マイネルキッツ(Meiner Kitz)とは、2003年3月18日生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2009年:天皇賞(春)(GI)
2010年:日経賞(GⅡ)
2011年:ステイヤーズステークス(GⅡ)
概要
父*チーフベアハート、母タカラカンナ、母父サッカーボーイという血統。
父*チーフベアハートはG1を3勝したカナダ産馬。日本で種牡馬入りし、平地GI馬としてはマイネルキッツの他にマイネルレコルトも輩出しているが、どちらも種牡馬入りしなかった。
母タカラカンナは地方で2勝した後に中央に転入して更に5勝。マイネルキッツの半妹に福島牝馬ステークス勝ち馬のマイネカンナ。
母父サッカーボーイはGI2勝馬で、種牡馬としても複数のGI馬を輩出して成功した。
ビッグレッドファームによって生産され、系列のクラブであるサラブレッドクラブ・ラフィアンから17万円100口で募集された。
戦績
2歳(2005年)
美浦の国枝栄厩舎に入厩し、後藤浩輝鞍上で9月の2歳新馬に出走。3番人気に支持されたが6着に終わった。
柴山雄一鞍上で迎えた10月の2歳未勝利は、単勝22.3倍の5番人気に支持されると、最後方から上がり最速で追い込み、抜け出していた圧倒的1番人気マチカネゲンジをクビ差で交わして勝利。次走に重賞も検討されていたようであるが、トモの具合に違和感を覚えたため暫く休養となった。
3歳(2006年)
3歳初戦となる2月の500万下であるセントポーリア賞は、田中勝春鞍上で4番人気に支持され、レースでは先行して抜け出したが、1番人気で後の重賞3勝馬トーホウアランに交わされて3馬身半差の2着。
同月の水仙賞では2番人気に支持されたが、後方からの競馬で5着に終わった。
今度は骨に軽い問題が見つかったようで再び休養に入り、9月の恵庭岳特別で復帰。柴山を鞍上に5.3倍の3番人気で迎えたレースではゲイルバニヤンにハナ差の勝利。
続いて10月には1000万下の精進湖特別に出走。後藤鞍上で3番人気に支持されると、後方からの競馬となりセンカク、ピサノパテックに次ぐ3着。
12月の香取特別は津村明秀鞍上で3番人気に支持されたが、後の国際G1馬シャドウゲイトが逃げ切って圧勝する中で8着に終わった。
4歳(2007年)
4歳初戦となる2月の立春賞は後藤鞍上で4番人気に支持されると、先行し、ピサノパテックには交わされたものの1馬身半差の2着。
3月の鹿野山特別では2番人気に支持され、先行してアクレイムと1馬身差の2着。
4月の金峰山特別では1番人気に支持されたものの、どうもゲートに顔をぶつけていたらしく9着に終わった。
5月の秩父特別でも1番人気に支持されたが、後方からの競馬で5着。
4歳夏の降級が行われたため、クーヴェルチュールと追い切りをしたりしながら迎えた8月に500万下の知床特別へと出走。柴山鞍上で5番人気に支持されたが6着。
9月の利尻特別では1番人気に支持されて後方から追い込んだが、ミストラルクルーズに1馬身差半差以上付けられて2着。
同月には前年に勝利した恵庭岳特別に再び出走。単勝2.2倍の1番人気で番手に付けると、逃げたファストロックを交わして2馬身半差付けての勝利。
五十嵐冬樹鞍上で10月にはこちらも前年経験した1000万下の精進湖特別へと出走すると、ここは6番人気5着。
11月には松岡正海鞍上で神奈川新聞杯に出走。単勝4.6倍の2番人気で迎えたレースでは、上がり最速の末脚でユウタージャックに3馬身差付けて勝利。
12月には1600万下の冬至ステークスに出走し、後藤鞍上で4番人気に支持されると、後方からの競馬で5着。
5歳(2008年)
5歳初戦は2月の早春ステークス。単勝3.2倍の1番人気に支持されると、上がり最速タイを出してマイネルポライトに2馬身半差の勝利。
初重賞出走となった6月のエプソムカップ(GⅢ)は6番人気5着。
次走は巴賞も検討したようだが、7月の七夕賞(GⅢ)に出走。3番人気で迎えたレースでは、格上挑戦のミヤビランベリが逃げ切って重賞初制覇を決める中、上がり最速は出したものの3着。
