ドラゴンクエストVI 単語


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ドラゴンクエストVI 幻の大地』とは、エニックス(現・スクウェアエニックス)がスーパーファミコン向けに1995に発売したゲームソフト。略称はドラクエ6、DQ6。
『ドラゴンクエスト』シリーズの本編第6作目。

概要

DQ4、DQ5から続く「天空三部作」の一つ。

ファンの間では天空シリーズの最古の物語であると認識されており、「ゼニスの城がDQ4、5に登場した天空城とほぼ同じ」「主人公の専用武具が天空の武具と同一のデザイン」「EDにおけるゼニス城の顛末」など過去作の最古であると連想させる描写が随所に見られる。長い間公式な発表は控えられていたが、DSリメイク版にて「DQ4」は近い未来、「DQ5」は遠い未来に当たるものとされ、時系列から天空シリーズ最古の物語である事が証明された。

システム面ではDQ3以来の転職システムが復活した。詳細は後述。

ストーリー面では夢の世界と現実の世界を行き来するというもの。現実と夢の世界を行き来し、最終的には「自分探し」の旅に発展するなど独自の作風である。その複雑な世界構成のためか前作まであった昼夜の流れは廃止された。

長らくの間リメイク作品は存在しなかったが、2007年夏にニンテンドーDSでのリメイク決定がアナウンスされた。以降発売日は長い間未定だったが、週間少年ジャンプ2009年第42号にてついに情報が公開された。2010年1月28日に発売された。

転職システム

DQ3にのみ登場していた転職システムと、転職を行う「ダーマ神殿」が久しぶりに登場。
ただしそのシステムはDQ3のそれとは全くの別物と言っていいほど変わっており、FF5のジョブチェンジシステムに近い。

DQ3における転職は職業ごとにキャラが固定されており、転職すると以前の覚えた呪文と能力値を引き継いだだけの全く新しいキャラクターをLv1から育てなおすシステムであった。
しかし本作ではキャラクターのレベルと職業のレベルが別に用意されており、転職をしてもキャラクターのLvはそのままで変わらないし、装備できる武具の種類も変わらない。職業はキャラクターに対してステータス補正や特殊能力、覚える特技などを後付けするだけに留まっている。

職業は主に「基本職」「上級職」「モンスター職」の3種に分類される。
基本職は誰でも無条件で就く事の出来る職業で、文字通り基礎的な特技を覚えて行く傾向が高い。
上級職は特定の職業を極める事が条件になっている職業で、発展的な特技を覚えたり、より強いステータス補正や特殊能力を持っている事が多い。
モンスター職は「○○のさとり」と言うアイテムを持っているキャラクターのみなれる特殊な職業。転職すると「さとり」アイテムは消えるため、「さとり」がある数だけしか転職させられない。

先述の通り、経験値を積んでレベルアップするキャラクター自体のレベルとは別に職業のレベルが存在する。最大Lv8であり、Lv8になるとその職業を極めた事になる。
職業レベルごとに何回戦闘を行えばレベルアップするのかが定められている。経験値量に関係なく純粋に戦闘の回数のみでカウントするが、キャラクターのレベルに対してモンスターのレベルが低すぎる地域ではいくら戦ってもカウントされない。

職業のレベルを上げるとそれに応じて呪文や特技を覚える。一度覚えた呪文・特技はその後如何なる職に転職しようとも忘れる事は無く、いつでも使える。従って全ての職業を極めていけば、職業によっては覚えられないごく一部の特技を除いて全ての特技をコンプリートする事が可能。

職業によって、職の特徴を反映する形でステータスに補正がかかる。 
よく「HPを重点的に伸ばすためには戦士の状態でキャラのレベルを上げないといけないんですか」などと言う質問があるが、どの職業の状態でレベルを上げても最終的なステータスは変わらない。全て基準となる無職の状態のステータスで計算し、職業補正は最後にかかっているだけである。種や木の実などによる上昇についても同じ。

