ディオスクリアとは、「アルドノア・ゼロ」に登場する架空の機動兵器である。
「ディオスクリア、見参!」
火星「ヴァース帝国」の37家門よりザーツバルム伯爵の専用カタクラフト。初登場は8話ラスト。
巨大な漆黒のボディと禍々しいフェイスデザインからラスボス臭を漂わせ、1クール中の「火星ドッキリメカ」シリーズ
(一部のファンの火星カタクラフト系の呼び名)の最後に登場する機体。
初登場するなり、大推力による飛行・変形能力やプラズマサーベル(抜刀)を披露。友人という設定であるはずのクルーテオ卿を「私のタルシスを――」と台詞を言い切る前に生死不明に追い込んだこともあり、視聴者から注目を集めた。
また、この機体は若き日のザーツバルムが15年前にも搭乗し、種子島へ侵攻している。このことからわかる通り、この機体は15年前から存在する。ヘブンズ・フォール時の破片により損傷後、ザーツバルムはスレインの父であるトロイヤード博士に命を救われたとされている。
11話で登場した際には本体機と無人機が飛行ユニットに搭乗して、地球軍のアレイオン部隊を圧倒している。
成層圏では本体機がデューカリオンを追撃し、ミサイルの斉射で大きな損傷を与え撃墜。
無人の子機はアレイオンの登場したライエ機と交戦。無人機ながら至近距離からの砲弾をすべて弾く。
12話で伊奈帆たちの前に立ち塞がる。そして増槽を切り離して、まさかの愛と悲しみの火星(アルドノア)合体!
(合体時間約1分)を披露する。勇者ロボットシリーズ(グレート系)ばりの変形合体により巨大ロボット化。
8話や9話で登場した姿はこの合体状態だったのである。
さらに、これまで伊奈帆たちが戦ってきたカタクラフトの特殊機能(システム)をすべて備えているのだが……?
主人公である冷静沈着な伊奈帆を何度となく驚かせ、(中盤まで)圧倒した機体。
武装使用時に音声入力が必要かは不明である(特に喋らずに使用しているときもある)。
暗号解析機能もあるらしく、伊奈帆たちの通信を傍受している。
武装「アルドノアの輝きを!」
- ビームサーベル(あるいはプラズマ・サーベル/ソード)
やはりフィールド(プラズマ)ジェネレーターの始動・ブレードフィールド展開を経て「抜刀……!」の掛け声とともに起動させるプラズマの剣。合体状態でのみ、無人機のパーツから使用可能。掌から発生させる。無人の子機も使用する。
アルギュレとほぼ同じシステムであると思われるが、椀部から出力するという違いがシステムの大型による弊害か、小型化できなかった結果なのか不明である。刀身の太さや長さはアルギュレ以上と思われる。
アルギュレのように別パーツ(グリップ化)していないため、再チャージは必要ない可能性もある(連続使用時間に限界はあるかもしれない)。
これに限っていえば特に大きな欠点らしい欠点はないと思われる。強いて挙げれば眷属が使えないということと、手持ち武器ではないため、恐らく細かい取り回しができないこと(砲弾の切り払いのような細かい動作)
- ロケットパンチ
こちらもやはり「飛べ、我が(拳)眷属よ!」の掛け声とともに腕部を射出する。分子構造を強化した拳と強力なロケット推進により、アレイオン程度であれば容易く破壊できる。合体時のみ、無人機のパーツを使用することで使用できる。機体本体まで分子構造を強化できるか不明(できるならやってたという突っ込みも)。
恐らくロケットパンチ中は抜刀(サーベル)使用不能。
さらに推進器(噴炎?)が次元バリアと干渉するため、射出時はバリア解除が必須。そして、推進器は装甲も施されていないため脆い。推測だが、こちらも指を可動させる場合も分子構造も戻ると思われる。この上に、遠隔操作するためのアンテナ部が次元バリアで覆われない(覆うと送受信の電波を遮断してしまう)ため、次元バリア展開中の弱点にもなっている。バリア展開時にもこのアンテナが存在する装甲部位だけはっきりと見えてしまうので、バリアシステムの詳細を把握している相手には非常に不利になる。
