アカイイト(競走馬) 単語


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アカイイト

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アカイイトだ!これは運命の赤い糸

大仕事をやってのけました!
人気薄ながら見事GI勝利をたぐり寄せましたアカイイト
運命の相手は幸英明でした!

――2021年エリザベス女王杯 関西テレビ 岡安譲アナウンサー
(参照:カンテレ競馬のツイート

アカイイト(競走馬)とは、2017年生まれの日本の競走馬である。青鹿毛の牝馬。

主な勝ち鞍
2021年:エリザベス女王杯(GI)

※この名前は2代目で、初代は2006年生まれの地方競馬の牡馬。23戦5勝。
※同名のゲームについては「アカイイト」の記事を参照。
※その他の曖昧さ回避の用法は、本馬の名前の由来である「赤い糸」の記事を参照。

運命の赤い糸

血統

キズナ、母ウアジェト、母父シンボリクリスエスという血統。父はダービー馬で、初年度から複数の重賞馬を輩出し人気を高めていた。母は21戦2勝。牝系はあまり活発ではない。母父は天皇賞(秋)と有馬記念を連覇した馬で種牡馬としてもエピファネイアなどを輩出し成功している。

2歳~4歳秋前半

2歳9月にデビューし2戦目で初勝利を挙げたが、その後安定して上がり上位の末脚を記録し掲示板には上がるが勝ちには至らず、ようやく1勝クラスを脱出したのは10戦目、3歳8月の札幌競馬場だった。その後1敗を挟んでGⅡローズSに挑んだが12番人気7着と惨敗。牝馬三冠戦線には出走できずに終わる。

その後休養を挟んだ自己条件戦は5着に敗れたが、年が明けた2021年初戦を勝ち準OPに昇格。3勝クラスは2着→3着→2着と惜しい競馬が続いたが6月の垂水Sで接戦を制しOP馬となる。夏は休養し、秋競馬初戦で1年ぶりの重賞となるGⅡ府中牝馬Sに出走したが、前年のローズSと全く同じ12番人気7着に敗れる。

エリザベス女王杯~アカはアカでもアカイイト~

続いて出走したのはGIエリザベス女王杯。この年は大阪杯を勝ったレイパパレ、秋華賞馬アカイトリノムスメ、牡馬相手にGII2勝のウインマリリンが3強を形成。OPでの実績が全くないアカイイトは単勝64.9倍の10番人気という低評価だった。

阪神競馬場での代替開催となったエリザベス女王杯。鞍上には初コンビの幸英明を迎える。16番枠からスタートしたアカイイトは中団やや後方の位置取り。人気各馬が前に固まって競り合い、馬群はほどほどにばらける展開となる。3コーナーで後続馬が仕掛け全馬ひとかたまりとなる中、アカイイトは残り3ハロンあまりで大外から追い出される。するともの凄い手応えでコーナーを捲り、直線入り口で4,5番手に浮上すると、直線でも勢いは増していき、競り合って疲弊したのか後退していく人気馬を外からかわして先頭に立つ。後続各馬も振り切り、2着につけた2馬身差以上の強さを見せる完勝。初重賞制覇がGⅠとなった。父キズナにとっては産駒GⅠ初勝利である。アカイイトの勝利に対し、1993年の馬場鉄志アナによる「ベガはベガでもホクトベガです!」の名実況が飛び出した、ホクトベガが9番人気で勝利したエリ女を思い出したファンは多いのでは。

10番人気の本馬が1着となり、先述の通り単勝配当は6490円。さらに2着に7番人気ステラリア(この馬もキズナ産駒)、3着に9番人気クラヴェルが突っ込み、3連単はJRAのGI3連単配当ランキングの第6位となる339万3960円という大波乱の決着となった。なお、3着とクビ差の4着に11番人気ソフトフルート、そのハナ差5着に12番人気イズジョーノキセキとさらに超穴馬が僅差で続いており、1984年のグレード制定後の世代限定戦でないGIレースでは初めて馬券どころか掲示板圏内の馬が全て重賞未勝利馬で埋め尽くされる事となった。首の上下によっては3連単のオッズはもっとすごいことになっていたかもしれない。

