遊戯王ラッシュデュエルとは (ユウギオウラッシュデュエルとは) [単語記事]

遊戯王ラッシュデュエルとは、遊戯王OCGより派生して制作されたカードゲームである。発売元はOCGと同じくコナミで、2020年 4月より発売開始。

概要

基本的にはOCGのルールをベースとしているが、

１ターンに何度でも通常召喚が可能。毎ターン手札が５枚になるようにドローする。バトルフェイズの一部簡略化。召喚・魔法枠が3枠に縮小。能動的な手札のコスト利用。

等かなりの相違点があり、それらを活かした臨機応変なスピード展開や逆転性の高さを売りとしている。

ラッシュデュエルのカードはOCGでは使用できず（カードの体裁や裏面のロゴも大きく異なっている）、逆にOCGのカードをラッシュデュエルで使用することも不可能。
他のカードゲームで例えるならばマジック・ザ・ギャザリングとデュエル・マスターズの関係に近いと言えるか。
海外展開は現在韓国で行われてる。そのせいか、イラストの修正基準がやや緩め。

また、発売と同時期に放送開始した『遊☆戯☆王セブンス』はラッシュデュエルを行うアニメであり、（作中設定では）ラッシュデュエルは主人公の王道遊我が発明したものと位置づけられている。

遊び方・ルール

上述の通りOCGのルールをベースとしているため、OCGと共通する部分については当該項目を参照のこと。

以下ではOCGとの主な相違点を述べる。

カード・フィールドのデザイン

先述したようにカードの体裁がOCGとは大きく異なっている。具体的にはモンスターのレベルが星の数ではなく数字で表現されていたり、カード効果の発動条件と効果内容を明確に区別して書き記されていたりする。OCGと比較すると視覚的に分かりやすくなっている部分が目立つ。
- モンスター効果の種類は通常の【効果】(OCGにおける起動効果)・【永続効果】・【選択効果】が存在し、それぞれ効果テキストに明記されている。
  - 【選択効果】は複数の効果内容から一つを選んで発動できる効果であり、OCGにおける「以下の効果から１つを選択して発動できる。」というテキストをキーワード化したもの。
- モンスター効果の発動回数制限についてはテキストには記されていないが、原則そのモンスターがフィールドに表側表示で存在する限り１ターンに１度だけ発動可能。
- 「守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える効果」を「貫通」という単語で表記している。OCG プレイヤーの間では以前から広く使われている用語であり、アニメ過去作でも用いられることは多々あったが、カードテキストに取り入れられることは初。
- ラッシュデュエルで初登場するカードだけではなく、過去にOCGで登場したカードも絵柄をリファインした上で登場している。ステータスや効果についてはOCGのものを引き継いでいることが多いが、細かな部分が変更されていることもある。
デュエルフィールドはモンスターゾーンと魔法＆罠ゾーンが３つずつの構成となっている。
フィールドゾーン・エクストラデッキゾーンも併設されているが、現状ではエクストラデッキのモンスターは後述のフュージョンモンスターしか存在しない。

ルール・ゲームの流れ

ターンの流れがドローフェイズ→メインフェイズ→バトルフェイズ→エンドフェイズに簡略化されている。つまり、スタンバイフェイズやメインフェイズ２は存在しない。
毎ターンのドローフェイズに手札が５枚になるようにドローする。初期手札は４枚で、先行でもドローが可能。
- 手札が５枚以上の場合は１枚だけドローできる。また手札枚数に上限はなく、エンドフェイズの手札調整は行わない。
- ドローすべき枚数をデッキから引けなくなった場合、デッキ切れで敗北となる。

１ターンに何度でも通常召喚が可能。レベル５以上のモンスターをアドバンス召喚する場合も同様。

	OCG	ラッシュデュエル
ドローフェイズ	1枚ドロー	手札が４枚以下：５枚になるようにドロー手札が５枚以上：１枚ドロー
スタンバイフェイズ	存在する	存在しない
メインフェイズ１	基本的に通常召喚は１回	通常召喚に回数制限なし
バトルフェイズ
メインフェイズ２	バトルフェイズを行った場合に発生する	存在しない
エンドフェイズ	手札が７枚以上：６枚になるように捨てる	手札調整無し

