札幌市内アパマンショップ爆発事故とは、2018年12月16日に札幌市豊平区で発生した爆発・火災事故である。
Wikipediaでは「札幌不動産仲介店舗ガス爆発事故」という記事名、大手新聞社の記事では単に「札幌爆発」等の表記となっており、取り扱うメディアで表記のブレが見られる。
爆発事故は午後8時半ごろに「アパマンショップ平岸駅前店」(直営)などが入居する雑居ビルで発生。アパマンショップの店舗および隣接する居酒屋「海さくら平岸店」が倒壊・全焼、51人が軽傷を負い1人が重傷を負った。事故直後は夜間で状況がわかりにくかった上、まさか不動産店に爆発物はないだろうという思い込みもあってか、居酒屋が火元とする報道がされていたが、翌日になってアパマンショップが火元だったことが判明した。ちなみに居酒屋は営業中で、忘年会シーズンということもあってかなりの客が入っていた。負傷者の大部分はこの居酒屋の客と店員である。
当時アパマンショップ店内では、従業員が除菌消臭スプレー缶120本以上のガスを抜く作業を、換気をせずに行っていた。その後、従業員が手を洗おうとして給湯器をつけた瞬間、爆発が発生したことが明らかになっている。北海道新聞の報道によると、15km離れた江別市内でも爆音が聞こえたらしく、専門家の中には爆轟(熱膨張速度が音速を超える爆発)が起きた可能性を指摘する者もいる。なお、そのアパマンショップは跡形もなく消え去った。
爆発から火災発生まで若干の猶予があったようで、死者0人で済んだのは逃げる時間があったこと、建物が木造であり、爆発で床や壁が抜けてかえって脱出しやすくなったことが幸いしたと思われる。また爆発の際にプロパンガスの配管がはずれたことで異様なガス臭が周囲に漏れ、通行人も異変を察知しているが、この漏出が火災につながったのではないかという見方が有力である。スプレー缶120本による爆発の威力は凄まじく、現場の建物以外にも周辺の住宅や車の窓ガラスが割れる、近隣240戸で停電が発生する等の二次被害も発生した。また現場前の国道453号(通称:平岸街道)が歩車道全面通行止めとなったため、近隣の店舗の休業、路線バスの迂回運行など市民生活にも影響が出た(言うまでもないが、12月中旬〜下旬はクリスマスや忘年会などでどの店も書き入れ時である)。
またこれと同時に、アパマンショップでは入居の際の費用に『消臭・抗菌代』があり、これが高額であるにも拘らず実際はスプレーで行なっていた疑惑が浮上している(要するにぼったくり)。 取材に応じた元従業員の話によると、入居前に客の要望を受けてスプレーによる除菌・消臭のサービスを行っているが、繁忙期はついつい忘れてしまうことさえ多いという。スプレーの仕入れ本数による表彰やノルマといった仕組みがあったことも報じられた。使用後のスプレー缶は本部が回収しているが、事故を起こした従業員らは本来やるべきサービスをやらなかったために生じた未使用の缶を処分するためにガス抜き作業をしていたのではないか、と指摘されている。なお、事故後に開かれた記者会見(後述)でも、事故の際従業員が噴射させたスプレーは全部未使用品であったこと、少なくとも現場となった店舗において、消臭サービスの代金を徴収しながら未実施のケースがあったことを社長自ら認めている。また廃棄処理時に換気をしなかった理由について、除菌消臭スプレーから出る煙が火災の煙と間違われないためだったことが、TVの取材で新たに判明している。最初は屋外でガス抜きをしていたが、通行人に怪しまれたためにやめたという。店内にはまだ大量の未使用スプレー缶が残っていた。
この一件が本社へ与えたダメージは大きかったらしく、17日の東証ジャスダックではAPAMAN(アパマンショップなどを運営するグループの持株会社)の株価が後場に入り急落した。また事故を受けてAPAMANは12月18日、公式ページに謝罪文を掲載し、同日夕方には同店を運営する「アパマンショップリーシング北海道」の社長が謝罪会見を開いている。社長は「店の改装が控えており、余分な在庫を処分するためにスプレー缶のガス抜きをした」と会見で説明した。20日には「現地受付窓口」を現場近くに開設し、被害者対応にあたっている。
なお、爆発に巻き込まれて倒壊した隣の居酒屋「海さくら平岸店」は、元の場所から地下鉄2駅分離れた南区澄川に移転し、2019年6月から「海さくら澄川店」として営業を再開している。
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最終更新:2025/12/13(土) 05:00
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