そして馬主の岡浩二にとってもGI初制覇。5月の京都ハイジャンプで引退した三津谷隼騎手に初の重賞制覇をプレゼントしたマーニも彼の所有馬である。幸英明は馬主になる前に最初に知り合った騎手だといい、同年熊本産馬として初めてJRA重賞を制したヨカヨカの主戦も幸。同じく主戦の牝馬三冠馬スティルインラブで獲れなかったエリ女の頂点を18年越しで初の奪取、赤い糸が繋いだ縁の勝利となった。ちなみに岡は幸を「みゆぴ~」と呼んでいるらしい。

赤い糸はこれだけではなかった。同じ日に福島競馬場で行われた福島記念(GIII)。ここで勝利したのはパンサラッサであった。彼はアカイイトが勝った未勝利戦で2着に入った馬だったのである(その後エリカ賞(2歳1勝クラス)でも当たっているがアカイイトが8着なのに対し、パンサラッサは6着とどちらも凡走)。1戦後に勝利した後、2020年6月に1勝クラスを勝利、7月のラジオNIKKEI賞を2着になって一足先にOP入り。その後は収得賞金の上積みができなかったが、10月のオクトーバーステークスで大逃げで勝利し、福島記念に乗り込んで、そこでも大逃げして勝利したのであった。

4歳冬~

次走は有馬記念。クロノジェネシスのラストランにちっちゃすぎるアイドルホースのメロディーレーン参戦、エフフォーリア、タイトルホルダーら3歳馬が引導を渡さんとするなど話題が多い中、GI勝ち馬として胸を張って年末の中山2500mに挑む。

鞍上は引き続き幸。これまで当日は中山の裏で行われる阪神競馬場でのレースに出走していた幸は、意外にも騎手デビュー27年目にして初の有馬騎乗となる。迎えたレースではやはり3・4コーナーから外を回って進出するが、上位人気5頭には離されアリストテレスと1/2馬身差の7着に終わった(なおパンサラッサは13着)。

年が明け5歳は大阪杯が目標。始動戦として本番前に3月の金鯱賞を挟んでからの阪神2000を目指す。エフフォーリアらも始動戦となる古馬混合GIの舞台で2022年はどのような走りを見せるか。

血統表

キズナ
2010 青鹿毛
ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo
1969 黒鹿毛
Wishing Well
1975 鹿毛
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao
1980 鹿毛
Burghclere
1977 鹿毛
*キャットクイル
Catequil
1990 鹿毛
Storm Cat
1983 黒鹿毛
Storm Bird
1978 鹿毛
Terlingua
1976 栗毛
Pacific Princess
1973 鹿毛
Damascus
1964 鹿毛
Fiji
1960 栗毛
ウアジェト
2008 黒鹿毛
FNo.3-j
*シンボリクリスエス
1999 黒鹿毛
Kris S.
1977 黒鹿毛
Roberto
1969 鹿毛
Sharp Queen
1965 鹿毛
Tee Kay
1991 黒鹿毛
Gold Meridian
1982 黒鹿毛
Tri Argo
1982 黒鹿毛
リーチトゥピース
2001 鹿毛
Mud Route
1994 栗毛
Strawberry Road
1979 鹿毛
Our Suzette
1986 栗毛
Waki Betty
1987 鹿毛
Miswaki
1978 栗毛
Auntie Betty
1981 黒鹿毛

クロス:Hail to Reason 5×5(6.25%)

  • 牝系を遡っていくと7代母の半兄に1950年代前半のアメリカの歴史的名馬・Tom Foolがいる。逆に言うと、牝系の活躍馬を見つけ出すためにはそのくらい遡らなければならない。

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関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • キズナ(競走馬)
  • ヨカヨカ
  • アカイトリノムスメ(馬名にアカがある競走馬の後輩)

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