十和田観光電鉄とは、青森県南東部に存在する鉄道事業者である。
略称、十鉄。
2012年(平成24年)3月末をもって廃線になることが発表されている。
1914年(大正3年)に十和田軌道株式会社として設立した古い生まれの私鉄会社である。
元々は地元資本による会社だったが、1968年(昭和43年)の十勝沖地震の復旧にて多額の資金が必要であったことから、1969年(昭和44年)に国際興業の傘下になった。
タクシー事業からホテル事業、リゾート事業、果てはスーパーマーケット事業まで手広く事業を行い、赤字である本業を補っていた。
しかし需要の動線の変化、および震災の影響もあり経営状況が急速に悪化。
新幹線の新青森開業に伴い接続していたJR線(東北本線)が青い森鉄道に移管されたことにより、鉄道を乗り継いで向かう場合には高めの運賃の青い森鉄道経由となったこと、その他、古い時代に敷設された路線であることから現在の需要のある移動線にマッチしなくなったことも手伝い需要が下がり続けていた。
(社長である白石鉄右エ門社長は、2010年12月に東北新幹線の新駅「七戸十和田」が開業して利用客が減少したことや、東日本大震災で観光部門が落ち込んだことなどを理由に挙げている。)
2011年、沿線3自治体(十和田市、六戸町、三沢市)に施設更新費の補助を打診するも、財政の悪化した自治体たちに捻出する余裕はなく断られたことから鉄道事業からの撤退を決めた。
2011年11月時点ではまだ生きている弱小私鉄であるが、その未来は消して明るくない。
仮に廃線になってしまったとしても、その姿を皆の胸の中に永遠に走らせることが望まれる古き良き時代の民間鉄道である。
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最終更新:2025/12/13(土) 04:00
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