。また多くの選挙区で民主党と選挙協力を行い、民主党の大勝に貢献した。与党が僅かに過半数割れする程度の結果なら再度自民党に接近し、政権運営への協力と引き換えに郵政民営化見直しを迫るという構想もあったが、与党が惨敗したためご破算となった。
これ以降は反自民・親民主という姿勢が鮮明になり、同年10月には参議院で民主党と統一会派を結成するに至る。
2009年総選挙、そして連立与党入り
その後、統一会派解消の危機や合併構想の頓挫を経つつも民主党との友好関係を維持したまま、2009年の総選挙に突入する。大半の選挙区で民主党とバーター協力を行った結果、選挙区では3議席を獲得。しかし比例区では0議席に終わり、トータルでは選挙前から1議席減らす結果となった。総選挙後は民主党・社民党と共に鳩山連立政権を結成し、亀井静香代表を金融・郵政改革担当大臣として送り込んだ。
また同年11月には影響力の拡大を図るため、いずれも郵政民営化反対派として出発した新党日本・平沼グループとの合流構想をぶち上げたが、右派色の強い平沼グループが民主党政権への協力を嫌ったため頓挫。後に平沼赳夫らは反民主を掲げる右派新党「たちあがれ日本」を結成した。
2010年6月8日に成立した菅内閣では、国民新党が強力に推進する郵政改革法案を参院選後に先送りされたことから抗議のため亀井静香代表が閣僚を辞任、一時的に閣外協力となったが、同月11日に自見庄三郎幹事長が後任として入閣したため、再び連立与党に戻っている。
参院選敗北によるキャスティングボート喪失
2010年参院選では過半数維持のため民主党と合わせて56議席の獲得を目指したが、国民新党は選挙区・比例区とも全滅という結果に終わった。民主党も44議席しか獲得できず、連立与党は参議院の過半数を失った。このことによって、2007年参院選以来国民新党が持ち続けた参議院におけるキャスティングボートも失われることになった。
参院選後も連立与党に留まっているものの、民主党内ではみんなの党や公明党への連立組み替え論も囁かれており、影響力の低下は避けられない情勢となっている。なお国民新党側は公明党・社民党・新党改革となら連立を組めるが、新自由主義色の強いみんなの党とは組めないと主張しており、無党派層の支持を得たみんなの党との連立を志向する民主党内の勢力と厳しい綱引き状態が続いている。
党内分裂期、そして分裂へ
2012年3月29日、亀井代表が民主党の消費税増税法案に反発し連立離脱を表明した所、自見庄三郎・下地幹朗ら6人がこれに反発し連立維持を主張した。そして4月5日、下地幹事長は亀井静香代表と亀井亜紀子政調会長を解任し連立維持を決定したことを発表した。さらに同日、分党論(6人が国民新党を離脱し、新党を立ち上げる)が持ち上がっていることが明らかになっている。これにはもちろん亀井氏らは反発したが、結局代表変更が受理されてしまった。そして4月6日、亀井静香・亀井亜紀子らは党本部にて離党する事を表明した。これと同時に新党日本は衆議院での国民新党との統一会派を解消した。4月下旬ごろ、国民新党の公式サイトにある役員表から亀井久興(亀井亜紀子の父)顧問と綿貫民輔最高顧問の名前が削除され、役職を辞したことがわかった。
解党へ
2012年12月16日の第46回衆議院議員総選挙では現職の下地幹事長・防災担当相が落選するなど議席を2から1に減らす。連立を組む民主党も惨敗し野党に転落する。この時点で所属国会議員が5人を下回ったため公職選挙法で定められた政党要件を失った。
翌年の議員総会では党の解散・存続を巡って党内が分裂。自見代表は結論を先送りしたが解党を主張する森田高代表代行が離党。2月には自見代表が「国民新党の自民党への吸収合併及び自らの自民党への復党」を河村建夫自民党選対委員長に要請するが、これに反発した下地前幹事長が離党。さらに自民党側からもこれを拒否される。
2月27日には先の総選挙で初当選したばかりの野間健が離党。
3月21日、「党の役目であった郵政民営化の見直しが達成された」として同日付での解党を決定。翌日総務大臣に届け出をし正式に解党。すったもんだの末の解党劇であった。
解党時の所属国会議員一覧
小ネタ・エピソード
- 「亀井」姓の所属議員が多く、2007年参院選直後には所属議員8名中4名が「亀井」姓という状態になった(郁夫・静香・久興・亜紀子)。郁夫と静香は兄弟、久興と亜紀子は親子である。さらに両者の家系を辿ると郁夫・静香兄弟の家系は戦国大名・尼子家の家老を務めた亀井吉助に、久興・亜紀子親子の家系は吉助の弟で津和野藩亀井家の祖となった戦国大名・亀井茲矩に、それぞれ行き当たるという。
- 2007年参院選での公認候補者の大半は郵政民営化に反対した元自民党議員だったが、比例区では元社会党議員の伊東秀子、維新政党・新風講師の元チベット人ペマ・ギャルボ、「フサイチ」の冠名で有名な馬主・実業家の関口房朗、果てはチリで軟禁中の元ペルー大統領アルベルト・フジモリ(「自主クーデター」を敢行し開発独裁体制を敷いた)まで擁立し、選挙ウォッチャーからは「ネタ候補を大量擁立した自由連合の再来か!?」と変な期待を持たれるようになった。
