出羽守とは、
本記事では2について解説する。
出羽守とは、何かにつけて「○○では~」と別世界の物事を引き合いに出す人を指す俗語である。連語の「では」とかつての官職である「出羽守(でわのかみ)」を掛けた洒落である。「○○」には「海外」「欧州」「北欧」などが入り、それぞれ頭に載せて「海外出羽守」「欧州出羽守」「北欧出羽守」と呼ばれることもある。東南アジア、中東、南米、アフリカの国々に対してはあまり使われない[2]。
米川明彦編『日本俗語大辞典』(東京堂, 2003)に記載されているほか、近年では『デジタル大辞泉』や『大辞林 第四版』(三省堂, 2019)など国語辞典にも掲載され始めている。
海外や他業界と比較して評価すること自体は決しておかしなことではないが、互いの環境や文化の違いを考慮せずに表面的に比較すると批判を受けやすい。比較する際には「日本の似た事例や背景・文脈の理解と言及も必要」とされている[3]。また海外在住者でも「現実を無視して過度に美化した海外情報を広める出羽守には、正直腹が立つ」という意見が見られる[4]。
インターネットの普及に伴いよく目にするようになったため、ネット用語と紹介されることもあるが[5]、実際にはもっと古くから使用されている。1977年4月10日付の朝日新聞東京版では、海外を引き合いに出す人のことを「「出羽守」というのだそうだ」と紹介されており[6]、実際に使用されていたのはこれより前だとわかる。『日本俗語大辞典』ではOLことばと紹介されているが、性別に関わりなく使われている用語である。
出羽守ほど使用頻度は高くないが、同じような成り立ちの用語が存在する。
「○○守」という俗語の中で最古級の物に「薩摩守」がある。これは「ただ乗り」を意味する用語であり、平清盛の弟の忠度(ただのり)が薩摩守であったことにかけた洒落である。
戦国時代の『天正狂言本』所収の「青海苔」にはこの洒落が登場する。
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最終更新:2025/12/13(土) 05:00
最終更新:2025/12/13(土) 05:00
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