エンジェル・ハート(Angel Heart)とは、
- 北条司による漫画およびアニメ作品。『シティーハンター』のパラレルワールド。本項で記述
- 2015年10月期に日本テレビで放送開始予定の日曜ドラマ。1を原作に実写化
- 作曲:キッドP、作詞:残鏡P、編曲:クリスタルPによる鏡音リンのオリジナル曲。動画記事参照
概要
北条司の漫画作品の一つ。『週刊コミックバンチ』にて2001年の創刊号から2010年の休刊まで連載。その後は「エンジェル・ハート 2ndシーズン」とタイトルを変え、『月刊コミックゼノン』にて2010年の創刊号より連載中。
2005年~2006年に日本テレビ系列にてアニメ化。作画が一部非常に残念な事になっており、同じ話なのに顔がガラリと変わることも。DVDでもほとんど修正されていない(実際にはされているが修正済み箇所がよくわからないほど多い)。シティーハンターにも登場する人物は同じ声優が役を引き継ぐ。
2015年10月期には毎週日曜午後10時半より日本テレビ系列にて実写ドラマが放送予定。連続ドラマは北条作品でも初という。(なお実写に限ればシティーハンターの香港映画がすでに存在する)
あらすじ
台湾の闇社会でその名を馳せていたグラス・ハートこと香瑩は、自らの暗殺者という立場に徐々に精神的に追い詰められていき、飛び降り自殺を図る。
その結果彼女の心臓は鉄柵に貫かれたが、優秀な暗殺者である彼女を失うことを恐れたマフィア組織が槇村香の心臓を移植し一命を取り留める。
しかし、香の心臓を移植されたことにより彼女には大きな変化が訪れるのであった。
解説
『シティーハンター』の世界の数年~十数年後を舞台としたパラレル作品。主要キャラクターも設定が変わったり年齢を重ねてはいるものの、続けて登場している人物が多い。
物語冒頭でいきなり『シティーハンター』のヒロインである槇村香が死亡する(正確には死亡と判明する)という展開は『シティーハンター』の続編として作品を読み始めた読者に衝撃を与えた。このことに関して続編・後日談ではなく、パラレルワールドの話であるということが後に周知された。
キャラクター
メイン
- 香瑩(シャンイン) コードネーム:グラス・ハート
- アニメ:川崎真央、ドラマCD:高山みなみ、実写ドラマ:三吉彩花
- 本作の主人公&ヒロイン。元殺し屋で正道会の朱雀と言う暗殺部隊の一員であった。
初期の年齢は15歳。その後話が進み19歳に成長したらしい。
- 無表情に殺しを行っていたが実際は心が疲弊し、物語序盤にビルの屋上から柵に飛び降り自殺する。
- しかし組織の大ボスの父親(後述)が香の心臓の強奪・移植を命令した事で一命をとりとめる。
- 当初は心臓(香)の記憶に悩まされていたが、獠と出会い香の影響を受け入れ二人の義娘となる。
- 殺し屋の習性から、銃を向けられたりすると反射的に撃ってしまう可能性を孕んでいる。
- 現在は香に抑えられているが、当初はそれでシティーハンターの資格が無いと思い込んでいた。
- 後に獠に「誰かが抱き合っているのを見て泣けるお前は十分に資格ありだ」と言われ吹っ切れる。
- 物語初期は感情が薄く日本語もやや片言だったが、次第に明るく言葉も流ちょうになる。
- 香の心臓の影響か、ド派手を好む香の性格に近づいている(暗殺者としての性格と正反対)。
- 十八番の100tハンマーまで受け継ぐ。こちらは銃の腕もピカイチであり正に「歩く爆弾」である。
彼女自身は知らないが実父の弟より遺産があり、台湾の国家予算1年分くらいあるらしい。
ファルコン曰く「知られちゃいけない奴に知られたな」
- 原作での愛称は阿香(アシャン。シャンちゃんの意)。本名は李香瑩(リ シャンイン)。
- ドラマ版では最終話以外ではハンマーは使うことはなかった(ハンマー自体は登場している)
- 冴羽獠(さえば りょう)
- アニメ:神谷明、実写ドラマ:上川隆也
- 本作におけるもう一人の主人公。詳細は個別記事を参照。
設定はシティーハンター当時と大差ないが、腰痛持ちや老眼など年齢を感じさせる描写がある。