2番人気で迎えた8月の新潟記念(GⅢ)は、16番人気で武士沢友治鞍上のアルコセニョーラに差し切られて2馬身差の2着。3着のトウショウシロッコも14番人気であったため、3連単の払い戻しは100万円超えとなった。
9月のオールカマー(GⅡ)は松岡鞍上で5番人気に支持され、鞍上曰く一発狙う位置にいたとのことだが、マツリダゴッホの4着。
10月にはアイルランドトロフィー(OP)に出走して3番人気に支持されたが7着に終わった。
11月の福島記念(JpnⅢ)では3番人気に支持された。鞍上曰く、返し馬で馬に走る気を起こさせたが少しズブくなっているとのことで、上がり最速は見せたものの先行していたマンハッタンスカイにハナ差の2着。因みに半妹マイネカンナは6番人気9着。
6歳(2009年)
6歳初戦となる1月の中山金杯(GⅢ)では7番人気に支持され、押しても前に行かなかったことから後方からの競馬となり、上がり最速を出したが4着。
同月のアメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)では9番人気となったがここも4着。
3月の日経賞(GⅡ)はここまでで最長の2500m。7番人気で迎えたレースでは後方からの競馬となり、追走した相手のアルナスラインに4分の3馬身差の2着。
騎手の進言もあり、5月の天皇賞(春)(GI)に出走。重賞は善戦するも未勝利で、これが初のGI出走ということもあってか単勝46.5倍の12番人気となったが、中団から進出すると直線で抜け出し、前走で敗れたアルナスラインにクビ差で勝利。因みに3着にはドリームジャーニー。
勝利インタビューで「ちょりーす」「僕は普通に乗っていただけ」とコメントした主戦の松岡正海騎手はヴィクトリアマイルをコイウタで勝利して以来の2勝目、生産者ビッグレッドファームはこれがJRAのGI初勝利となった。
ファン投票17位で迎えた6月の宝塚記念(GI)は5番人気でドリームジャーニーの7着。因みにアルナスラインが6着。
10月の京都大賞典(GⅡ)は5番人気で後方からの競馬となり7着。
11月のジャパンカップ(GI)は7番人気で最後方からの競馬となり8着。
ファン投票14位で迎えた12月の有馬記念(GI)は、騎乗停止となった松岡の代わりに三浦皇成を鞍上に迎えた。三浦が同日の別レースで落馬して騎乗が危ぶまれたりしたものの無事復帰となったレース本番では、再び12番人気となったが、途中で進出していき5着。
7歳(2010年)
7歳初戦となる1月のアメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)は松岡鞍上で4番人気に支持され、後方から追い込んだが4着。
3月の日経賞(GⅡ)では、単勝11.0倍の6番人気となったが、後方からの競馬で上がり最速を出して追い込むとエアシェイディを捉え、4分の3馬身差付けて勝利。国枝調教師は「これで“天皇賞はフロックだった”と言われないで済む」とコメントした。
蓄膿症になったりしながら迎えた5月の天皇賞(春)(GI)では4番人気に支持され、ゲートの出が良かったことから番手に付けて早めに先頭に立ったものの、ジャガーメイルに差し切られて4分の3馬身差の2着。
8月の札幌記念(GⅡ)は6番人気で最後方からの競馬となり7着。
天皇賞後から、宝塚記念(同年はファン投票8位)を回避してコーフィールドカップを経てメルボルンカップに出走するというオーストラリア遠征を計画していたものの、右肩の出が悪くなったとのことで遠征を取り止めた。ジャパンカップかステイヤーズステークスでの復帰を検討していたものの外傷もあったようで体調が整わず、最終的に年内休養となった。
8歳(2011年)
爪の不安で京都記念を回避した後、東日本大震災の影響で当初の日程から変更になったため阪神大賞典や大阪杯なども検討されたが、結局8歳初戦は4月に阪神競馬場で行われることとなった日経賞(GⅡ)に出走。陣営も自信なさげであったが6番人気4着。
他厩舎のトゥザグローリーと併せ馬をしたりしながら迎えた5月の天皇賞(春)(GI)は6番人気で先行したが、6着。
