メーデイア 単語


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メーデイア

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曖昧さ回避
  1. ギリシア神話の登場人物。コルキスの王女。メディアとも。
  2. 1を主役とするエウリピデス作のギリシア悲劇。『王女メディア』。
  3. 1を馬名の由来とする日本の競走馬。本項で記述。

メーデイアMedeia)とは、2008年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牝馬。

ダートの牝馬限定重賞で無敗を誇り、JBCレディスクラシックを単勝元返しで制した、キングヘイロー産駒のダート牝馬代表。

主な勝ち鞍
2013年:JBCレディスクラシック(JpnⅠ)レディスプレリュード(JpnⅡ)TCK女王盃(JpnⅢ)マリーンカップ(JpnⅢ)スパーキングレディーカップ(JpnⅢ)
2014年:TCK女王盃(JpnⅢ)

概要

父キングヘイロー、母*ウィッチフルシンキング、母父Lord Avieという血統。
父は1998年クラシック世代で、11度目のGⅠ挑戦で高松宮記念を勝った不屈の超良血馬。種牡馬としても謎と言われた自身の適性同様に幅広い産駒を送り出し、地方ダートでもキタサンミカヅキ、クインオブクイン、オオエライジン、ギガキングなどの活躍馬を送り出した。
母はアメリカからの輸入繁殖牝馬。G1勝ちこそないが重賞4勝など28戦12勝の実績を残した。
母父ロードエイヴィーはアメリカで2歳G1を2勝と3歳G1フロリダダービーを勝った馬。種牡馬としてはG1馬を3頭送り出した。

2008年5月11日、社台系の追分ファームで誕生。オーナーは一口馬主クラブの社台レースホース。募集価格は1口35万円×40口(=1400万円)と社台RHの馬としては格安であった。

馬名意味は上述の通り、「ギリシャ神話に登場する王女」。父キングヘイローからの連想か。

砂の王女

3歳~4歳

デビューまでは時間がかかり、栗東・笹田和秀厩舎に入厩したのが2歳の12月。ゲート試験に落ちたり、合格したと思ったらまた放牧に出されたりで、ようやくデビューにこぎつけたのはもう新馬戦も終わってしまった3歳の4月。2011年4月10日、阪神の牝馬限定・ダート1200mの未勝利戦だった(鞍上は藤岡佑介)。しかも内容は出遅れでそのまま最後方に置いて行かれ、走るフォームもバラバラ。結果は勝ち馬から4.6秒差タイムオーバーのぶっちぎり最下位。

デビューが遅かった上にデビュー戦がこれでは厳しいと言わざるを得ない。さらに筋肉痛だの何だのと続き、当時の一口出資者のブログを見ても「ダメだこりゃ」という絶望感しかない感じであった。

ところがタイムオーバーでレースに出られないので放牧に出され、戻ってくると一変。調教で好時計を連発し、川須栄彦と迎えた8月27日の小倉ダート1700mの未勝利戦(牝馬限定)は3着。敗れはしたものの最後の望みとなるスーパー未勝利戦への出走権を確保すると、9月19日の阪神・ダート1800mの未勝利戦(牝)を2番手先行から5馬身差で快勝。中央残留の権利をゲットする。

11月の新潟・ダート1800m・牝の500万下は単勝1.9倍の1番人気に支持されたが、ちぐはぐなレースになってしまい2着に敗れ、放牧に出されて3歳は終了となる。

明けて4歳、2月の阪神・ダート1800m・牝の500万下で復帰し、ミルコ・デムーロを迎えたここは逃げて6馬身差の圧勝、2勝目を挙げる。続いて中1週で同条件の1000万下に挑むも5着。

5月には京都・芝2000m・牝の御室特別(1000万下)で、浜中俊を鞍上に芝初挑戦し、逃げて粘ったものの3着。降級となり、次走も阪神・芝1800m・牝の500万下に川田将雅と挑んだが、直線で進路をなくしてしまい2着。

中1週でダートに戻り、鞍上も浜中に戻って初めての混合戦となる阪神・ダート1800mの500万下では4コーナーで先頭に立つとあとは突き放す一方で8馬身差の圧勝。1000万下に復帰する。以降は引退まで基本的に浜中が主戦となった。

しかしこの後放牧中に球節の捻挫、蟻洞とアクシデントが重なり、結局半年休むことになってしまった。

復帰戦となる12月の阪神・ダート1800mの1000万下は+18kgながら、逃げて楽勝。準OPに昇格して4歳シーズンを終えた。

5歳~6歳

明けて5歳初戦は京都・ダート1800mの初夢S(1600万下)。落鉄しながらも4コーナーで先頭に立ったが、4番人気タカオノボルにかわされて2着。

牡馬相手に準OPでも勝ち負けになることも示し、重賞初挑戦となるTCK女王盃(JpnⅢ)へ。賞金的に中央出走枠に入れるか微妙なところだったが無事に選出され、前走クイーン賞を勝っているレッドクラウディアに次ぐ2番人気に支持される。
レースはそのレッドクラウディアが逃げるのをスムーズに3番手で追い、3コーナーでもう捕まえると、直線ではあとは後続を突き放す一方で5馬身差の圧勝で重賞初制覇を飾る。ちなみに浜中騎手はこれが意外にも大井初騎乗だったとか。

蹄の不安でエンプレス杯は回避。そのエンプレス杯はJBCレディスクラシック連覇の女王ミラクルレジェンドが引退の花道を飾り、メーデイアは女王去りし後の牝馬ダート戦線に君臨することになる。

