イナバ物置とは、稲葉製作所が製造・販売する物置のブランド名である。
概要
1975年より生産を開始。
堅牢性にこだわっているのが特徴で、テレビCMで売りにしている屋根の丈夫さもさることながら、扉も2万回開閉して大丈夫だと保証している。
物置の屋根の上に大勢が乗っかり、「やっぱりイナバ 100人乗っても大丈夫!」とアピールするテレビCMが有名。
これは、実際に稲葉製作所が販売している物置を使用して、実際に100人乗っている。
物置に乗っている100人は全国の代理店社長であり、一番前に稲葉製作所の代表取締役社長・稲葉明が乗り、その後ろに営業成績のよい順で並んでいる。
※ちなみにCMで乗っているのは厳密には物置ではなく車を収納するガレージ型。
そんなテレビCMを放送してはいるが、使用上の注意として、「屋根に荷物を載せると危険!」「雪下ろしは早めに!」と呼びかけている。
背丈以下のもの、自転車やバイク・防災用品を収納する小型なものから、乗用車や中型トラック・マイクロバスを収納するガレージ型まで広く取り揃えており、屋根の耐久性(豪雪型/標準型)、屋根の高さ、収納可能台数など、需要や用途に応じて仕様や価格が細かく枝分かれしている。(詳しくは公式のネットカタログを参照)
大まかな分類
- 小型物置(アイビーストッカー・シンプリー)
- 収納庫ともいう。巾2.16m以下×奥行0.9m以下で、引違扉もしくは開き戸を持つ。高さにバリエーションがあり、出窓の下などスペースが限られていても設置可。柱を持たず、外板自体が強度を持ち、ねじ止めするだけで歪みの少ない強固な物置ができる。構造的に組み立ては比較的ラク。
- 中・大型物置(フォルタ)
- 巾1.37m以上×奥行0.95m以上で、二段引戸もしくは両引戸を持つ。強固な骨格に床板・外板・屋根板をねじ止めする構造であり、組み立てにはある程度慣れ(と人手)が必要。高さのある構造のため脚立も必要になる。小型物置よりオプションが多く、扉を掃き出し窓にしたり、ドアや窓を増設することもできる(機種によって制限有)。
- シャッター物置・ガレージ(ドマール・バイク保管庫・ガレーディア)
- 幅1.79m以上×奥行1.79m以上で、シャッターを扉とする。基本的な構造は中・大型に準じるが、重いシャッターを設置するため、地面にはきちんと基礎工事をする必要があり、素人には組み立ては不可能に近い(工事を依頼する場合でも事前下見・見積必須)。
- ナイソー系
- 外板や屋根板を、内装材を挟んだ二重構造とした物置。小型が「ナイソーシスター」、中・大型が「ナイソー」のシリーズ名を持つ。特に中・大型サイズでは守衛室や詰所など、プレハブハウスに近い使い方が可能である。
※「自転車置場」は屋根のみで物置とは異なる商品シリーズである。
特徴
- イナバ物置のサイズは、モデルチェンジを繰り返しているにも関わらず、本体サイズに変化がない。30年前の「スリムマン」と現在の「シンプリー」は、屋根周りはともかく本体サイズを変えておらず、買い替えに際してもサイズの微妙な違いに煩わされることが無い。
- イナバ物置のボルトとねじ板も、サイズ・モデルチェンジに関わらず使われ続ける重要部品である。特にねじ板は独特の姿であるが、そのおかげでねじ止めがとても楽にできる。中・大型の「フォルタ」は、8割近いねじ止めが物置室内で作業できるという組み立てやすさを実現している。
- 21世紀に入り、同業他社と同様、物置の扉の色が選択できるようになっている。余談ではあるが、物置でも自動車同様にたまにワックスがけを施してやると、より長持ちを期待できる。
注意事項
- 小型・大型を問わず、物置を直接地面に設置しないように。コンクリートブロックを説明書通りに並べ、水平をきちんとチェックしよう。小型物置なら床板にアジャスト機構があるので水平を取るのが楽である。
- 台風や地震などで物置は土台からずれたり、傾いて倒れたりするものである。転倒防止工事は実施する方が吉。
- マンションの外廊下やベランダに小型物置をおく事例が見られるが、そこは本来物置を置いてはいけない場所である。ちょっとでも検討した覚えのある方は、レンタルスペースを借りるようにしよう。
関連動画
関連商品
関連項目
関連リンク
- 165
- 0pt