アンテナ部を破壊されると、射手中の腕部は墜落するだけでなく、使用自体が不能となる。
この眷属を失うと抜刀も使用不能であり、このシステムに構造上の弱点が集中しているため、この多機能の中でかなり問題になっている。
- ミサイル
本体である親機と呼べる機体が主翼に内蔵。一度の出撃で複数回の一斉射を行っている。
1発でもアレイオンに大きな損傷を与え、たった一度の一斉射によりアレイオン部隊(ロシア基地の防衛戦力)の半分が失われている。
合体時は主翼が脚部パーツに変形するため、使用できない可能性がある。
斉射のときにこの武装まで「我が眷属よ!」と言っているが、射出武装すべてがこの扱いなのかは不明。
- 次元バリア
驚異の火星技術である、ニロケラスが搭載していたバリアシステム。やはり外部カメラがないと視界が確保できない。展開状態のまま、椀を振るってアレイオンを薙ぎ払っているシーンもある。
機体が沈下防止で足などの接地(接触面)面へのバリア展開を止めるようにオート(自動)で機能しているため、背中から倒れ込むとボディ全体が解除されるようである。
- 機銃
飛行ユニットに装備されている機銃。アレイオンを破壊できる威力がある。詳細は不明なため、機銃ではなく、スカイキャリアーと同じ榴弾砲の可能性もある。
多機能であるが故の欠点
前述の通り、弱点だらけであるため視聴者から総突っ込みの荒らしとなった。
この機体が一種の「良いとこ取り」の機体であったのか、「すべての機能を詰め込んだ原型機(ニロケラスやヘラス、アルギュレは派生機説)」であるかは、詳細な設定が明かされていないため不明。
伊奈帆は合体終了直後(名乗る前に)に射撃しているが、ヘラスの拳の分子構造の強化の欠点がそのまま受け継がれているなら、合体直前のパーツはもちろん合体中・終了までが完全無防備という可能性もある。
つまり飛行形態への変形前後も……。
この当記事の解説も半ば弱点考察・解説の方が多い。
結果的に合体パーツの多くを破壊されたため、本体機のみで伊奈帆のスレイプニールと交戦。
戦闘でザーツバルム自身も負傷しながら、犠牲を問わないとはいえ「憎しみの連鎖を断つ」という目的を吐露する。
直後、アセイラム姫がアルドノアドライブを停止させたため、機体は機能停止に追い込まれている。
その後、この機体がどうなったかは不明である。
余談
- ロケットパンチ、バリア、サーベル(近接武器)、と武装だけでも某勇者王などを思い浮かべる人も少なくない(機体デザイン・シルエットも勇者ロボット以外で思い当るものも)。
- 由来は紀元前6~7世紀ごろにギリシア人がコルキス王国(現・グルジア)に最初に築いた植民都市からではないかとされている。
- また、友人(設定)であるクルーテオの愛機「タルシス」の由来とも関連がある。
「箱舟伝説」におけるノアの子孫「タルシス」の子孫8人は複数の種族に分かれたが、その種族たちがコルキス王国と交易を行った植民都市の一つが「ディオスクリア」とされているようである。
- ↑上記について。正確には「タルシス」は「タルシュシュ(Tarshish)」。ノアの子孫の中にこの名前がに存在し、聖書では「世界の西の果てにある土地」交易都市の名として登場するとのこと。また、火星のタルシス平原(台地)/山脈の由来となっている。また諸説あるのか、「精錬所」という意味もあるらしい)。
- ※完全に脱線してしまうが、火星タルシス山脈には太陽系最大といわれる「オリンポス山(火山)」があり、火星の様々な地域が「タルシス」の火山活動の影響を受けているともいわれている。さらに、そのタルシスの重さは火星の自転にまで影響を及ぼしているらしく、火星でも重要な地域でもある(らしい。初版記事作成者の知識・簡単な検索による調べから)。
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関連項目
- アルドノア・ゼロ
- ザーツバルム
- 待たれよ
- クルーテオ
- アゾット剣(ビーム)