日本の苗字分布(2)とは、関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の苗字分布について解説した記事である。
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関東
概況
東北と同じく、佐藤、鈴木、高橋の日本三大姓が多い。しかし、佐藤が多数の東北と違い鈴木が多数なのが特徴である。野口、関口、関根などが多く分布している。
北関東ではその他、渡辺、新井、小林なども多い。他に特徴的な苗字は星野、飯塚、栗原などで、この付近を中心に分布している。
栃木、茨城は早乙女、宇賀神、宇留野など三字姓が多い。この地方に独特な苗字としては、あくつ(阿久津、圷など)があげられる。
南関東は全国から人が流入してくるため、苗字分布としては特徴はあまり見られない。しかし、この地を発祥とした苗字は三浦、千葉など数多い。
特徴的なものを強いてあげるならば、石井、石川、小川などか。
茨城県
根本が県内で7番目に多く、福島に影響を与えていることが分かる。千葉、栃木からも影響を受けており、土着の苗字が非常に多様である。
関、野口、飯田、飯島が他県と比べて多く見られるのも特徴である。目立つ苗字は倉持、飛田、染谷、菅谷など。小島、小沼はそれぞれ「おじま」、「おぬま」と読むことが多い。
結び字(苗字の最後の文字。例えば、鈴木なら、木)に深作、永作などの作の文字を用いた苗字も見られる。
土着の苗字
- 会沢 (あいざわ)
- 赤荻 (あかおぎ)
- 赤津 (あかつ)
- 圷 (あくつ)
- 雨貝・雨谷 (あまがい)
- 飯岡 (いいおか)
- 飯泉 (いいずみ)
- 井坂 (いさか)
- 石引 (いしびき)
- 磯山 (いそやま)
- 市毛 (いちげ)
- 糸賀 (いとが)
- 稲野辺 (いなのべ)
- 宇都木 (うつぎ)
- 宇津野 (うつの)
- 宇留野 (うるの)
- 江幡 (えばた)
- 海老沢 (えびさわ)
- 大曾根 (おおそね)
- 大部 (おおぶ)
- 小田部 (おたべ)
- 鬼沢 (おにざわ)
- 小沼 (おぬま)
- 海東・皆藤 (かいとう)
- 加倉井 (かくらい)
- 風見 (かざみ)
- 方波見 (かたばみ)
- 加藤木 (かとうぎ)
- 神永・神長 (かみなが)
- 鴨志田 (かもしだ)
- 川又 (かわまた)
- 君和田 (きみわだ)
- 倉持 (くらもち)
- 来栖 (くるす)
- 軍司 (ぐんじ)
- 結束 (けっそく)
- 国府田 (こうだ)
- 小松崎 (こまつざき)
- 坂入 (さかいり)
- 七字 (しちじ)
- 出頭 (しゅっとう)
- 助川 (すけがわ)
- 砂押 (すなおし)
- 薗部 (そのべ)
- 為我井 (ためがい)
- 田山 (たやま)
- 寺門 (てらかど)
- 永作 (ながさく)
- 長塚 (ながつか)
- 生天目 (なばため)
- 仁平 (にへい)
- 額賀 (ぬかが)
- 沼尻 (ぬまじり)
- 初見 (はつみ)
- 塙 (はなわ)
- 張替 (はりかえ・はりがえ)
- 檜山 (ひやま)
- 日向寺 (ひゅうがじ)
- 深作 (ふかさく)
- 藤枝 (ふじえだ)
- 真家 (まいえ)
- 益子 (ましこ・ますこ)
- 真中・間中 (まなか)
- 茂垣 (もがき)
- 谷田部 (やたべ)
- 横島 (よこしま)
- 横須賀 (よこすか)
- 綿引 (わたひき)
など
栃木県
他県と比べたときに多く見えるのは、石川、阿久津、手塚。大森もよく見ることができる。
和久、高久、牛久など「久」。矢野目、塩野目、生田目など「目」。海老沼、蓼沼など、「沼」を用いた苗字が多く見られ、三字姓が多い。この地方に多い早乙女及び五月女姓は殆んど「そうとめ」と読ませる。
目立つ苗字は神山、室井、薄井、君島、磯、半田、宇賀神など。
土着の苗字
- 赤羽根 (あかばね)
- 阿久津 (あくつ)
- 天海 (あまがい)
- 安生 (あんじょう)
- 磯 (いそ)
- 五十畑 (いそはた・いかばた)
- 印南 (いんなみ)
- 宇梶 (うかじ)
- 宇賀神 (うがじん)
- 牛久 (うしく)
- 江連 (えづれ)
- 海老沼 (えびぬま)
- 大阿久 (おおあく)
- 大根田 (おおねだ)
- 大豆生田 (おおまめうだ)
- 君島 (きみしま)
- 倉井 (くらい)
- 毛塚 (けづか)
- 見目 (けんもく)
- 郷間 (ごうま)
- 渋井 (しぶい)
- 早乙女・五月女 (そうとめ)
- 高久 (たかく)
- 蓼沼 (たでぬま)
- 田名網 (たなあみ)
- 綱川 (つなかわ)
- 戸叶 (とかの)
- 沼尾 (ぬまお)
- 増渕・増淵 (ますぶち)
- 水沼 (みずぬま)
- 八木沢 (やぎさわ)
- 谷田貝 (やたがい)
- 横塚 (よこつか)
- 若田部 (わかたべ)
など
群馬県
長野の影響を受けて、小林が二番目に苗字となっている。高橋が一番多く、関東で鈴木がトップでないのは異色。
