位相空間論においてウリゾーンの補題(Urysohn's lemma)とは、正規空間の交わらない閉集合が関数で分離できる、という定理である。より正確には、Xを正規空間、A,Bをその閉集合でA∩B=∅とするとき、f(A)={0},f(B)={1}となる連続関数f:X→[0,1]が存在するということである。
Xを正規空間とし、A,Bをその交わらない閉集合とする。正規空間なのでA⊂U(0),Cl(U(0))⊂X\Bとなる開集合U(0)が存在する(ここでCl(U)はUの閉包を表す)。U(1)=X-Bとする。
Cl(U(0))⊂U(1/2),Cl(U(1/2))⊂U(1)となる開集合U(1/2)をとる。このようにして、自然数nとm=0,1,...,2nに対して開集合U(m/2n)が
Cl(U(m/2n))⊂U((m+1)/2n)
を満たすようとられているとき
Cl(U(m/2n))⊂U((2m+1)/2n+1) , Cl(U((2m+1)/2n+1))⊂U((m+1)/2n)
を満たすように開集合U((2m+1)/2n+1)を定める。このとき、r<sならCl(U(r))⊂U(s)である。
次にf:X→[0,1]を
f(x)=inf{m/2n|x∈U(m/2n)} (x∈U(1)), 1 (x∈X-U(1))
と置く。このときf(A)={0},f(B)={1}となる。fが連続であることを示せばよい。f(x)∈(a,b)、0<a<b<1のときa<r<f(x)<s<bなるm/2nの形のr,sをとってU=U(s)\Cl(U(s))とすればこれはxの開近傍でf(U)⊂(a,b)。他の場合も同様にして各点での連続性がわかる。以上で示された。
閉集合Fと開集合F⊂Uの間の開集合を取る際は選択公理が暗に用いられている。これを少し明確化してみよう。まず位相をO,閉集合系をFとし、P={<U,H>∈O×F|H⊂U}と置く。
次にO(<U,H>)={V∈O|H⊂V,Cl(V)⊂U}と置こう。このとき<U,H>∈PならO(<U,H>)≠∅であるから、ここで選択公理により選択関数F:P→∪{O(<U,H>)|<U,H>∈P}がとれる。上のU(m/2n)はこのFを用いてとってくる。
掲示板
1 ななしのよっしん
2016/02/01(月) 16:43:49 ID: TvNi58r0Md
証明の最初にT1性を仮定しているけど、必要ないと思う。
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最終更新:2025/12/18(木) 11:00
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