敬遠とは、
である。本記事では1.について解説する。
強打者、好調な打者、投手の前の打者などとの「勝負を避ける」目的で意図的に出す四球のことである。報道などでは、正式名称の故意四球より、別称の「敬遠」が使われることがほとんどである。
敬遠は、得点圏にランナーを置き、かつ一塁が空いている時に不調の打者や投手といった比較的得点期待値の低い打者と勝負するために出される場合に多く見られる。またアウトカウントが一死以下の場合、併殺を取りやすくする意図もある。星稜高等学校時代の松井秀喜のように、打者として強すぎるが故に戦況に関わらず敬遠が指示されたり、シーズン終盤でタイトルを争う相手打者にタイトルを獲らせないために敬遠をするケースもある。
敬遠自体は立派な作戦であるため、基本的に批判される行為であるとは言えない。敬遠が指示されると球場内でブーイングが起きることが多いが、これはブーイングする者も作戦と認識した上でのお約束程度のものが大半である。
以前は捕手がミットをストライクゾーンから大きく外す程度で敬遠が行われていたが、不用意に投げた敬遠球を痛打されたケースが複数あったため、現在は捕手が体ごとプレートから離れて打者が打てない場所に投げるようにするか、捕手がプレートから離れないまでも、バットが届かないくらいの完全に外れたボール球を投げるのが普通である。
なお、捕手が立ちあがって完全なボール球を投げて敬遠した場合のみ「故意四球」と記録される。明らかに勝負してなくても捕手が立ちあがっていなければ、単に「四球」となる。
ただし大きく外したとしてもバットに当てられる場合もなくはない。実際1981年に日本ハムファイターズに所属していた柏原純一が敬遠球を打ってホームランを記録。1999年に阪神タイガースに所属していた新庄剛志が敬遠球を打ってサヨナラタイムリーを記録したことがある。
2017年シーズンよりMLBで、翌2018年にはNPBで、監督の申告だけで故意四球を認める新ルール(申告敬遠)が採用された。なお、申告制自体はMLBが最初に採用したというわけではなく、ソフトボールでは以前より国際ルールで(日本でも2013年から)採用されていた。
申告敬遠は投球数にカウントされない(4球加算されるわけではない)。ただし監督の申告は何時でも実施できるため、それまでに打者に投じた投球数はカウントされる。
より大きな違いとして、通常の四球はボールインプレーであるのに対し、申告敬遠はボールデッドであることが挙げられる。前述のような塁上の緊張感は発生しようがなく、大袈裟に言えば野球の本質を変える制度である。
MLBが申告敬遠を採用した理由は、試合時間の時短を狙ったためと言われている。打者登場時の曲の長さを制限し、走者無しの時に打者がボックスから離れることも禁止し、4球投げるぐらいなら1球(死球)で済ませるという過激な考えをする投手も居る、MLBらしいルールではある。しかしながら、故意四球自体が1試合でそれほど多くあるわけではないこともあり、時短効果が目に見えてる形にはなっていない。
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||||||
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順位 | 選手名 | 所属 | 敬遠 | 年度 | 順位 | 選手名 | 所属 | 敬遠 | 年度 |
1 | 王貞治 | 巨人 | 45 | 1974 | 1 | バリー・ボンズ | SF | 120 | 2004 |
2 | 王貞治 | 巨人 | 41 | 1966 | 2 | バリー・ボンズ | SF | 68 | 2002 |
3 | 王貞治 | 巨人 | 38 | 1973 | 3 | バリー・ボンズ | SF | 61 | 2003 |
4 | 野村克也 | 南海 | 37 | 1968 | 4 | ウィリー・マッコビー | SF | 45 | 1969 |
5 | 長嶋茂雄 | 巨人 | 35 | 1961 | 5 | アルバート・プホルス | STL | 44 | 2009 |
6 | 川上哲治 | 巨人 | 34 | 1955 | 6 | バリー・ボンズ | SF | 43 | 1993 |
7 | 長嶋茂雄 | 巨人 | 32 | 1960 | 8 | ウィリー・マッコビー | SF | 40 | 2007 |
8 | 王貞治 | 巨人 | 30 | 1967 | 9 | バリー・ボンズ | SF | 38 | 2006 |
9 | 王貞治 | 巨人 | 29 | 1965 | 9 | アルバート・プホルス | STL | 38 | 2010 |
アレックス・カブレラ | 西武 | 2002 |
※太字は現役選手
日本プロ野球 | メジャーリーグベースボール | ||||
---|---|---|---|---|---|
順位 | 選手名 | 敬遠 | 順位 | 選手名 | 敬遠 |
1 | 王貞治 | 427 | 1 | バリー・ボンズ | 688 |
2 | 張本勲 | 228 | 2 | アルバート・プホルス | 316 |
3 | 長嶋茂雄 | 205 | 3 | スタン・ミュージアル | 298 |
4 | 野村克也 | 183 | 4 | ハンク・アーロン | 293 |
5 | 門田博光 | 182 | 5 | ウィリー・マッコビー | 260 |
6 | 落合博満 | 160 | 6 | ブラディミール・ゲレーロ | 250 |
7 | 谷繁元信 | 158 | 7 | ケン・グリフィー・ジュニア | 246 |
8 | 田淵幸一 | 125 | 8 | テッド・ウィリアムズ | 243 |
9 | 江藤慎一 | 118 | 9 | ミゲル・カブレラ | 238 |
10 | 中村武志 | 112 | 10 | ジョージ・ブレット | 229 |
野手の記録 |
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打席 - 打数 - 得点 - 安打 - 二塁打 - 三塁打 - 本塁打 打点 - 盗塁 - 犠打 - 犠飛 - 四球 - 敬遠 - 死球 三振 - 併殺打 - 打率 - 出塁率 - 長打率 - OPS |
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最終更新:2025/03/21(金) 22:00
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