同月の目黒記念(GⅡ)は58.5kgのトップハンデながら2番人気に支持されたものの、後方からの競馬で8着。
宝塚記念には出走せず、10月の京都大賞典(GⅡ)で復帰。8頭立てで5番人気に支持されたが、最後方からの競馬でブービー7着に終わった。
12月のステイヤーズステークス(GⅡ)は三浦鞍上で単勝8.2倍の4番人気に支持されると、中団から早めに先頭に立って粘り、イグアスに1馬身以上付けて勝利。三浦は9月にほしのあきと入籍から初めての重賞勝利であった。
この後は有馬記念に参戦予定であったが、最終追い切り直後に鼻出血が発覚したため回避となった。
9歳(2012年)
9歳初戦は2月のダイヤモンドステークス(GⅢ)。年始の落馬から復帰した松岡が鞍上となり、6番人気で迎えたレースは10着に終わった。
続いて3月の日経賞(GⅡ)に出走したが5番人気で9着。因みに勝ったのは12番人気で江田照男鞍上のネコパンチ。
スクミが出たため天皇賞(春)は回避。予定よりは早く9月のオールカマー(GⅡ)で復帰したが、11番人気で後方から8着。
11月のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)は12番人気で先行したが14着。因みに半弟マイネルマークが3着。
12月のステイヤーズステークス(GⅡ)は7番人気で後方からの競馬となり、10歳馬のトウカイトリックが勝利する中で7着。
10歳(2013年)
10歳初戦は三浦鞍上で1月の万葉ステークス(OP)に出走。58kgのトップハンデで8番人気となり、内枠もあって5着。
3月の日経賞(GⅡ)では11番人気となったが、早めに動いて一旦先頭に立ち5着と健闘。
4月の天皇賞(春)(GI)はクリスチャン・デムーロを鞍上に迎えて11番人気となり、7着。勝ったフェノーメノは4歳、マイネルキッツは出走馬中最年長こそ11歳馬で11着のトウカイトリックに譲ったものの、2番目に高齢であった。因みに3番目の9歳馬は6着ジャガーメイル。
9月のオールカマー(GⅡ)は柴田大知鞍上で10番人気となると、レースでは最後方からの競馬となり10着。
11月のステイヤーズステークス(GⅡ)は三浦鞍上で9番人気に支持され後方からの競馬で11着。このレースを最後に引退となった。
52戦8勝[8-8-2-34]、獲得賞金は5億5703万8000円。
引退後
晩成気味のステイヤーというのも影響したか種牡馬にはなれず、横浜市の根岸競馬記念公苑で乗馬となった。2023年には北海道のうらかわ優駿ビレッジAERUに移動している。
血統表
| *チーフベアハート 1993 栗毛 |
Chief's Crown 1982 鹿毛 |
Danzig | Northern Dancer |
| Pas de Nom | |||
| Six Crowns | Secretariat | ||
| Chris Evert | |||
| Amelia Bearhart 1983 栗毛 |
Bold Hour | Bold Ruler | |
| Seven Thirty | |||
| Myrtlewood Lass | Ribot | ||
| Gold Digger | |||
| タカラカンナ 1993 栗毛 FNo.10-e |
サッカーボーイ 1985 栃栗毛 |
*ディクタス | Sanctus |
| Doronic | |||
| ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
| *ロイヤルサッシュ | |||
| *クリムゾンラトラー 1979 栗毛 |
Crimson Satan | Spy Song | |
| Papila | |||
| Falina's Dancer | Rattle Dancer | ||
| Falina |
クロス:Northern Dancer 4×5(9.38%)、Bold Ruler 5×4(9.38%)、Mr. Music・Spy Song 5×4(9.38%)
関連項目
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