続いては4月のマリーンカップ(JpnⅢ)。なにげに初めてのマイル戦だが1.7倍の圧倒的1番人気に支持されると、ここも逃げ馬を行かせてスムーズに3番手につけると、3コーナーで余裕の手応えで捕まえると、不良馬場もものともせず、直線を悠々と押し切って3馬身差という着差以上の楽勝。

このあとは7月まで牝馬限定ダート重賞がないということもあり、なんとヴィクトリアマイル(GⅠ)に参戦。主戦の浜中騎手もここはさすがに2番人気ハナズゴールを優先したため横山典弘がテン乗りとなった。レースは先行したものの、直線で馬群に呑まれて最下位17着。流石にプロヴィナージュのようにはいかなかったが、勝ち馬とは1.0秒差であり、着順ほどの惨敗ではなかった。

気を取り直してダートに戻り、7月のスパーキングレディーカップ(JpnⅢ)へ。浜中騎手が戻り、1.4倍の1番人気。斤量52kgの3歳馬サマリーズが逃げるのを2番手で見ながら進め、直線で捕まえると食らいつくサマリーズを余裕で押し切って完勝。

一休みを挟んで10月のレディスプレリュード(JpnⅡ)ではさらにオッズが下がって1.2倍。2番手で進めて3コーナー前でもう先頭に立つと、後続を引き連れて余裕の押し切り。着差は1馬身差でも、映像で見ている分には永遠に詰まりそうにない、明らかな力の差を感じさせる1馬身差であった。

というわけで迎えたJBCレディスクラシック(JpnⅠ)。正式にJpnⅠ格付けされて最初の開催だったが、もう完全なメーデイア一強ムードであった。相手関係はほとんど勝負付けが済んだ面々で、初顔合わせは1200mから距離延長のキモンレッドぐらい。不安要素があるとすれば初体験となる金沢の1500mという条件ぐらいである。結果、なんと単勝1.0倍。スマートファルコンの2011年東京大賞典以来となるGⅠ級での単勝元返しとなった。
そしてレースは1コーナーで2番手につけた時点で浜中騎手は勝利を確信。4コーナーで逃げるトシキャンディを捕まえると、あとはいつも通りの横綱相撲。浜中騎手も「後ろから差されることは考えていませんでした」と語る余裕しゃくしゃくの3馬身差押し切り勝ちであった。
浜中騎手はこの年のフェブラリーS(グレープブランデー)に続いてGⅠ級通算3勝目、地方では初制覇。メーデイアの父キングヘイローが所属した坂口正大厩舎は浜中騎手のデビュー時の所属厩舎であり、浜中騎手は「坂口先生の馬でGIを勝つことはできませんでしたが、先生が管理していた馬の産駒でGIを勝つことができて、少しは恩返しができたかなと思います」と語った。

クラブ馬なので6歳春で自動引退となることもあり、もう牝馬ダート戦線ではほぼやることがなくなったメーデイア。12月のクイーン賞はハンデ戦なので斤量が……ということもあり、ジャパンカップダート(GⅠ)に参戦することになった。浜中騎手も続投したものの、レース創設以来一度も馬券に絡んでいない牝馬ということで74.8倍の13番人気。
レースは内の好位で先行したものの、早くから浜中騎手の手が動く展開となって直線で伸びず10着。牝馬戦線では無敵のメーデイアだったが、牡馬の壁は高かった。牝馬がダートGⅠ級で戦うことの厳しさを示す結果となった。

6歳は根岸SからフェブラリーSという話もあったが、JCDの結果を受けてTCK女王盃をラストランとすることに。1歳下の新鋭ワイルドフラッパーの参戦でオッズはJBCレディスクラシックより高い1.4倍となったが、逃げるワイルドフラッパーを2番手で追い、そのまま2頭のマッチレースになったが、直線では女王の貫禄を見せて悠々と振り切り2馬身半差で完勝。引退の花道をきっちりと飾ってみせた。

通算19戦10勝、牝馬限定の交流重賞は6戦6勝。タイムオーバーでの最下位デビューから牝馬ダート戦線の無敵の女王へと駆け上がった、砂被りの王女のシンデレラストーリーであった。
そして彼女が阻まれた牡馬の壁は、2015年、彼女の引退と入れ替わるように台頭したサンビスタが打ち破ることになる。

引退後

引退後は故郷の追分ファームで繁殖入り。2018年生まれの2番仔ディクテオン(父キングカメハメハ)が去勢されてしまったもののオープンまで勝ち上がり、2023年の浦和記念(JpnⅡ)を制覇。見事重賞馬の母となった。

母父キングヘイローが注目を集める昨今、カワカミプリンセスに次ぐキングヘイロー産駒牝馬の代表格として子供たちのさらなる活躍に期待したい。

血統表

キングヘイロー
1995 鹿毛
*ダンシングブレーヴ
1983 鹿毛
Lyphard Northern Dancer
Goofed
Navajo Princess Drone
Olmec
*グッバイヘイロー
1985 栗毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Pound Foolish Sir Ivor
Squander
*ウィッチフルシンキング
1994 鹿毛
FNo.2-b
Lord Avie
1978 鹿毛
Lord Gaylord Sir Gaylord
Miss Glamour Gal
Avie Gallant Man
Evilone
Halloween Joy
1987 鹿毛
Exuberant What a Pleasure
Out in the Cold
Halloween Wardlaw
Ask for the Moon

クロス:Sir Gaylord 5×5×4(12.50%)、Turn-to 5×5(6.25%)

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関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2011年クラシック世代
  • キングヘイロー
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