SIMM(Single In-line Memory Module)とは、PC用メモリ基板の一種である。1990年代に製造されたメモリモジュールの主流を担っていた。
SIMMの端には信号線用の接点が並んでおり、それをマザーボード上に用意されたソケットへ挿し込んで使っていた。SIMMの接点は表裏両方に存在するが、実は表裏で対応する接点は同じ線につながっており同じ信号を出力する。これが「Single(端子が単一の) In-line(列に並んだ) Memory(メモリ) Module(基板)」という名前の由来である。
SIMMには30pinのものと72pinのものが存在し、90年代半ばに世代交代した。データバス幅は30pinが8bit(パリティ付では9bit)、72pinが32bit(パリティ付では36bit)であり、CPUのデータバス幅に合わせ複数枚装着する必要がある場合もあった。
SIMMが開発される以前の最も初期のPCでは、メモリチップをPCのマザーボード上に用意されたソケットへ直接挿し込んで使っていた。
しかし、同じ容量のチップを向きを間違えずに(間違えるとチップが壊れる可能性もある)複数個つけなければいけないため、初心者には難しく経験者にとっても面倒な作業であった。また、当時のメモリチップは急速に進化していたため特定のメモリチップのみに対応したマザーボードはそのチップが生産中止となるとメモリを増設することが出来なくなってしまうという問題もあった。
これを解決するためにSIMMを開発したのが当時IBMに在籍していたSkip Coppola氏で、1980年代中頃の PS/2 で初めて採用された。
これによりたった一枚の基板をマザーボード上に挿すだけで増設が完了、また向きの問題も基板の形を工夫することで解決、メモリの急激な進化もSIMMが間に挟まることによって差異を吸収することができた。更には従来広い面積が必要だったメモリソケットも、数本の長いソケットだけで済むようになったのである。
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最終更新:2025/12/25(木) 12:00
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