ゲーム実況ランキング制圧騒動とは、クリエイター奨励プログラムに登録されている同一のゲームタイトルによりニコニコ動画ランキングの上位がほぼ埋め尽くされた事で、起こってしまった騒動である。
概要
動画の人気に応じてお金が支払われる仕組み(クリエイター奨励プログラム)に登録された特定のゲームソフトの動画により、ランキングの上位がほぼ埋め尽くされてしまった事に端を発する。
任天堂の『スーパーマリオメーカー』はクリエイター奨励プログラムで利用可能なタイトルであり、2015年9月10日に発売されて以降、同作品を利用した動画がランキング上位の多くを占めた。→マリオメーカー問題(当記事にリダイレクト済み)
具体的な状況の例として以下のリンクを参照。
2015年9月13日カテゴリ合算 総合ランキング(デイリー)
(発売3日後、100位以内の22本、20位以内の11本の動画がマリオメーカー関連のものとなった)
これに対して一部の利用者から問題提起をする動きが出て、騒動となった。
問題の中身
上記動画では、本件の問題と解決策を具体的に提示している。中身をまとめると
- 全実況者による同一ゲーム一斉投稿
これまではメーカー側への配慮という形で、新作ゲームの実況を控えてきたが、メーカー側の許可により、一気に同一タイトルの実況動画が上がってしまう形となった。同一ゲーム等によるランキング制圧は以前から起きていたが、これは誰かが実況したものを面白いと思い、じわじわと広がっていくというタイムラグがあるあることによって「なるべく他と被らないようにする」という工夫をしてきたが、新作が実況可能になることで、皆我先にとスピード重視で中身の無い動画になってしまい、「質の低い同タイトルゲーム動画の乱立によるランキング機能麻痺」が起こってしまっているのである。
- そもそも有名実況者の動画は他の人気動画と何が違うのか?
有名実況者と呼ばれる人達の動画を見に来る視聴者はゲームの内容や動画の面白さではなく”プレイしている実況者の一挙手一投足"を見に来ているのである。必然的に内容もファン向け動画になり、例えるなら”嵐のファンディスク動画がニコニコの総合ランキングを独占している”ような状態になってしまっている。
- 任天堂ゲームと人気実況者
これまでランキング制圧されてきた動画は、元がメルトやカゲプロだとしても、歌ってみたや、MMD、書いてみたや踊ってみたなどの多種多様な2次創作の作品で、「人気コンテンツを使った全く別のジャンルの動画」であった。しかし、今回の任天堂ゲームは実況者が「リアクション実況」をして、ファンがそのリアクションを楽しむための動画となっており、それらが総合ランキングを独占していることで、ファン以外のニコニコ住民から更に非難の声を集めてしまっている。
- 実況者のyoutube重視傾向
youtube特有のキャッチ画像に大きくカラフルで目立つフォントを使った「クソサムネ」をニコニコ動画内で使い始め、それが総合ランキングに並んでいる。例えるなら「HIKAKINのドアップサムネがランキングに並んでいる」ようなもの。これによりまた住民の不満が溜まっている。
- 原因は任天堂や運営ではなくゲーム実況者にある?
引き金は任天堂や運営の解禁であったが、このように質の低い動画や、ファン向け動画など、ニコニコにそぐわない動画を上げ続けた「実況者本人たちが個々の意思で行う行為」自体が原因となっている。「収入や数字と、自分に降りかかるマイナス要素」を秤にかけて動画を上げることを選択した本人たちの責任であるのではないか。
さらにこれにより起こるのが
- ランキング、ひいてはニコニコ動画そのものへの“飽き”を招く
いくら面白い実況動画があっても気づかれることすらないままとなる恐れが生じ、同じゲームしかランキングに載っていないので、ユーザーはニコニコ動画自体に飽きてしまう。
- 有名実況者の後追い・劣化コピーが増える
これから実況を始めようとする者やより人気を得たいと考える者は、ランキング等から既存の投稿者の手法を参考にすることがあるため、有名実況者と動画が酷似していれば舌が肥えているユーザー達には見向きもされなくなり、他の動画達に埋もれていってしまう。
- ランキング独占はこれからも続き得る
先んじてマリオカート、スプラトゥーンでも同一ゲームタイトルによって独占といかないまでも多くの動画がランキングに入る現象が見られた。そしてマリオメーカーでは先例よりもその傾向が強く、不満を持つユーザーも出てきた。
しかしながら任天堂に限らず、クリエイター奨励プログラムに登録されたゲームソフトはこれからも発売されていく。
したがって、現在ランキングを独占しているゲームの人気が低下したとしても、新たなゲームが代わって上位を独占するこの傾向が持続することが予想される。
解決策はあるのか?