また職業によって、呪文や特技以外に特殊な能力を持っている事がある。
これはその職業に就いている間のみ有効で、違う職業に転職すると失われる。引き継ぐ事は出来ない。

基本職 上級職
戦士 剣技を中心に覚える。
力・HPが非常に高いが素早さは低い。
バトルマスター 戦士と武闘家を極めるとなれる。
剣技・格闘技の強力な技を覚え、
相手の攻撃を打ち払って無効化する事がある。
HPや力が非常に高い。
武闘家 格闘技を中心に覚える。
力やHPは戦士に及ばないが
素早さが高い。
魔法戦士 戦士と魔法使いを極めるとなれる。
呪文を織り込んだ剣技の他、一部特殊な
呪文を覚える事が出来る。
僧侶 回復呪文を多く覚える。
そこそこのHPとそこそこのMPを持つ。
パラディン 武闘家と僧侶を極めるとなれる。
自己犠牲で他人を守る特技、聖なる力で
攻撃する特技を覚える。
また攻撃時に一撃で相手を倒す事がある。
魔法使い 攻撃呪文を多く覚える。
かしこさ・MPは高いが力・HPなどが
大幅に下がる。
賢者 僧侶と魔法使いを極めるとなれる。
強力な上級呪文を数多く覚える他、MPが非常に高く
さらに呪文の消費MPも下がってゆく。
踊り子 踊りを覚える。
ステータスは全体的に低めだが
素早さとかっこよさは高め。
スーパースター 踊り子と遊び人を極めるとなれる。
踊りスキルや派手なスキルを覚える。
かっこよさが非常に高い他、戦闘中に敵が見惚れて
攻撃してこない事がある
盗賊 探索に役立つスキルを多く覚える。
素早さが高く、敵からアイテムを
盗む事もある。
レンジャー 盗賊と商人と魔物使いの3つを極めるとなれる。
自然の力を生かしたスキルなどを覚える他、
敵から逃げるのが成功しやすくなる。
なお、魔物使いの上級職ではあるが、
魔物を仲間にする事は出来ない。
商人 アイテムに関する特技を覚える。
戦闘終了時に少し余分にゴールドが
手に入るようになる。
魔物使い モンスターを仲間にする事が出来る。
火炎の息などモンスターに
似たような特技を覚える。
勇者 主人公はバトルマスター・賢者・スーパースター・
レンジャーのいずれか1つを、それ以外のキャラは
この4つを全て極めるとなれる。
勇者専用の強力な特技を覚えて行く他、
戦闘中にHPが自動的に回復してゆく。
遊び人 ステータスは低く、戦闘中勝手に
行動する事もある。覚える特技は
補助系のものの他は遊び。
モンスター職
ドラゴン 「ドラゴンのさとり」を持っているキャラのみなれる。
ドラゴンらしくブレス系の特技を覚えて行く他、敵との遭遇時に敵が驚いて隙を見せる事がある。
また力やHPが非常に高い。
はぐれメタル 「はぐれのさとり」を持っているキャラのみなれる。
HPが極端に低下するが、みのまもりと素早さが桁違いに高くなる。また極めるとモンスターのはぐれメタル同様、
殆ど全ての呪文・特技による攻撃を受け付けなくなる。
隠し要素的職業であるためか、本来なら特定のキャラしか覚えない特技を覚えられる。

 

ファン による評価

シリーズにおいても賛否が分かれることがある作品である。

その一つは、転職システムの自由度が高い事である。
それまで、DQシリーズのキャラクターは装備可能な武具、ステータス、呪文や特技によって差別化が計られていたが、このうち呪文や特技を自由に覚える事が出来るようになってしまった事で、キャラクターの個性が減ってしまった、何でも出来る万能キャラばかりになってしまう、と言う点を問題視する意見もある。
しかし、例えばHPや力に大きく偏るハッサンを後衛支援として育てると、ステータスの噛み合わなさからミレーユやバーバラを後衛支援として育てる場合に比べて難易度はかなり上がるため、単に選択の余地が無かった従来に茨の道と言うわき道が追加されただけである、キャラの個性は十分に残っている…とする反対意見もある。また、通常プレイでゲームをクリアする分には、全てのキャラが全ての職を極めてしまう程レベルが上がる事はまず無いため、ゲーム本編が万能キャラによって面白くなくなってしまうことはまず無いという見方もある。

DQ6はシリーズでもかなり人間キャラクターが仲間になり、パーティメンバー数が多い作品で、一人一人が主人公に近い扱いを受けていたDQ4に比べると個人個人のストーリー量も少なめの為、キャラクターそれぞれに感情移入が出来るか出来ないかで大きく印象が変わってくる作品である。

もちろん、装備やステータスでも十分差別化は計られているし、主人公的に重いストーリーを担うキャラクターばかりでなく、主役脇役とバランスの取れた個性派ぞろい、とメンバーを評する声もあるので、本当にこれは人それぞれといえるだろう。そこまで嫌われる奴も、酷い性能の奴も居ない……自称世界最強の剣豪は兎も角として。

