自然治癒力とは、人間(及び動物)が生まれながらに持っている、怪我や病気をしたら「自分で治そう」と働く力のことである
概要
西洋医学では、悪い部分があればメスを入れて切除したり、薬を投与したりして治そうとする。いわば「対処療法」である。それに対して、主に東洋医学では人間が生まれつきに持っている自ら治そうとする力、いわば潜在能力を引き出そうとする。それが「自然治癒力」であり、対処療法とは真逆に位置する。ときに西洋医学的な観点からみれば、「病気を放置している」と思われることもある自然治癒力(自己再生機能ともいう)に頼った治療だが、どちらがいいとは一概には言えない。
癌なども切除すればいい場合もあるが、その場合は体に傷跡が残ったり、手術後に体内でその部分の臓器が癒着してしまうことがある。それに対してメスを入れない自己再生機能に頼った治療ならそういうことはない。しかし、あくまで免疫力を上げるものなので、確実に治るとは言えない。そのときの症状によって使い分けるのが一番いいと言えるだろう。
ちなみに花粉症やアレルギーなども自然治癒力が絡んでいる。それは、「自己防衛本能」と呼ばれるものであり、俗に「免疫」と言われるものである。本来ならば、体内に害があるものが入ってきた場合に細胞がその物質を攻撃して体外に出そうとする、それが自己防衛本能なのだが、花粉やアレルギーなどといった本来「害のないもの」まで「害がある」と体が勘違いしてしまって攻撃した結果、逆に体に害を及ぼしてしまうのが花粉症やアレルギーである。それらの治療に西洋医学が用いられることもあるが、東洋医学の自然治癒力を使った治療を用いることもあるのだから、なんとも皮肉な話である。
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