上記sm27326468から
- クリエイター奨励プログラムを「親登録作品」のみ支払う形にし、プレミアム会員にユーザーチャンネル解説権利を開放する。
これにより、MMD素材などの動画素材や、各種ツールなど、価値のある偉業を成し遂げた人に収入が入る、本当のクリエイターを奨励プログラムとして機能するようになる。また、任天堂作品も有料チャンネル限定で動画に使えるようにすることで、実況者とそのファン達を隔離して活動させられる。ランキングも荒れなければ荒らしも来ない。クソサムネもファン以外の住民の目に止まらなくなり一石二鳥である。
- 私達ができること
少々強引ではあるが、今起きている問題をドワンゴ上層部は知らないという。そこでまずは、今ニコニコで大変なことが起きていると運営サイドに伝えることが大切である。動画内や掲示板で訴えても仕方ないので、正規の問い合わせフォームや管理職のSNS等に訴えるのが効果的だろう。
「問題ではない」、という反論
この問題提起に対しての反論の声もある。
- ランキング独占や商売目的の動画は以前から存在する
プログラム対象作品に限らず、ランキング制圧は2015年9月以前からも有り、他ジャンルの「MAD作品」や「ボーカロイド」「アニメ」「歌い手」といった人気ジャンルの動画も多くアップされており、総合・カテゴリ別を問わずランキングを独占する事象はあった。
またこれらの中には、発売日や通販サイトリンクを動画説明欄に記載するなど、実質的に商売目的の要素を兼ねる動画も多数存在した。→ランキング制圧
- 元来のゲーム実況がグレーゾーンである(クリエイター奨励プログラムによる合法性)
従来のニコニコ動画においてグレーゾーン(またはブラック)とされ得るゲーム実況が「クリエイター奨励プログラム」によって企業から認可を得ることができ、手続きを含めて合法であると認められている動画がランキングにあることはむしろ健全であり、逆に従来の許諾を正式に受けていないようなゲーム実況が蔓延する方が逆におかしいのではないか。
関連動画
ランキング表示において一連の批判動画や関係するゲームが邪魔だと思う人へ
スクリプトで機能を追加し自分で取捨選択する為の動画です。
- それでもランキングに不満がある場合は…
キーワード、タグ検索機能を利用してお好きな動画を探すと良いでしょう。マイナス検索などを併用すればより効率的に好みの動画を見つけられるかもしれません。
この件に関するデマ
- 任天堂が実況者にお金を支払っている・任天堂のステマだ
任天堂が出しているのは許可のみ。クリエイター奨励プログラムの原資はニコニコプレミアム会員収入の一部です。ニコニコ動画にこのような仕組みがあることは公開された情報であり、「ステルス」マーケティングとは言えない。
- ダークソウルはフロム・ソフトウェア公認のクリエイター奨励プログラム対象作品だ
ゲーム画面の動画・ライブ配信を禁止しており、フロム・ソフトウェアから運営に依頼があれば、権利者削除される。ただし、PS4などの本体付属機能を持つゲーム機等による動画投稿やニコニコ生放送等については、禁止されていない。
→フロム・ソフトウェア 著作物の使用に関するご質問
関連項目
- クリエイター奨励プログラム
- コンテンツツリー
- ランキング制圧