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アグネスフライト

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きっと空を

僕は夢なんて見ない
あるのはただ確信だけだ

だから完璧に思えたプランが
崩れたとしても嘆かない
原因を究明して立て直し
次の機会にベストを尽くす
その姿勢こそが大切だ

そうこれは静かな戦いなのだ
僕にだって空を飛べると
立証するための戦いなのだ

JRA「名馬の肖像」アグネスフライト

アグネスフライトとは、1997年産の日本の元競走馬・種牡馬である。
実直な柴田政人にダービージョッキーへの片道切符を渡したのがウイニングチケットならば、ややもすれば地味なオッサン河内に華麗にダービージョッキーへ羽ばたく翼を与えたのはアグネスフライトであった。そう言える馬。

主な勝ち鞍
2000年:
東京優駿(GI)、京都新聞杯(GIII)

概要

父は言わずもがなの最強種牡馬サンデーサイレンス、母は5連勝で桜花賞を取ったかつての天才少女アグネスフローラという良血である。
アグネスフローラの母はオークス馬アグネスレディーであり、親子三代のクラシック制覇を期待されていた。

フローラの子に宿命付けられた体質や脚元の弱さを抱え、デビューは遅れに遅れた2000年の2月。しかしデビュー戦は快勝。
クラシックに間に合わせるために皐月賞トライアルの若葉ステークスに挑むが12着完敗。皐月賞は断念せざるを得なかった。
目標をダービーに切り替えるとオープンと重賞を連勝。素質の高さを見せ、大目標の日本ダービーへ。
直線、武豊のダービー三連覇をかけてキチガイエアシャカールが外から抜け出した更に外から襲いかかり、激しい叩き合いになったがわずかにハナ差差し切り勝利。
これで親子三代クラシック制覇達成となり、鞍上河内も三代の乗り役としてクラシック制覇かつダービー初制覇、2月デビュー馬のダービー初勝利といろいろとメモリアルな勝利となった。 
…しかし、この勝利は後にあんまりよくない意味で語られることになる。

秋はトライアルの神戸新聞杯を2着し、菊花賞ではエアシャカールに敗れ5着としジャパンカップに挑んだ。ここにはテイエムオペラオーが出走していた。
この年の古馬戦線はこの馬があんまりに強すぎていつも同じような展開でGⅠをぽこじゃか取っていたのでみんな飽きていた。ひどい話である。
ダービーというレースに時折現れる、鞍上をダービージョッキーにするための馬であった。
そこに新しい世代がオペラオーの牙城を崩すべく挑んできたのである。しかもダービー馬アグネスフライト、二冠馬エアシャカール、NHKマイルカップ馬イーグルカフェ、オークス馬シルクプリマドンナまで揃って来たのである。
こりゃ期待するなという方が無理であろう。せめて一頭くらいはオペラオーに肉薄し苦しめる!と期待されていたのだが…
アグネスフライトの13着が4歳(旧馬齢表記)最先着という残酷な結果に終わってしまった。外国馬も含めればレーヴドスカー(レーヴディソールの母さん)の7着だが、この子は牝馬である。/(^o^)\ナンテコッタイ
ちなみにこのレース、勝ち馬はもちろんテイエムオペラオーである。

その後が情けなかったこともあったがこのインパクトが大きすぎ、2000年クラシック世代は最弱世代というレッテルを貼られてしまった。
その後アグネスデジタルやエイシンプレストン、タップダンスシチーや適距離に戻ったイーグルカフェがGⅠを勝利し、少しは汚名を雪いだが、内国産馬があんまりだということは変わらなかった。
今でも1989年世代と2000年世代でどっちが弱いかは割と論争になる。筆者としてもどっちが弱いかは微妙と言わざるを得ない。外国産馬の活躍のぶん2000年の方が派手なのだが…
ついでに二冠馬のエアシャカールは古馬になった後善戦こそするがやっぱり勝てなかった。
そして、彼の三冠をすんでのところで防いだアグネスフライトは「最弱の三冠馬誕生を阻止したんだから、三冠の価値を守ったすごい馬だ」なんて皮肉めいた言われ方もするようになってしまった。

しかし、レース自体は河内のオッサンが弟弟子の武豊をねじ伏せて悲願を果たした名レースとして、ダービーの名勝負の一つに数えるファンも少なくはない。

話がそれたが、その後のアグネスフライトは年明けの京都記念で2着したが次走は10着惨敗。その後屈腱炎を発症し一年間休養。
現役を続行したが全くいいところなく引退。種牡馬入りしたが種牡馬としても弟アグネスタキオンに遠く及ばない成績しか残せず2011年種牡馬を引退。
その後は生まれ育った社台ファームに戻り、乗馬として若いホースマンの育成に携わりたくさんの乗り手を育成。
その役目も終えた後は社台ブルーグラスファームの功労馬厩舎に移り暮らしていたが2023年の年始に老衰からついに立ち上がれなくなり、1月11日に安楽死となったことが発表された。享年26歳。
ダービー勝った以外は弟に負けっぱなしと言われたこともあったが、寿命の長さはもちろん、乗馬として数多のホースマンをダービー馬のその背中で育てたという点で弟に劣らない存在となった、と言えるんじゃないだろうか。

血統表

*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
アグネスフローラ
1987 鹿毛
FNo.1-l
*ロイヤルスキー
1974 栗毛
Raja Baba Bold Ruler
Missy Baba
Coz o' Nijinsky Involvement
Gleam
アグネスレディー
1976 鹿毛
*リマンド Alcide
Admonish
イコマエイカン Sallymount
*ヘザーランズ

クロス:5代内アウトブリード

主な産駒

  • インザエア (2007年産 牡 母アラートディザイア 母父*リンドシェーバー)
    • 主な勝ち鞍 2010年ロータスクラウン賞(地方重賞)

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関連項目

  • エアシャカール
  • アグネスタキオン
  • サンデーサイレンス
  • オペックホース
  • 競馬
  • 競走馬の一覧

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