魔法カードは儀式・永続・速攻を除く従来のものと同様。ラッシュデュエルでは特殊な魔法に当たるものとして、フィールド魔法、装備魔法が存在。下記の「フュージョン」も通常魔法カードとなる。
- 装備魔法の条件は発動時(装備時)のみ参照し、装備した後に条件を満たさせなくなっても装備されたままとなる。(OCGではバスターランチャー等の特殊裁定を除き、発動後に条件が満たせないと破壊され墓地へ送られる。）
罠カードはチェーンの概念がないため、同一タイミングでは１枚しか発動できない（自分罠→自分罠の連続発動不可）。自他ともに同じ条件を満たした場合、非ターンのプレイヤーが発動を優先できる。
（同名カードも含めて）デッキに１枚だけ投入することができる「レジェンドカード」が存在する。レジェンドカードのイラストには「LEGEND」のロゴが記されている。
- レジェンドカードはモンスター・魔法・罠それぞれに存在し、各カードの種類ごとに１枚ずつデッキに投入できる。

ラッシュデュエル独自の種族が複数存在する。
現在は下記の６つの種族が存在する。

サイボーグ族	サイボーグをモチーフとした種族機械族＋αを素材とするフュージョンモンスターのみが属している
魔導騎士族	魔法を扱う騎士をモチーフとした種族魔法使い族or戦士族＋αを素材とするフュージョンモンスターのみが属している
ハイドラゴン族	ドラゴンをモチーフとした種族ドラゴン族のみを素材とするフュージョンモンスターのみが属している
天界戦士族	天使のような戦士たちをモチーフとした種族戦士族と天使族のみを素材とするフュージョンモンスターのみが属している
オメガサイキック族	超能力者をモチーフとした種族サイキック族のみを素材とするフュージョンモンスターのみが属している
ギャラクシー族	銀河をモチーフとした種族通常モンスターとそのサポートカードの比率が高い

マキシマム召喚

ラッシュデュエル独自の新召喚法である「マキシマム召喚」（特殊召喚）が存在する。
- 「マキシマムモンスター」と呼ばれる「指定の３種類のモンスターカードを手札に揃える」ことでマキシマム召喚を行うことができる。内容としては5体そろって完成するエクゾディアを彷彿、かつより実践的になったもの。
  - 例えば《超魔機神マグナム・オーバーロード》をマキシマム召喚する場合、《超魔機神マグナム・オーバーロード》・《超魔機神マグナム・オーバーロード［Ｌ］》・《超魔機神マグナム・オーバーロード［Ｒ］》の３枚を手札に揃える必要がある。
- 自分フィールドに既にモンスターが存在する場合でも、そのモンスターを墓地に送ることでマキシマム召喚が可能。
- マキシマム召喚でフィールドに出した３枚のカードは１体のモンスターとして扱う。そのため、原則として攻撃は１度しかできなくなり、アドバンス召喚のリリースに用いる際も１体分のリリースとして扱う。
- マキシマム召喚されたモンスターは「マキシマムモード」となり、固有の攻撃力と3枚の各カードに記された固有効果を得る。
- マキシマムモードのモンスターは守備表示にできず、守備力も存在しない。これは戦闘ダメージを防げないデメリットとなるが、守備表示にする効果を受け付けないメリットとしても働く。
- マキシマムモンスターは単体のカードとして召喚することも可能だが、マキシマムモードを条件とする効果を使うことができず、またマキシマム召喚せずにフィールドにカード３種類を後出しで揃えたとしてもマキシマムモードにはならない。
- マキシマム召喚後も、状況に応じてアドバンス召喚の素材として扱える。