ニコニコ大百科

煙を吹き上げながら炎上する2台の車体を見ながら、颯月はしばらく動くことができなかった。
額には大粒の汗が流れ、呼吸も次第と早くなっていく。
にげなければ。それも一刻も早く。
そう心では思っていても、体が動いてくれない。
『次の手は？』と急かす少女の声だけが、不気味に脳内に鳴り響いていた。

それから5分ほど経って、ようやく颯月は脚の震えが止まったことに気づいた。
ゆっくりと立ち上がり、鎮火しかかった車体の横をすり抜け、足早に家路を急ぐ。
見慣れた家の扉を開け、部屋にはいると、何事もなかったかのように平然と佇む赤眼の少女の姿があった。

2108457

ぴよ

支援

よー

間に合うのか…？
この絵を基にしています！ 記事内参照用URL :

ぴよぴよ

にー

2108458

ぴよ

いー

ぴよぴよ

支援

2108461

「ずいぶん遅かったね」と、素知らぬふりで少女は颯月を出迎えた。
「…どうせどこにいたって同じなら、真っ向からぶつかってあげようじゃない」
対面する椅子に座る。颯月の中にあった迷いと、手の震えは完全に消え去っていた。
それから、盤上では一進一退の攻防が続いた。
少女もどうやらかなりの腕前らしく、ブランクが開いているとはいえ世界一位の腕前を誇った颯月に対して果敢に食らいついてくる。
「さすが、世界一位だね」
「………そう、ね」

対局は終盤へと移り変わっていく。
颯月には、これまで自分の中から消えかかっていた勝利への渇望、そしてそこに至る道筋が再び見えているような気がした。

ぴよ

うーん
味のある一保絵だ・・・

ぴよぴよ

ぬー

2108462

ぴよ

おー

2108465

ぴよぴよ

いー

2108466

よー

2108467

支援

いー