MVNO

MVNOとは、仮想移動体通信事業者（Mobile Virtual Network Operator）の略称で、他の通信キャリアのインフラを借用してサービスを提供する通信事業者のことである。

概要

通信版OEMとも言われ、通信施設を貸す側は既存のインフラをまとめて大口に安定供給でき、貸した先の営業網を用いて自社のサービスを拡大できること、借りる側は通信施設に莫大な投資をしたり、複雑な免許取得をしなくても営業を開始できる利点がある。

2001年にウィルコムのインフラを借りてサービスを開始した日本通信（b-Mobile）が日本初のMVNOであり、現在ではNTTドコモ、UQ WiMAX（UQコミュニケーションズ）のインフラを用いたサービスが数多く提供されている。少数派ではあるがau(KDDI)のインフラを使ったものもある。
ソフトバンク(ワイモバイル除く)は回線貸出料金がドコモ等に比べて非常に高いので行っている企業はほぼゼロに等しい状況である。

2013年現在、俗に「格安SIM」と呼ばれる月480円程度から利用できる3G・LTE用のSIMカード販売を行なっているのも、このMVNOである。契約形態の都合から、卸元より直接サービスを受けるより安価にサービスを得られる会社が多い。

日本の代表的なMVNO

NTTドコモのインフラを用いるもの

独立系

• 日本通信　リンク
  言わずと知れたMVNOの先駆者。「b-mobile」というブランド名で展開。アマゾン専売・ヨドバシ専売・イオン専売等各小売業者専用SIMをはじめ、基本料金0円のSIM、FOMAガラケー用SIM、高速通信容量無制限SIM、市外局番03の電話番号を取得可能な「03スマホ」を展開。VAIO株式会社とタッグを組み、「VAIO Phone VA-10J」を共同開発した。
• 楽天モバイル　リンク
  通販サイト大手の「楽天市場」が展開しているブランド。通信料の楽天スーパーポイント還元があるほか、契約中はずっと獲得ポイントが倍付けとなるメリットがある。楽天カフェ(渋谷・二子玉川)と東北楽天ゴールデンイーグルス公式グッズショップ(仙台)では音声通話SIMの即日開通が行える。
• ワイヤレスゲート Wi-Fi＋LTE　リンク
  ヨドバシカメラ傘下の企業「ワイヤレスゲート」が展開しているブランド。全国のヨドバシカメラほか同社の通販サイト「ヨドバシ.com」で契約可能。480円で通信速度最大0.25MbpsのSIMを発売したことで話題となった。プラン変更が出来ないのが玉に瑕。実はバースト通信があるようで最初の3秒程度は通信速度制限が発動しない。
• U-MOBILE　リンク
  映像配信サービスの「U-NEXT」が展開しているブランド。高速通信容量無制限プランがあるほか、南青山(外苑前)に直営店を設けており音声通話SIMの即日開通・MNP転入 即日開通にも対応。
• freetel　リンク
  プラスワンマーケティングが展開しているブランド。独自でSIMフリー端末を販売しており、Androidスマートフォンを発売しているほか、現在Windowsスマートフォンおよびガラケーも開発中とのこと。2015年7月からはブランドのデザインを和風のものにし、『日本品質』を掲げているほか、『使った分だけ安心プラン』を導入。このプランならデータ専用SIMで100MBまで299円、SMSを付けても439円、音声通話を入れても999円と爆安になった。天井は10GBで、データ専用SIMで2470円、SMSを付けても2610円、音声通話を付けても3170円となる(10GB超過後は月末迄200kbps規制)。
• ワンダーリンク　リンク
  パナソニックが展開しているブランド。2015年7月から導入された「LTE-F」プランでは、低速モード時の速度が700kbpsで総量制限無しとなっている。
  余談ではあるが、旧:松下グループはかつて「ハイホー」というプロバイダを持っていたが売却され現在はIIJグループになっている。