- もっこりも相変わらずで、肺活量は同年代と比べたら化け物並みらしい。
- 香瑩の意思と実父の頼みから彼女を義娘として預かり、「獠爸爸」(りょうパーパ)と呼ばれる。
- 銃の腕は衰えておらず気配を消した玄武の気配を感じとれる数少ない人物。
余談だがウェブサイトでは環境依存文字の問題で「冴羽りょう」とされることが非常に多い。
- 槇村香(まきむら かおり)
- アニメ:伊倉一恵、実写ドラマ:相武紗季
- シティーハンター時と違い名実共に獠の妻だが、開始時点で既に故人。享年28。
- 結婚式直前に少年をかばい事故死してしまったため、夫婦と知っているのはごく一部である。
移植用に摘出された心臓がマフィアに強奪され、香瑩に使われるところから物語は始まる。
『シティーハンター』時と違い職業は看護師で、獠との出会いも患者としてだった。
- 死者だが、香瑩の殺しの習性を抑えたりなど何気に物語に出張ってくる。
- 銃の腕はホントに悪い事になっている(シティーハンターの時は獠が銃に細工をしていた)。
- 和解後は香瑩に「香媽媽」(かおりマーマ)と呼ばれ、心臓は今も元気に動いている。
- 劉信宏(リュウ シンホン)
- アニメ:鈴木千尋、実写ドラマ:三浦翔平
- 正道会の青龍という戦闘部隊の一員であった。
- 幼い頃に香瑩と訓練を受けており、それ以来好意を抱いている。
- 最終試験で香瑩に首を斬られるも寸前で助かり生存、その後青龍に所属された。
- 戦闘技術は香瑩と同等であり、獠が遠くから撃った時も的確に場所を当てていた。
- その後、組織の大ボスより『青龍の劉 信宏』は射殺され、『ただの愛しい者を守りたい劉 信宏』としてキャッツアイでバイトしている。
- 実は組織の大ボスの弟(後述)を殺したのは彼である。
- ドラマ版では割と早くに組織を脱走してキャッツアイでバイトすることになる。ミキからは弟扱いされている
- ファルコン
- アニメ:玄田哲章、実写ドラマ:ブラザートム
- シティーハンターでは伊集院隼人という日本人だが、本作ではファルコンという名の黒人に変更。
海坊主という愛称や風貌、目、猫アレルギーなどの設定は両作品共通。
獠の同僚の傭兵だったが、彼を助ける時に失明し引退。現在はキャッツアイの店長をやっている。
- 引退したとはいえ腕は衰えておらず、獠と同様に気配を消した玄武の気配を感じ取っている。
- 後にストリートチルドレンのミキを引き取る事になる。
- 野上冴子(のがみ さえこ)
- アニメ:麻上洋子、実写ドラマ:高島礼子
- 新宿西警察所の署長(シティーハンター時は刑事で階級は警部補だった)。
本作では死んだ香同様、香瑩の生きた母替わりのような立場である。
- 30代後半(8巻時点で39歳)の独身故、年齢や生年月日を聞くとブチ切れるため禁句となっている。
- 本来は獠たちを捕まえる立場だが、シティーハンターと同様に味方である(ちなみに獠たちの罪状は殺人・銃刀法違反・公務執行妨害など即刻で死刑になるレベル)。
- ミキ
- アニメ:小山茉美、実写ドラマ:渡邉このみ
- シティーハンターの美樹に当たるキャラでアニメ声優も同じだが、設定は大きく異なる。
某国王の娘。ストリートチルドレンであったが、紆余曲折の末ファルコンに引き取られる。
- 当初はキャッツアイではなく元々いた場所に帰っていたが香との対話を得てキャッツアイに帰る事になる。
- ファルコンと一緒にいるため多少の荒事に対し耐性がついてしまった(流石に深夜バズーカやマシンガンを使う時にはファルコンが対策と称しヘッドホンを装着させている)。
- ドラマ版でもアニメ版とほぼ同じだが国王の娘かどうかは不明
- 陳(チン)
- アニメ:矢田耕司、実写ドラマ:未登場
- 正道会の大ボス直属の隠密部隊「玄武」の指揮官であり、大ボスの信頼も厚い侍従長。
青龍部隊壊滅後はキャッツアイの傍に玄武門という中華料理店を開き、香瑩を見守っている。
- 李堅強(リ ジィエンチャン)