ストーリー面においては、前半のムドー戦までの盛り上がりが強く、「夢と現実の世界を行き来して、因縁の魔王を倒す」と言う至極王道ストーリーなのだが、ムドーを倒すと取りあえずほぼすべての因縁に決着がついてしまうと言うストーリーの特徴を欠点として指摘する人もいる。
ムドー戦後はダーマ神殿が復活による転職システム、モンスター仲間システム等が追加され、実はここからが本番と言う意味での仕切りなおしなのだが、それまでの十分王道展開に燃えていたプレイヤーの中にはちょっと肩透し感を食らう人も少なくなかったようだ。(むしろ真ムドーが強くて完全燃焼しすぎてしまったプレイヤーが後を絶たないとも。)

登場人物

  • 主人公
    ライフコッドに住む少年。ターニアという妹がいる。コミックス版では「ボッツ」と言う名前。グラフィック上は剣を背負っているが、コミック版ではこれは「鋼鉄の剣」で、当初は重くて扱いこなせなかった。
    全キャラクター中唯一、特殊な職業「勇者」になる条件が緩い。また、ライデインをイベント習得した初めての主人公であり、序盤でルカニを覚えるなど歴代主人公でも意外と珍しい特徴を持つ。
    また本作からNPCとの会話を記録しておけるシステムが実装されているが、主人公特有の特技である「おぼえる」が「おもいだす」と言う形で実装されている。
  • ハッサン
    旅の武闘家。レイドック城の兵士に志願する。肉体を駆使して戦う武闘家系の特技を習得する。
    どういう訳か大工仕事が非常に得意であるが、本人は大工と聞くと嫌な顔をする。
  • ミレーユ
    グランマーズの館に住む女性。すれ違う男性が皆思わず振り返ってしまうほどの美人。
    「上の世界」からやって来た、姿が見えない人を見る事が出来、「下の世界」で姿が見えない主人公とハッサンを助けた。主人公やハッサンより先に実体を取り戻している。
    回復呪文やスカラなどを習得するが、ヒャドやイオなどの攻撃呪文も習得する。
  • バーバラ
    鏡の塔に迷い込んだ少女。主人公らと同じく姿が見えない存在だったが、主人公達に助けられる。
    力や体力はあまりないが、豊富なMPで攻撃呪文を使いこなす。
    何故鏡の塔にいたのか、何故姿が見えない状態なのかの記憶が殆ど無い。
  • チャモロ
    神の僕と言うゲント族の長老の孫であり、自身も力の強い僧侶である。
    ミレーユと同じく後方支援系キャラクターであるが、覚える呪文は純粋に僧侶的なものばかりである。
    しかし男性であるからかミレーユより力などは少し高い。なぜかスライム系の防具を装備できる。
  • テリー
    最強の剣を求めるさすらいの剣士。「青い閃光」の異名を持ち、圧倒的な実力でモンスターを打ち負かして行く。
    最強の剣に対する答えとしてラミアスの剣を探しており、そのために当初は主人公達と敵対する。
    剣を執拗に求めるのには何か過去に関する理由があるようだが…。
    なお仲間になった際には、最初から「戦士」をマスターした上で「バトルマスター」に就いている。(スーパーファミコンでは武闘家は何故か未経験)
    ストーリー的には強力なライバルキャラクターとして何度もパーティーと対立するのだが、いざ仲間になってみたらマスター職業が上記の通りで、パーティの一軍からすると見劣りしてしまうケースも少なくなかったが、リメイクでは多少強化された。しかして総合すれば中々の人気者で、外伝の主人公にもなった。
  • アモス
    かつてある村に現れた魔物を退治した戦士。だが実はその際…。
    人間キャラだが、ストーリー本筋に絡むキャラではないため仲間にせずに進める事も可能。最悪の場合、仲間になる前に失踪してしまうことも。
    一般兵士と同じ外見と言う、大変地味な人。その普通っぷりが微妙に人気。
  • ドランゴ
    テリーに討伐されたバトルレックスと言うドラゴン。後に仲間に加えることが出来る。モンスター職「ドラゴン」に最初からなっている。
    当然だが、後に出現する一般モンスターのバトルレックスは仲間にならない。ドランゴだけである。
  • ムドー
    世界で悪名をとどろかす魔王。ある事情によって複数回戦う。ムドー戦は前半戦の要とも言えるシーンなのだが、あまりにこのシーンが盛り上がる為、彼がラスボス等と呼ばれる事も。 なお、最終戦のムドー(真ムドー)はかなり強力なボスであり、中には何度も煮え湯を飲まされたプレイヤーも。

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関連項目

  • ドラゴンクエスト
  • ドラゴンモエスト
  • ドランゴ引換券
  • キラーマシン2
  • キラーマジンガ
  • デスタムーア
  • ジャミラス
  • デュラン(ドラゴンクエスト)
  • ダークドレアム

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