固定回線プロバイダ系

• ぷららモバイルLTE　リンク
  NTTグループ傘下の有名プロバイダ「NTTぷらら」が展開しているブランド。通信速度が最大3Mbpsになるのと引き換えに通信容量の総量制限が一切無いSIMが好評。
• ServersMan SIM　リンク
  フリービットグループ傘下の有名プロバイダ「DTI」(ドリームトレインインターネット)が展開しているブランド。日本で初めてワンコインで持てるSIMカードを提供。
• ASAHIネット　リンク
  オプション料金を別途支払えば固定IPアドレスを使用可能。
• BB.exciteモバイル　リンク
  通信速度最大0.2Mbpsと引き換えに3枚1100円というデータ通信専用SIMを用意しているが特徴。
• BIGLOBE LTE・3G　リンク
  元NECグループの有名プロバイダ「ビッグローブ」が展開しているブランド。同社のMVNOのWiMAXとセットで契約すると毎月900円割引となる。
• IIJmio　リンク
  IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)が展開しているブランド。音声通話対応SIMは「みおふぉん」という愛称を持つ。高速通信容量は「クーポン」という形を取っており、ウェブ上のマイページやスマホアプリでクーポンを発動するかしないかをスイッチ可能。高速通信容量が無い状態・クーポン非発動状態(通信速度最大0.2Mbps)でも最初の3秒間は速度制限が発動しないのでテキストベースのページやtwitterのタイムライン読み込み、LINE等のメッセージアプリは快適に閲覧が可能。radikoも音切れなく聴ける。
  なおクーポン非発動時に3日間で366MB通信してしまうと速度制限が発動(発動時は0.04Mbps)するので要注意。クーポン使用時は3日制限はノーカンとなる。クーポンはウェブ上のマイページのほか、コンビニでプリペイドカードを購入し追加可能なのが特徴。
  ちなみにビックカメラが展開している「BIC SIM」(リンク)と、DMMが展開している「DMMモバイル」(リンク)はこれのOEMである。一部のビックカメラでは専用カウンターを用意しているのでみおふぉんの即日開通が可能だし、MNPで他社から転入し即日開通も可能。
  2015年7月からは国内約200箇所のイオン携帯電話取扱店でもみおふぉんの取扱を始めたのでMNP即時転入・開通も可能になった。
• OCNモバイルONE　リンク
  NTTコミュニケーションズが展開する有名プロバイダ「OCN」が展開しているブランド。通信容量制限が一日あたりで行われるタイプのSIMがあるのが特徴(使いきっても翌日午前0時になれば元通りになる)。レンタルビデオ店の「ゲオ」とタッグを組んでおり、全国のゲオでSIMカードの入手が可能。また、今後は一部のゲオ店舗でも音声通話SIMの即日開通を行えるカウンターを展開する。ほかにも、NTTグループのNTTレゾナントが展開している検索サイト「goo」のブランドを冠した「gooスマホ」(ZTE中興通訊製)の販売も手がける。
• PLAY SIM　リンク
  ソニーグループ傘下のプロバイダ「ソネット」が展開しているブランド。日本で初めて訪日外国人観光客向けのデータ通信専用プリペイドSIMカード自販機を関西空港に設置したほか、格安航空会社(LCC)の「ピーチアビエーション」の機内での販売を行っている。
• NifMo　リンク
  富士通傘下の有名プロバイダ「@nifty」が展開しているブランド。ヨドバシカメラ限定で音声通話＋低速データ(通信速度最大0.2Mbps)で月1200円の格安SIMを販売しているのが特徴。

auのインフラを用いるもの

• mineo　リンク
  関西電力傘下、光ファイバーインターネット事業を行う子会社「ケイ・オプティコム」が展開するMVNO。au4GLTE端末用の格安SIMカードを国内で初めて提供したことで話題となった。なおこのSIMはiOS8以降のアップル製品で使用することは不可能。
  2015年7月からはこれまであった1年縛りが廃止(ただし1年以内にMNPで転出する場合は9500円のペナルティあり)。
  2015年9月からはNTTドコモ回線を使用するSIMカードを提供する予定。日本初のマルチキャリアMVNO事業者となる。
• UQモバイル　リンク
  WiMAXで有名な「UQコミュニケーションズ」が展開するMVNO。mineoと同じくau4GLTE端末用格安SIMカード提供企業2例目。通信速度が最大0.5Mbpsになるのと引き換えに通信総量無制限のSIMを用意しているのが特徴。

関連動画

関連項目

• 携帯電話
• NTTドコモ
• KDDI
• WiMAX