- アニメ:有本欽隆、野島裕史(青年期)、ドラマCD:掛川裕彦、ドラマ:竜雷太
- 正道会の大ボスであり、香瑩の本当の父親である。
- 香瑩が朱雀にいる事に気づいたのはつい最近であり、ほぼ同時期に香瑩は自殺してしまった。
- 香の心臓を奪い移植した事は獠に謝罪している(獠はそれに対し思う事が無いようではある)。
- 実は親バカであり、香瑩が恋しているという情報が入った時には極秘来日したりしていた。
- 彼が父と知ってるのは獠、ファルコン、陳、信宏、香瑩の主治医のドックのみである(冴子は不明)。
- 実弟を撃ったのが信宏だと知っているが、恨むような描写は見られない。
- 一度獠の差し金で正体を隠し、香瑩と街を歩いたこともある(案内した場所は少々問題ありだが)。
- ドラマ版では李大人とだけ呼ばれて名前は出てこない。
- カメレオン
- アニメ:(未登場)
- 香瑩を執拗に狙う謎の殺し屋。カメレオンという通り名の通り男か女か不明。
- 「香瑩を殺せば香瑩と香を二人殺せる」という発言をした為、獠とファルコンという二人だけで軍隊を壊滅させる事が出来る二人を完全に敵に回してしまい殺されかけるもミキにより命拾いする
サブ
- 李謙徳(リ チィエンダァ)
- アニメ:有本欽隆(兄と二役)、野島健児(青年期、兄と同じ)
- 堅強の双子の弟。兄の為にあえて影武者をやり続けた。
- 双子だけあって似ている為、ほとんどの者は見抜けなかった。
- 獠とは飲み仲間であった(その為獠は堅強とも知り合いであった)。
- 最期は信宏に撃たれ、獠に謝罪し、死亡した(既に喋れないほど弱っておりモールス信号を使った)。
- ドラマ版ではおそらく出てこない
- 張(反逆者)
- アニメ:
- 信宏が謙徳を殺害したり、香瑩が朱雀に入る原因を作った人物。
- 青龍を使い、組織に反逆するも部隊は玄武により全滅。自身は獠に射殺された。
ドラマオリジナル
- カリート
- 演者:和泉崇司
- レギオンの暗殺部隊の隊長
- 最終話にてビルから落ちたが、生きていることがほのめかされている
- ホーリー
- 演者:山寺宏一
- オカマ3人組の一人。ナイチンゲールではない
- モッチー
- 演者:ゴリ
- オカマ3人組の一人。ナイチンゲールではない
- ロッコ
- 演者:戸塚純貴
- オカマ3人組の一人。ナイチンゲールではない
正道会(チェンダオフェイ)
台湾マフィア。トップは李堅強で、身分の高い人という意味の称号「大人」をつけて「李大人(リ タイジン)」、もしくは「大老(ターラオ)」と呼ばれることが多い。
4つの部隊に分かれており、部隊同士の交流は無い。
ドラマ版ではレギオンという別な組織になっており、部隊名も特に設定されていないもよう
朱雀
暗殺部隊であり、主に遠距離からの射撃をする部隊。香瑩がいた部隊でもある。
基本的に単独で動く。
青龍
戦闘部隊であり、主に強襲をかける。信宏がいた部隊でもある。
基本的に複数で動く。
張の裏切りにより玄武に壊滅させられた。その後は不明
読み方はチンロン
玄武
暗殺部隊であり、主に暗殺をする部隊。陳はこの部隊の長である。李大人直属の部隊でありもっとも信頼を得ている部隊でもある。
気配を消し、気付いた時には殺される寸前である。
諜報活動はしているか不明だが分かりやすく言うなら忍者である。
白虎
潜入を専門に行う部隊で一番生存率が低い部隊。信宏の知り合いがいた部隊。
相手の組織に侵入し、ある程度信頼を得たらその組織を潰す為に朱雀や青龍を手引きする。
信宏の知り合いはその組織のボスに『父親』を見てしまう。その組織は朱雀により壊滅し、その『父親』も死んでしまう(どちらにせよその人物はそう遠くは無い時期に病死するかもしれなかった)。
本来ならその信宏の知り合いは殺されるかもしれないのだが、何故か殺されずに済んでいる。
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関連項目
- 北条司
- シティーハンター
- 冴羽獠
- 漫画作品一覧
- アニメ作品一覧