麝香とは、ジャコウジカから取られる香料の一種。英語ではムスクと呼ぶ。
概要
甘く強い香気を持つ黒褐色の粉末。漢方では興奮剤、強心剤など生薬としても用いる。
雄のジャコウジカの下腹部にある麝香嚢と呼ばれる部分を乾燥させて採取する。
麝香を採取するために、ジャコウジカは大量に殺され、絶滅の危機に瀕してしまっている。
現在はワシントン条約の規制を受けて、商業目的の国際取引が禁止されている。
なので、香料用途で現在流通しているのは、合成された麝香類似物質が殆どである。
また、現在ではジャコウジカを殺さないように麝香が採取されている。
英語のムスク(musk)は、もともと睾丸に由来する語だが、麝香嚢は睾丸じゃないので安心してください。
繁殖期に発達する部分だけど…。
ジャコウの名を持つ動物
麝香を出す動物(いわゆる麝香獣)、また、単に強い香りを持つ場合、名前にジャコウ、ムスクの名を冠している。
以下は一例。
- ジャコウジカ - 麝香の原料となるジャコウジカ科の哺乳類。
- ジャコウネコ - ネコ目ジャコウネコ科に属する哺乳類。麝香と似た匂いを持つ物質を分泌する。霊猫香が採取できる。
- ジャコウウシ - ウシ目ジャコウウシ属の哺乳類。匂いのある分泌液を出す。
- ジャコウネズミ - ジャコウネズミ属の哺乳類。匂いを出す分泌線を持つ。
- ジャコウアゲハ - アゲハチョウ科の蝶。麝香に似た匂いを出す。
この他に植物だとマスカットやマスクメロンなどもこれが由来だったり、カーネーションが麝香撫子という別名を持っていたりする。
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関連項目
- 香料
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