二酸化炭素

二酸化炭素は、化学式が CO₂ で表される無機化合物である。化学式の通り、炭素1原子と酸素2原子からなる三原子分子である。

概要

英語で発音する際には物質名のcarbon dioxideだけではなく、化学式の読みで「シーオーツー」と呼ぶことも多い。

炭素を含む物質を燃焼することで容易に生成され、炭素酸化物の中では最も基本的な物質である。気体は炭酸ガス、固体はドライアイス、水溶液は炭酸、炭酸水と呼ばれる。

標準状態では気体であり、大気圧下では温度を下げても液体にはならないまま− 79 ℃ で固体（ドライアイス）となる（昇華）。同圧下で温度を上げたときも、やはり液体を通り越して気体となる。

紙や化石燃料など構成成分に炭素を含む物質の燃焼、動植物の呼吸や分解者による分解、火山活動などによって大量に発生する。植物の光合成によって吸収されることは周知だと思われるが、海洋に溶け込む莫大なCO₂の量も決して見逃してはならない。

毒性

二酸化炭素は標準的な空気の組成のうち0.03%を占めるが、この範囲では毒性はない。濃度が 3～4% を超えると頭痛・めまい・吐き気などを催し、7% を超えると数分で意識を失い、その後呼吸中枢の抑制のため呼吸が停止し死に至る。また、酸素が不足する場合には不完全燃焼を引き起こし、より毒性の強い一酸化炭素を生じる。

→一酸化炭素

生産と用途

実生活では炭酸飲料に封入される用途が有名であり、固体のドライアイスは冷却材として用いられる。また、前述のように植物は二酸化炭素を吸収し、同化作用によって成長するためイチゴの促成栽培、観賞用水槽の水草など、植物の成長を加速させるために人為的に施用されることがある。

地球温暖化の悪玉

温室効果の高い物質であり、地球温暖化の改善に向けて世界各国が二酸化炭素量の削減に躍起になっている。しかし温室効果の高いガスは二酸化炭素に限らず、メタンもその効果の大きさや水を張って還元状態にある水田からの大量発生・ウシのゲップによる大量発生により、（冗談ではなく）問題視されることがある。したがって二酸化炭素の排出量の増加と平均気温の上昇の非常に強いシンクロが見られるからといって、短絡的に二酸化炭素一人を悪者にするのは好ましくないだろう。

原油価格も上がり続けている昨今、火力発電の肝である化石燃料の消費を抑える意味でも、ニコニコする機会を減らして節電に協力してみてはいかがだろうか。それと呼気からも二酸化炭素が排出されることから、ハァハァすることも極力控えた方がよい･･･かもしれない（主観）

関連動画

上二つは二酸化炭素お詫びMAD及びNNMの作品

ドライアイス関連の動画は「危険なので真似するな」といった注意文が添えられていることが多く、性質をよく知らぬまま『夏休みの宿題に～』という軽い気持ちで挑戦しないように。

関連項目

液体窒素

チームマイナス6%

ドライアイス