しらね型護衛艦 単語


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シラネガタゴエイカン

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しらね型護衛艦とは、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)である。

概要

はるな型護衛艦の後継艦として計画されたDDHであり、船体などの基本的な構成ははるな型のものを引き継いでいる。しかし内面や武装については多くの変更点がある。

護衛艦 しらね哨戒用ヘリコプター3機を搭載する格納庫と離着艦用甲板が船体後半部分を大きく占めているため、それ以外の艦上構造物が船体前部寄りの特徴的なシルエットとなっており、固定兵装も船体前方の艦橋前部に集中配置されている。また、同じくヘリコプター搭載護衛艦である「はるな型護衛艦」の拡大改良型でもあるため、全体的な構造を踏襲しつつも離着艦用甲板が若干拡張され、指揮管制能力向上を図り艦橋構造物が1層追加されて大型化している。

システム的な面で特徴的なのは、護衛艦で初めてデータリンクであるリンク11や海洋戦術情報システムへの対応がされた点また、レーダーが刷新された点である。
またソナーはしらねが可変深度式、くらまが曳航式のものをアメリカから輸入し、自ら音を出し潜水艦を探すアクティブ式から相手の音を拾うパッシブ式の対潜作戦へのターニングポイントとなっている。

また武装面については、護衛艦としては初めて個艦防空用のシースパローやCIWSを積むなど、システム面とあわせしらね型は何かと目新しく、かつ重要な装備が初めて搭載された例が多い。

2007年に艦内のCIC(戦闘指揮所)内に無許可で持ち込まれた私物の中国製冷温庫が原因による火災で艦橋構造物を損傷し、特にCICに至っては機器全損という事態に陥る。修理費用が高額で期間も2年を要するとの見積りから除籍処分も検討されたが2009年に退役予定であった護衛艦はるなのCICを移植することで除籍は免れ修理完了後に現役復帰を果たした。当時は退役間近のはるな、はるなの後継艦なのに使用不能のしらね、就役どころか進水したばかりのひゅうがということでDDHをどうするのかとまったくもって困った状況であった。
またくらまは2009年に観艦式の後に関門海峡にて民間輸送船にぶつけられ船首を破損、観艦式のために積んでいた塗料が火事を起こすなどなんとなく大きな事故と縁のある型と言えなくも無い。

ヘリコプター搭載護衛艦としては、全通甲板と搭載・整備・運用能力を大幅に強化し指揮能力を加えたひゅうが型護衛艦が後継艦となっている。護衛艦ひゅうがが就役した同日に護衛艦はるなが退役し、同時に第1護衛隊群旗艦であった護衛艦しらねも護衛艦ひゅうがと交代し第3護衛隊群旗艦に転属となった。

現在の海上自衛隊ではひゅうが型護衛艦のDDHを中心としたグループとイージス艦のDDGを中心としたグループとして運用する等の護衛艦隊の体制変更や新DDHに順次代替する予定であることから、今後の機動艦艇はひゅうが型同様の全通甲板型のヘリコプター搭載護衛艦、汎用護衛艦、イージスシステム搭載ミサイル護衛艦を主とした運用と新造へと移行し、旧来のヘリコプター搭載護衛艦であるしらね型はその役目を終え、ひゅうが型以降に引き継いでいくことになる。

また、しらね及び同型艦のくらまは護衛隊群の旗艦を務めていることやDDHということで格納庫と後部の離発艦用甲板が広いこと、艦橋構造物が高く特設席も設置しやすいこともあリ、観艦式では観閲官(基本的に最高指揮官である内閣総理大臣)の乗艦する観閲艦としての役目を担ってきた。観閲官は通常ヘリで乗艦・離艦することや儀仗隊や音楽隊の他多くの同乗者を広い後部甲板と格納庫に収容できて都合が良かったのである。(2012年の観艦式でもひゅうがではなく観閲艦はくらまが務めた。)しらね、くらまの退役後や今後はどの艦が観閲艦を務めるのかは不明であるが、このような場面におけるしらね型護衛艦の見栄えの良さも特徴のひとつである。

ネット上の掲示板などでは「護衛艦しらね」に関する話題で艦名を質問された際に「しらね」(知らね)と返すのが一種のお約束になっている様子が見られる。

主要兵装

  • 54口径5インチ単装速射砲×2 …米海軍のMk42 5インチ砲を元に国産化した73式54口径5インチ単装速射砲。
  • アスロック×1 …74式アスロック8連装発射機。VLS(垂直発射装置)と異なり発射機後部に別途補充用の弾薬庫が付く。
  • 3連装短魚雷発射管×2 … 米海軍のMk32短魚雷発射管をライセンス生産した68式324mm 3連装短魚雷発射管。
  • 短SAMランチャー×1 …Mk29短SAM(シースパロー)8連装ミサイル発射機。元々Mk25の発射機を装備していたが、近代化改修済みのたかつき型護衛艦2番艦「護衛艦きくづき」の退役後に同艦が搭載していたMk29の発射機を移植された。
  • 高性能20mm機関砲×2 …CIWSのファランクス。就役時には無く、後から追加装備された。
  • 哨戒ヘリコプター×3 …SH-60K(SH-60J)

しらね型護衛艦(同型艦)

艦名 艦番号 所属 進水 建造 艦名の由来
就役
退役
1番艦 しらね DDH-143 第3護衛隊群
第3護衛隊
1978年9月18日 石川島播磨重工(現IHI)
東京第一工場
護衛艦の艦名命名基準のうち山岳の名前より山梨県の白峰(しらね)三山に由来。旧海軍の艦艇に「白峰」は存在しない。
1980年3月17日
2015年3月25日
2番艦 くらま DDH-144 第2護衛隊群
第2護衛隊
1979年9月20日 石川島播磨重工(現IHI)
東京第一工場
護衛艦の艦名命名基準のうち山岳の名前より京都府の鞍馬山に由来。先代は旧海軍の鞍馬型装甲巡洋艦(巡洋戦艦)一番艦。
1981年3月27日

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関連項目

  • 軍用艦艇の一覧
  • 海上自衛隊
  • 護衛艦
  • ひゅうが型護衛艦
  • いずも(護衛艦)
  • UH-60
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