特徴としては星野、中島、田村、茂木(もぎ、もてぎ)、金井を多く見ることができ、さらに埼玉の影響を受け新井も多く分布する。
よく見かける苗字は狩野、反町、女屋、都丸、木暮、天笠、羽鳥、折茂、書上、塚越、真下、生方、小茂田など。
嬬恋村には黒岩姓が断トツで多い。
土着の苗字
- 阿久沢 (あくざわ)
- 天田 (あまだ)
- 石関 (いしぜき)
- 一場 (いちば)
- 生方 (うぶかた)
- 小此木 (おこのぎ)
- 女屋 (おなや)
- 小野里 (おのざと)
- 小淵 (おぶち)
- 小板橋 (こいたばし)
- 茂原 (しげはら)
- 七五三木 (しめき)
- 神宮 (じんぐう)
- 須永 (すなが)
- 反町 (そりまち)
- 高草木 (たかくさき)
- 田部井 (たべい・ためがい)
- 津久井 (つくい)
- 勅使川原 (てしがわら)
- 戸所 (とどころ)
- 都丸 (とまる)
- 原沢 (はらさわ)
- 毒島 (ぶすじま)
- 諸田 (もろた)
- 横堀 (よこぼり)
- 六本木 (ろっぽんぎ)
など
埼玉県
人口の流入のため、これといった特徴はないが、新井姓が県内6番目といえども非常に多く、特に秩父市に集中している。
浅見、関根、関口、栗原、福島、田島、根岸、黒沢なども多い。
土着の苗字
など
千葉県
石井が多めに分布する。
県西部は人口の流入でこれといった特徴のある分布は見られない。
県南部では佐久間、県南東部では吉野が多く見られる。千葉県らしい苗字は湯浅、加瀬、鶴岡、越川、木内、鵜沢、向後、篠塚、石毛、深山、椎名、植草、川名、高梨、日暮など。
花沢(花澤)、花島、花房、花輪など「花」から始まる苗字が多いのが特徴的か。
土着の苗字
- 相葉 (あいば)
- 秋谷 (あきや)
- 朝生 (あさお)
- 熱田 (あつた)
- 在原 (ありはら)
- 安蒜 (あんびる・あびる)
- 飯高 (いいだか)
- 石毛 (いしげ)
- 伊能 (いのう)
- 今関 (いまぜき)
- 宇井 (うい)
- 植草 (うえくさ)
- 鵜沢 (うざわ)
- 江沢 (えざわ)
- 江波戸 (えばと)
- 大根 (おおね)
- 押尾 (おしお)
- 忍足 (おしたり)
- 海保 (かいほ)
- 加瀬 (かせ)
- 香取 (かとり)
- 金坂 (かねさか)
- 神子 (かみこ)
- 川名 (かわな)
- 君塚 (きみづか)
- 久保木 (くぼき)
- 向後 (こうご)
- 越川 (こしかわ)
- 子安 (こやす)
- 五木田 (ごきた)
- 佐瀬 (させ)
- 椎名 (しいな)
- 宍倉 (ししくら)
- 真行寺 (しんぎょうじ)
- 菅沢 (すがさわ)
- 泉水 (せんすい)
- 高品 (たかしな)
- 醍醐 (だいご)
- 鶴岡 (つるおか)
- 鴇田 (ときた)
- 戸村 (とむら)
- 中台 (なかだい)
- 長妻 (ながつま)
- 浪川 (なみかわ)
- 初芝 (はつしば)
- 花沢 (はなざわ)
- 花島 (はなしま)
- 日暮 (ひぐらし、ひぐれ)
- 藤代 (ふじしろ)
- 藤平 (ふじひら)
- 松戸 (まつど)
- 松丸 (まつまる)
- 丸 (まる)
- 御園生 (みそのう)
- 元吉・本吉 (もとよし)
- 鎗田 (やりた)
- 渡来 (わたらい)
など
東京都
首都であり、人口の流入著しく特徴に乏しい。市部、郡部、島嶼部では土着の苗字も多めに分布する。江戸川区の宇田川、多摩地方の原島が目立つ。
土着の苗字
- 石鍋 (いしなべ)
- 岩楯 (いわだて)
- 宇田川 (うだがわ)
- 上保 (うわぼ)
- 榎戸 (えのきど)
- 沖山 (おきやま)
- 奥住 (おくずみ)
- 小作 (おざく)
- 乙幡 (おっぱた・おつはた)
- 尾又・尾亦 (おまた)
- 小美濃 (おみの)
- 鴨下 (かもした)
- 私市 (きさいち)
- 小町 (こまち)
- 篠 (しの)
- 宿谷 (しゅくや)
- 瀬沼 (せぬま)
- 瀬堀 (せぼり)
- 高水 (たかみず)
- 滝島 (たきしま)
- 田倉 (たくら)
- 谷合 (たにあい)
- 田野倉 (たのくら)
- 机 (つくえ)
- 当麻 (とうま)
- 豊泉 (とよいずみ)
- 鳴島 (なるしま)
- 萩生田 (はぎうだ)
- 羽村 (はむら)
- 原島 (はらしま)
- 彦田 (ひこた)
- 土方 (ひじかた)
- 比留間 (ひるま)
- 保谷 (ほうや)
- 峰尾 (みねお)
- 峰岸 (みねぎし)
- 村野 (むらの)
- 本橋 (もとはし)
- 師岡 (もろおか)
など
神奈川県
こちらも人口流入のため、これといった特徴はない。県西部は静岡の影響を受けている。小泉が大目か。
箱根町には勝俣姓が多く、町内では一番多い苗字となっている。
三浦、三橋、三沢、三田、三富、三谷など「三」を用いた苗字が多く見える。
土着の苗字
など
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