代返(だいへん)とは、大学の授業などで、他人に依頼して自分が出席したと偽る行為である。
概要
大学では、最初からテストやレポート課題などのみで成績を判断する授業を除いて、出席用紙やコメント用紙、呼名などで出席が確認されることがある。
このとき、出席を拒む学生が他人に依頼して、出席用紙を提出させたり、呼名でほかの人物に返事をさせた場合、代返となる。
人数がおおむね50人未満で、席が固定されて顔が覚えられがちな高校までの授業とは異なり、大学の場合は着席自由で受講人数が多い授業もあるため、学生全員の出席を講師が確実に把握できないことがある。そのため、他人が返事をしても発覚しないことがある(当然ながら、絶対発覚しないわけではない)。
当然不正行為であり、褒められるようなものではない。発覚した場合は該当授業の単位取り消し・全単位取り消し・停学などの相当の処分が下ることもある。以前は処分されないこともあったが、2000年代以降は停学などで処罰される傾向が強くなってきているともされる。
そもそも依頼した人物が代返をする保証はなく、中には「やっておいたよ」と嘘をつく者もいるのでやめておいたほうがよい。
大学や授業の種類によっても変わるが、代返を依頼したことがある大学生はマイナビのアンケートによると25%程度であり、全体で見れば少数派である(参考)。
教員側の対策としては、1人1枚ずつ出席票を渡す、コメント用紙に授業の感想を書かせて提出のハードルを上げる、グループワーク中に代表者に用紙を取りに行かせるなどが挙げられる。
ゼミや実習、第二外国語など、高校までと人数があまり変わらない少人数の授業の場合、代返をするのは困難である。
ピ逃げ
2000年代以降はICカードの学生証や携帯電話などを利用して、電子的に出席を管理するようになってきている。上記の対策や罰則が徹底される傾向があることに加えて、タッチリーダーなども教員が監視していることがあるため、以前と比べて他人が出席を答えることは難しくなっている傾向がある。
代わりに現れたのが、最初に出席を記録しておいて、そのあと退室してしまう「ピ逃げ」「ピー逃げ」と呼ばれる行為である。「ピ」は学生証や携帯電話をタッチした時の音に由来すると思われる。この行為も「代返」と言われることがある。
Twitter検索の結果を見る限りでは現在でも一部の学生の間で行われていると思われるが、当然これも不正行為であり、停学などの処分が下ることもある。
授業途中のランダムなタイミングで出席をとったり、後でもう1回出席をとったり、紙の感想用紙・課題の提出と併用したりするなど、ピ逃げにも教員は対策をとっていることがある。
関連項目
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