却とは、しりぞく、しりぞけるという意味の漢字である。
漢字として
- 意味
- 退く、後ずさりする、退ける、かえって、~してしまう、抑える。
- 字形
- 諸説ある。
- 〔説文解字〕の本字は卻で却はその俗字である。しかし、去の方が𧮫よりも却に意味に近いため、去+卩という字とする説もある。
- 卻は〔説文・巻九〕には「欲を節するなり。卪に从ひ𧮫聲」とある。𧮫を声符とする形声で、欲を節することから卩(=節)に従うとしている。
- 去+卩とする説には、去(去る)と卩(ひざまずく)で退く意味とする説、去(廃棄した祝器)と卩(ひざまずいて拝む)で廃棄の意味とする説(白川静)などがある。
- ほかに脚の初文とする説などがある。
- 音訓
- 音読みは、キャク(漢音、呉音)、訓読みは、かえって、かえる、しりぞく、しりぞける。
- 規格・区分
- 常用漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 声符
- 危を声符とする漢字に、𠊬、𢜭、㮝、脚(腳)、𧍕などがある。
- 語彙
- 却下・却行・却退
異体字
- 卻は、〔説文〕や〔康煕字典〕などの本字。また繁体字。JIS X 0213第二水準。
- 㕁は、〔字彙〕に「俗却字」、〔康煕字典〕に「本卻字。後に變じて却と爲す。又た轉じて㕁と爲す」とある異体字。Unicodeに卻の異体字とある(non-classical form of 卻)。
- 𨚫は、〔隷弁〕に〔王純碑〕に見えるとある異体字。
- 𨚥は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
- 𢔱は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
卻
- Unicode
- U+537B
- JIS X 0213
- 1-50-42
- 部首
- 卩部
- 画数
- 9画
- 0
- 0pt
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