日本の苗字分布(7)とは、九州南部(宮崎県、鹿児島県)、沖縄県の苗字分布について解説した記事である。
→日本の苗字分布
→日本の苗字(名字)の一覧
南九州は独特な苗字が非常に多い。田中はこの地方でも多いが、山本が九州の他の地域に比べて少ない。九州全体に多い中村、南九州に多い山下、日高などが多く見られる。
坂元、山元などの「元」の字がつく苗字や、山之内、池之上、木之下など「之」のつく苗字が多いのも特徴。また、4字の苗字も見られる。
また、鹿児島県(旧薩摩藩)を中心に、次の字を使う苗字も割りと見られる。
黒木がぶっちぎりで多く、県内で一番多い苗字となっている(黒木は稀に「くろぎ」と読む)。二番目に多い甲斐も非常に多い。日高、長友、岩切も宮崎県らしい苗字。永友、那須、椎葉、興梠(こうろぎ)なども多く見られる。
南部は薩摩藩領だった関係で、鹿児島県に苗字分布が近い。
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など。
苗字の種類が群を抜いて多くダントツである。結び字に「園」、「薗」、「留」、「迫」、「盛」、「水流(つる)」を用いた苗字が多い。さかもとなどの○もと姓の結び字は「○本」より「○元」が主流。坂本龍馬が当地を訪れた際、公式文書に「坂元龍馬」と書かれたほどである。「有」の字を使った苗字、「福」の字を使った苗字、「満」の字を用いた苗字も顕著に見られる。
目立つ苗字は川畑、松元、有村、坂元、鮫島など。東、西などの方位姓も非常に多い。中村、田中が多いのは鹿児島県でも変わらず。山下も多い。
東西南北古今上中下を頭につけた苗字も多い。
隣県県知事の苗字、東国原姓は鹿児島の苗字で、曽於市に集中している。
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など。
奄美地方には一字姓が非常に多く分布している。これは琉球王国が薩摩藩に服属する際、本土との区別をつけるために一字姓にするよう申し渡したためである。
栄(榮)、東、西、林、森、泉、平など本土で見るようなものも多いが、恵(めぐみ)、慶(いわい)、伊(い)、隣(となり)、中(あたり)、元(はじめ)、里(さと)、文(かざり)、徳(とく)、昇(のぼり)、隆(たかし)など、よその地域では見ないものも多い。
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など。
全く独自の苗字に満ち溢れており、一番多い苗字は比嘉。金城、大城、宮城、新垣、玉城、島袋、平良、山城と、本土では見ないものが多い。沖縄の苗字は殆んどが地名姓だと思われる。職業姓は見られない。また、一字姓もあまり見かけない。
中には上原、松田、山内など、本土で見るような苗字も見かけるが、これも沖縄の地名が由来。
分家をする際に「東」、「西」、「前」、「後」を苗字の頭につけたものが多い。
また、奄美群島同様、琉球王国から薩摩藩に服属する際、本土との区別をつけるために、三字姓にしたケースが多い。真栄田(まえだ)、富名腰(ふなこし)、譜久原(ふくはら)などがそれである。
独特な読みを本土の人間には読んでもらえないため、喜屋武(「きゃん」を「きやたけ」)、上江洲(「うえず」を「かみえす」)など、戦後に難読の苗字を本土風の読みにしたものも多い。
苗字の種類自体は本土と比べて少ないと思われる。
沖縄に分布する苗字は、殆んど土着といっていい。
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など。
| 日本の苗字分布 ※各県名を押すとその県の苗字分布へと飛びます。 | |
| 1 |
北海道・東北(青森県・岩手県・宮城県・福島県・秋田県・山形県)・新潟県 |
| 2 | 関東(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県) |
| 3 | 甲信(山梨県・長野県)・北陸(富山県・石川県・福井県)・東海(静岡県・愛知県・岐阜県・三重県) |
| 4 | 関西(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県) |
| 5 | 中国(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県) |
| 6 | 四国(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)・九州北部(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県) |
| 7 | 九州南部(宮崎県・鹿児島県・奄美群島)・沖縄県 |
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最終更新:2025/12/11(木) 02:00
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