LAV-25とは、アメリカ海兵隊が運用しているAFV(装甲戦闘車両)である。
概要
1980年代にアメリカ海兵隊が緊急展開部隊の能力(特に攻撃・防御)向上の為に開発要請しそれに応えた数社の軍需産業の内、ゼネラルモーターズのカナダ法人[1]がライセンスを有していたスイス・モワク社のピラーニャ装甲車(カテゴリー1)をベースにした車両を提示して採用された。
なお、計画初期段階ではアメリカ陸軍も参加していたが実戦テストを経て不採用にした後、2000年代にピラーニャ装甲車(カテゴリー3)をベースにしたストライカー装甲車を採用した。
構造
全長6.4m、全幅2.5mの車体はピラーニャ装甲車の8WD仕様=4軸車である。
車体中央部には陸軍のM2ブラッドレーと同型の25㎜機関砲を備えた砲塔を配置し車長用展望塔には7.62㎜機銃を装備出来、乗員3名に加えて兵士6名を搭乗させられるので歩兵戦闘車に分類されている。
ブラッドレーと違い車載装備が機関砲だけというのは物足りないように見えるがAFV、特に装甲兵員輸送車程度なら十分撃破できる威力を持っており、主力戦車に対峙した場合は装輪車両の利点である路上最高速度100㎞/hの高速退避となる。
一方で全備重量(乗員+弾薬+燃料etc)12t程度の軽量を活かしてCH-53輸送ヘリによる吊り下げ空輸及び車体後部に2基備えたスクリューで静水面での制約付きで水上航行も可能である反面、車体・砲塔共に防弾鋼板を使っているとは言え全体的に小銃弾+榴弾の破片程度の防御力しかない=ロケットランチャーどころか重機関銃でも破壊できてしまう[2]。
また、使われているタイヤが小径タイヤの為意外に低床の為[3]、荒れた路面や泥濘地でスタックし易い+地雷やIED(即席爆発装置)の被害を受けやすいなど弱点も多い。
派生型
- LAV-AT/ATM
連装式TOW発射機を装備した対戦車型。前者はM901と同型発射機に対し後者はストライカーATGMと同型の発射機を艤装。 - LAV-M/EFSS
自走迫撃砲型。前者は81㎜だが後者は120㎜に強化されている。 - LAV-AD
自走式対空砲型。4連装FIM-92発射機2基と25㎜ガトリング砲を備えている。 - LAV-Ⅼ/C2
前者は砲塔を外して後部を貨物積載スペース化した輸送型で後者は積載スペースを流用した指揮通信型。 - LAV-R
クレーンとウインチを備えた装甲回収車型。
関連作品
動画
静画・MMDモデル
関連項目
脚注
- *後にライセンス元のモワク社を吸収合併したがこの法人もジェネラル・ダイナミクスに吸収された
- *追加装甲も出来るがその分重量増で速度低下+スタックのリスクが増す
- *この為に後部ハッチがスロープ式でなく観音開き式になっている
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