巿とは、膝掛けという意味の漢字である。市とよく似ているが別の字。また篆書体は𣎵によく似ている。
漢字として
- 意味
- 古代中国で儀礼に用いたひざかけ、𣎵と通じて草木が茂る、という意味がある。巿には縫い取り(黻)がされ、礼装として重要であった。
- 〔説文解字・巻七〕には「韠なり。上古、衣、前を蔽ふるのみ。巿、以って之れを象る。天子は朱巿、諸矦は赤巿、大夫は葱衡なり」とある。
- 字形
- ひざかけと帯の象形。〔説文〕には「巾に從ひ、連帶の形に象る」とある。金文では巿を授けるというような文がよく見られる。
- 音訓
- 音読みは、フツ(漢音)、訓読みは、ひざかけ。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。2010年に常用漢字表に加わった。
- 部首
- 巿は〔説文〕で部首である。ほかに𢂷が属する。
- 声符
- 巿を声符とする漢字には芾などがある。
異体字
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