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腸管出血性大腸菌(O157、O111など)や一部の赤痢菌が作り出す毒素。細胞のタンパク質を破壊する性質を持つ。
主に大腸の細胞や血管を破壊して出血や炎症を起こし、下血(血便)を伴う激しい下痢や非常に強い腹痛といった症状を引き起こす。また、血液中に入り込んで腎臓や脳などに移動し、溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重大な合併症を起こすこともある。HUSは急性腎不全や溶血性貧血、血小板減少、脳症などを伴う非常に危険な合併症である。
アフリカミドリザル(実験動物として使われる猿)の腎臓の細胞(ベロ細胞)を破壊したことが名前の由来となっている。
ベロ毒素にはベロ毒素1とベロ毒素2の2つのタイプがある。もともと一部の赤痢菌の毒素は赤痢菌を発見した科学者である志賀潔の名前にちなんで志賀毒素と呼ばれていたが、後になってベロ毒素1と志賀毒素が同一のものであることが判明した。このことからベロ毒素のことを志賀毒素、もしくは志賀様毒素と呼ぶこともある。
致死量が非常に少ない猛毒であり、細菌が作り出す毒素としてはボツリヌストキシン(ボツリヌス菌の毒素)やテタノスパスミン(破傷風菌の毒素)に次いで危険なものとなっている。
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最終更新:2025/01/04(土) 01:00
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