ニコニコ大百科

「…チェック」
そして、とうとう颯月の駒が少女のキングを射程圏内に捉えた。
その一方で、追い込まれた側であるはずの少女は依然として落ち着き払っている。
その仕草が、どことなく不気味なもののように思えた。
「……うん。予想通り」
「何が？」
「…この画面を見てもらえるかな」
少女は、唐突にかばんからポータブルテレビを取り出した。
そこには、今の戦局がそっくりそのまま投影された巨大なチェス盤と、そして---
「氷月！？」
クイーンの位置に縛り付けられている、氷月の姿があった。
「こ、答えなさい！ 氷月は--」
「私の次の手の予告。クイーン取り」
狼狽する颯月をよそに、少女は涼やかな声でそれだけ答えた。

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おー

くー

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うー

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ふー

支援

くー

2108471

おー

支援

出かけなきゃ
また夕方

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きー

その言葉の意味は誰にだってわかっている。
クイーンの対面には、まさにその首を刈り取ろうと相手のクイーンが陣取っているのだから。
「今すぐ対局をやめなさい！ こんな対局認められない！」
颯月は激昂のまま、少女に掴みかかる。
「やめちゃうの？ そしたらあなたの負けだよ」
その矛先をかわしながら、少女は静かに答える。
その言葉に、再びあの日の記憶がフラッシュバックした。これまで積み重ねてきたものがたやすく打ち砕かれた、あの悪夢のような一日が。
「私は手を変える気はないから」
悪魔のような言葉。この先の展開はわかっている。
自陣のクイーンを棄てることで、次の手で相手のキングにチェックメイトをかけることができるのだ。そんなことはわかっていた。
ただ、それでは一手遅いのである。
勝負の世界に生きた者として、勝たなければならないというプライドと、大切なモノを守らなければならないという間で精神が揺れ動く。
いつしか、少女の胸ぐらをつかんだ手に力は入っていなかった。

おー

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2108474

きー

2108475

ぴー

2108476

ほー

支援

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こー

支援

支援