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ビタミンB1(Vitamin B1)とは、水溶性ビタミンの一種である。チアミンとも。
肉や牛乳、豆、うなぎなどに多く含まれ、疲労回復物質として栄養ドリンクに入れられていることが多い。
体を動かしたり炭水化物を摂ったりするなど、糖をエネルギーとして分解するときに大きく消費されるため補給が必要となる。生体内ではチアミンピロリン酸(TPP)という活性型に代謝されて存在しており、Mg2+と複合体を形成して糖の代謝を助ける「補酵素」、より正確には酵素と強固に結合した「補欠分子族」として機能する。不足すると「脚気」や「ウェルニッケ・コルサコフ症候群」などの欠乏症が出る。
ほかの水溶性ビタミンと同じく、余った分は尿から排泄されるため過剰症はないとされる。
脚気の症状は主に心機能低下や末梢神経障害で、食欲不振や倦怠感、足のむくみ、しびれなどの症状が現れる。ビタミンB1は米ぬかに多く含まれるため、アジアなどの精米した米を主食とする地域に多い。江戸時代に白米を食べる週間が江戸で根付いたため、江戸を中心に患者が増加し「江戸患い」とも呼ばれた。当時の江戸では蕎麦が流行ったが、これはビタミンB1が含まれる蕎麦を食べて脚気を予防する側面もあったようだ。
20世紀初頭になると鈴木梅太郎やカシミール・フンクの研究により、米ぬかに含まれる成分が脚気に関わることが判明した。フンクはこれを「ビタミン」と名付け、ビタミンの発見者として知られることになる。
実際は鈴木がタッチの差で早かったのだが、西洋権威主義だった当時の医学界はプークスクスといった感じで、
鈴木が名付けた「オリザニン」が新発見の物質であったことが訳されなかったこともあり農家上がりの農学者だった鈴木を全く相手にしなかった(脚気治療に対して割と混乱していた背景もある)。ビタミンの研究が盛んになってから国内で再び注目が集まるようになったが、国際的にはほとんど知られていない。
ビタミンB1と脚気の関係が明らかになると、栄養学の発展に大きく関わった香川綾などによって胚芽米の普及が提唱されたり、各種栄養ドリンクが普及して脚気の死亡者数は減少していった。しかし近年もジャンクフードや偏食などによって、脚気を発症するケースが見られるようになっている。
ウェルニッケ・コルサコフ症候群(ウェルニッケ脳症およびその後遺症)は中枢神経障害であり、意識障害や運動失調、悪化すれば記憶障害などが起こる。偏食やアルコールの多飲によって起こるとされ、こちらは欧米に多い。
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最終更新:2025/03/24(月) 22:00
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