ライデンフロスト効果とは、沸点より遥かに高い温度に熱した鉄板などに液体を水滴として落とすと、瞬間蒸発した蒸気が液体下面に膜を作って液全体の蒸発を妨げ遅らせる効果のことである。
液体は高温固体に接すれば沸騰し、蒸発し気体に変じるのが物質の三態(固体・液体・気体)である。
ただし、液体がごく微量、かつ固体温度が超高温だった場合、液体の下面で蒸発した蒸気が上に立ち昇ろうとする浮力と、液体が重力に引かれ固体に接しようとする落下力が一時的に釣り合い、液体下面にホバークラフトのように蒸気膜が生じることになる。
この結果、水滴自体が浮遊状態となることで摩擦抵抗が極度に下がり、通常の水滴とは異なり容易に横滑りを起こしたり、蒸気圧により固体上を跳ね回るなどの現象を起こす。
また、固体から水滴への熱伝播が遮られた結果、通常の液体が蒸発する時間よりも遥かに長く液体としての状態を維持することにもなる。
これがライデンフロスト現象、ライデンフロスト効果と呼ばれる現象である。
ただし、永続的に蒸気膜が維持されるわけではないし、蒸気膜があっても常時浮揚状態を維持するわけではなく、多くの場合、固体接触と即時蒸発・浮揚を繰り返すため徐々に水滴は小さくなり、やがて消失する。
液体が表面張力によって自律的に水滴を作るよりも大きな塊だった場合、水蒸気爆発を引き起こすことがある。高温に熱せられた蒸気と水しぶきが一瞬で爆発的に飛散することになるので、結構危ない。
液体窒素に素手を「一瞬」突っ込んでも平気なのもライデンフロスト効果の発現であり、この場合は超低温の液体に接する生身の素手の表面で「液体窒素の沸点を遥かに超えた体温により、液体窒素が瞬時に蒸発、気体窒素となり双方の接触を妨げる被膜を作る」からである。
現象自体の初観測は18世紀、1732年にオランダで報告されており、その後、ドイツの医師、ヨハン・ライデンフロストが1756年に発表した論文によってライデンフロストの名がついた。
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最終更新:2024/05/05(日) 00:00
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