ヤシガニ(甲殻類) 単語


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ヤシガニコウカクルイ

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ヤシガニ(椰子蟹、Birgus latro)とは、軟甲綱十脚目オカヤドカリ科に分類される甲殻類である。本種のみでヤシガニ属を構成する。

概要

巨大なハサミが目を引く甲殻類。

陸上で生活をする節足動物の中では最も大きく、体長30~40センチで脚を広げると1メートル以上にもなり、体重は1〜4kgほど。世界最大の無脊椎動物でもある。

インド洋や太平洋の広い地域にわたって生息しており、日本では沖縄諸島や八重山諸島、宮古島などで見られる。

アダンが生えた海辺の岩場などを巣にしていることが多い。

蟹ではなくヤドカリの仲間。

海で生まれるが水は苦手で、成体は長時間水中にいると溺れてしまう。

夜行性。

冬は冬眠を行う。

見た目に反しとても素早い。前後左右、縦横無尽に動き回る。

成長は遅く、脱皮を繰り返しながら成体になる。このこともあり寿命は長く、織田信長くらい生きる。

雑食で、虫やネズミ、ヤドカリなどの甲殻類、果物、動物の死骸、人間が出した生ごみなど何でも食べる。名前に「ヤシ」と付いているが、ヤシの実を主食にしているわけではない。

両手の大きなハサミは堅い木の実も簡単に砕く。人間の指などひとたまりもない。特殊な構造をしているため研究対象となっている。

沖縄では食用とされているが、沖縄の中でも一般的な食材ではない。味は食性に左右される。好物であるアダンの実で育った個体の身は食感も味も蟹によく似ており、濃厚な旨みと甘みがある。腹部に詰まった黄色いミソも、濃厚かつ風味豊か。ただし、個体によっては体内に毒をため込んでいることもあり、運悪くそういった個体を食した場合は嘔吐や下痢、手足のしびれに悩まされることも。死者が出た例もある。沖縄では、毒を持ったヤシガニは茹でても赤くならないという俗説があり、料理店でも、赤くならない個体を廃棄するため安全だと説明している店舗も見受けられるが、科学的根拠のない迷信である。

かつて、石垣島などではそこら中で見かけることができたようだが、近年は海岸開発による生息地の破壊や駆除などで数を減らし、現在は環境省の絶滅危惧種Ⅱ類に登録されている。

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最終更新:2025/12/20(土) 05:00

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