火垂るの墓とは (ホタルノハカとは) [単語記事]

火垂るの墓とは、野坂昭如による小説、及びそれを原作としたスタジオジブリ製作（高畑勲監督作品）のアニメ映画である。

映画は1988年4月16日公開。同時上映はとなりのトトロ。

概要

先述したようにとなりのトトロとの同時上映であった為、観客達は「ハートフルな描写に癒された直後にハートフルボッコな描写に凹まされる」というハードな体験をし号泣しすぎて脱水症状を起こした人や落ち込みすぎて座席から立ち上がれない人などが続出した。

また、兄妹の保護者である西宮の叔母さんを悪者のように描いている為、視聴者達にもそう見られがちだが、当時の生活状況や戦争の現実というものを考えてみれば一概に彼女だけを責める事はできないであろう。
だからといって兄妹が悪いのかというとそういう訳でもない。
14歳と4歳の子供に一般常識を求めるのは酷な話である。

要は誰が悪いのかというと「誰も悪くない、時代が悪い」という事なのではないだろうか。

ストーリー

1945年の兵庫県神戸市近郊を舞台とし、親を亡くした幼い兄妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わず悲劇的な死を迎えていく姿を描いた。

登場人物

清太（辰巳努）: 本作の主人公で14歳。海軍の大佐（原作では大尉）を父に持ついわゆるエリート軍国少年である。
母を失った事から妹の節子と共に西宮に住む親戚に引き取られるが叔母さんとの仲が険悪になっていき妹を連れて家を出る。
その後、防空壕を発見し兄妹だけの生活を始めるが、節子が栄養失調に犯されて死去。自身も1945年9月22日に三宮駅構内で死亡する。
節子（白石綾乃）: 清太の妹で4歳。明るくわがままで父や母、兄が大好きな女の子である。
兄と共に親戚に預けられるが色々わがままな発言を繰り返し叔母さんとの間に溝が出来、兄に連れられて家を出る。
防空壕で兄と2人、楽しく暮らすが食糧難がたたって栄養失調となり兄に看取られてこの世を去る。遺体は清太の手によって火葬された。
親戚の叔母さん（山口朱美）: 西宮に住む、清太と節子の親戚。
兄妹の母に生前に頼まれていたのか2人を引き取る。当初は好意的に接していたが、学校や勤労に行かずブラブラしている清太とわがままを言う節子に嫌気が差し2人を邪険に扱うようになる。
だが、2人が家を出て行く際には寂しそうな顔で見送っていた。
この事からも分かるように決して悪い人ではない。
清太と節子の母（志乃原良子）: 兄妹の母で年齢は不明。
清太と会話している時の「はいはい」という台詞が印象的ないかにも器量のよい優しそうな女性である。
だが逃げ延びた先で空襲に遭い清太と面会した際には見るも無残な姿になっていた。
その直後、静かに息を引き取る。
清太と節子の父: 兄妹の父で海軍大佐年、齢は不明。
連合艦隊に所属している戦艦の艦長で厳格そうな風貌をしている。
清太は父が生きて帰ってくると信じていたが「連合艦隊が全滅した」という報せが彼の元へ入る。
恐らくその際に戦死したものと思われる。