- ただし2010年参院選の比例区では元プロ野球選手の江本孟紀とプロレスラーの西村修が目立った程度で、前回ほど奇抜な候補者は擁立しなかった。
ニコニコ動画における扱い
他党に遅れつつも公式チャンネルを開設、公式動画を投稿している…が、正直なところ注目されているとは言い難い。ニコニコ大百科の記事作成が公式チャンネルのない旧改革クラブ、後発のみんなの党、法律上の「政党要件」を満たしてすらない幸福実現党や維新政党・新風よりも遅れていたという時点で、その注目度についてはお察し下さい。
もともとネット上では、強い嫌韓・嫌中感情などから自由主義史観やタカ派外交を主張する右派に支持が集まりやすく、逆に親韓・親中であったり日本の戦争責任を認めたりすることの多い中道~左派は強い批判に晒されやすい。
ところが国民新党は中道右派政党でありながら民主党と共に中道左派政権を構成しつつ、その中では右派の立場から民主党左派を牽制するという微妙なポジションに位置しているため、より右派色の鮮明な自民党やたちあがれ日本ほど高い評価は受けられない一方で、民主党・公明党・社民党ほどの批判も受けない、という状態になっている。
そのため支援動画も批判動画もあまり作成されず、ニコニコ動画内では目立たなくなってしまったのである(解党後、長らくmixiコミュニティ管理人を務めた人物が非公式のMAD動画を公開した)。
ネット世論調査における支持率推移
09年9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 10年1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | |
総合結果 | 0.8 | 0.7 | 0.9 | 0.7 | 0.8 | 1.1 | 1.2 | 0.5 | 0.5 | - | 1.0 | 0.9 |
50代以上 | 0.6 | 0.7 | 1.3 | 1.7 | 0.8 | 0.8 | 0.6 | 0.4 | 0.8 | - | 2.2 | 1.3 |
40代 | 0.3 | 0.5 | 1.0 | 0.7 | 0.8 | 1.1 | 1.1 | 0.4 | 0.4 | - | 0.9 | 0.7 |
30代 | 1.1 | 0.7 | 0.8 | 0.8 | 0.8 | 1.3 | 1.3 | 0.5 | 0.5 | - | 0.9 | 1.0 |
20代 | 0.9 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 0.8 | 1.0 | 1.0 | 0.6 | 0.6 | - | 1.0 | 0.9 |
10代以下 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 0.7 | 0.8 | 0.7 | 0.8 | 0.5 | 0.5 | - | 1.1 | 1.1 |
男性 | 0.8 | 0.7 | 0.9 | 0.9 | 0.9 | 1.3 | 1.2 | 0.7 | 0.7 | - | 1.1 | 1.0 |
女性 | 0.7 | 0.6 | 0.9 | 0.6 | 0.7 | 0.9 | 1.1 | 0.3 | 0.3 | - | 0.9 | 0.7 |
(数字はパーセンテージ。詳細は単語記事「ネット世論調査」内の「内閣支持率・政党支持率調査の結果」を参照。)
一貫して1%前後の支持率で推移しており、新党日本・新党改革(旧改革クラブ)との最下位争いに甘んじている。
ネット出口調査における支持率・獲得議席数
ネット出口調査の結果 | 実際の選挙との差分 | |||||||||
選挙区 | 比例区 | 合計 | 選挙区 | 比例区 | 合計 | |||||
支持率 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 支持率 | 議席数 | 議席数 | |
09年総選挙 | 0.6 | 1 | 1.9 | 0 | 1 | -0.5 | -2 | +0.2 | ±0 | -2 |
10年参院選 | 0.5 | 0 | 2.2 | 1 | 1 | +0.2 | ±0 | +0.5 | +1 | +1 |
(詳細は「第45回衆議院総選挙 ネット出口調査」総合結果・「第22回参議院議員選挙 ネット出口調査」総合結果動画をそれぞれ参照のこと。)
いずれの出口調査でも現実と比べて大きな支持率差は出ておらず、支持率自体も両選挙でほとんど変わっていない。
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